八条学園騒動記
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第五百八十七話 開演してその五
「飛鳥時代とか」
「あの頃のだね」
「平城京の頃のね」
「そういえばそうだね、あの頃のものは今も残っているけれど」
正倉院のものである、こちらにあるものはこの時代でも残っていて年に一度展示されている。それが続いているのだ。
「それでもね」
「儀礼としてはね」
「やっていないね」
「平安時代の服よね」
「即位の礼の時とかはね」
「そうよね」
「言われてみればそうだね」
菅も頷いた。
「十二単にしてもね」
「平安時代の服で」
「それ以前はね」
「皇室はあるけれど」
「ないね」
こう蝉玉に答えた。
「本当に」
「そうよね」
「確かに。しかしね」
「しかし?」
「あの十二単着てくれって言われたら」
どうかとだ、菅はあらためて述べた。
「辛いね」
「重くて暑くて」
「ちょっとやそっとじゃ着られないよ」
「そうよね」
「けれどタイツはね」
「それ以上ってことね」
「当時のエウロパの服は」
それはというのだ。
「あんまりにも恥ずかしいから」
「それ女の子もよ」
「女の子が着てもなんだ」
「ストッキングはあるけれど」
「タイツとストッキングって同じじゃないかな」
スターリングは考える顔で述べた。
「考えてみれば」
「まあそうね」
蝉玉も否定しなかった。
「だからタイツ穿いてその上に半ズボンとかね」
「そうしたファッションあるね」
「けれどあのタイツに提灯ブルマとか」
「コッドケースはなんだ」
「かなり嫌よ」
そうだというのだ。
「もう絶対と言っていい位よ」
「そういうのが嫌なんだ」
「ストッキングとか今のタイツはズボンとかスカートの下に穿くから」
「いいんだ」
「ストッキングのままではいないでしょ」
「タイツだけでもね」
「だからね」
「今はいいんだ」
「そう、半ズボンとタイツなら」
この組み合わせならというのだ。
「問題ないわ」
「スカートの下にタイツも」
「暖かいし下着見えないし」
「下着もなんだ」
「これがね」
まさにというのだ。
「大きいわ」
「女の子にとってはだね」
「かなりの重要事項で」
「だからタイツはいいんだ」
「スカートやズボンの下に穿くならね」
「スパッツと一緒だね」
「というかスパッツがね」
これがとだ、蝉玉はスターリングに答えた。
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