八条学園騒動記
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第五百八十七話 開演してその四
「タイツを穿く位なら」
「十二単ね」
「あれ着る方がいいよ」
「女装でもあるけれど」
「それでもね」
「何か日本のそうした儀礼は凄いよね」
スターリングは真顔で述べた。
「いや、本当に」
「王朝絵巻みたいで」
「うん、それでね」
そう見えてというのだ。
「物凄いもの観たなってね」
「思うんだ」
「だって銀河の時代に源氏物語だよ」
「音楽も雅楽で」
「こんなの他の国では絶対にないから」
それでというのだ。
「もうね」
「凄いものを見たって」
「驚くよ」
「それは日本でもだね」
菅はこう返した。
「やっぱりね」
「思うんだ」
「うん、日本人でもね」
「そうなんだ」
「だって銀河の時代だから」
それでというのだ。
「今そういうの見たらね」
「凄いって思うんだ」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「二千年以上前の文化が見られるなんてね」
「まあそうそうはないけれどね」
「そうした式典はだね」
「皇室のお仕事は祭事だけれどね」
「政治ではないね」
「祭事だよ、その祭事は多いけれど」
それでもというのだ。
「ああした祭事はね」
「そうそうないんだ」
「うん、流石にね」
「いや、そうそうなくてもよ」
蝉玉も言ってきた。
「中国で言うと宋代のお話よ」
「王朝のだね」
「その頃の文化が出て来るとかね」
「中国でもないんだ」
「ないわよ、というか中国の式典はね」
それはというと。
「あくまで今のものでね」
「そんな源氏物語みたいなことはなんだ」
「絶対にないから」
それこそというのだ。
「宋王朝もないしね」
「もうだね」
「中国の王朝はその王朝で儀礼があって」
王朝ごとのそれがというのだ。
「それでね」
「宋は宋でなんだ」
「あって、今復活しても」
「国ではしないんだね」
「ええ、今の中国政府は宋王朝じゃないから」
その為にというのだ。
「ドラマや漫画なら出るけれど」
「そうでないのなら」
「もうね」
「ないんだ」
「というか日本の皇室ってずっと続いてるでしょ」
「何千年もね」
「だからね」
そうした状況だからだというのだ。
「源氏物語の時からあるからね」
「源氏物語の様な式典もなんだ」
「出来るのよ、ただね」
「ただ?」
「奈良時代の服は出ないわね」
蝉玉はこちらの時代の話もした。
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