八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百九十二話 行く場所その九
「あんなに愚かなら」
「それならですね」
「成功する筈がないですね」
「そうです、私は結末についてもです」
「最初からですか」
「成功する筈がないと確信していたので」
それでというのだ。
「ああなると思っていました、ただ総括までは」
「するとはとですか」
「まさかとです」
「そうでしたか」
「共産主義国家のことは聞いていました」
「粛清が付きものですね」
「ナチスもそうでしたが」
ナチスも政権に就く前に突撃隊のトップだった者達やヒトラーに批判的なナチスの幹部を粛清している、その中には突撃隊の隊長でヒトラーの親友だったレームもいた。
「ああした勢力はです」
「粛清が付きものですね」
「ジャコバン派もそうですね」
「ええ、最初でしたね」
その粛清を常にした勢力はだ。
「ジャコバン派が」
「ナチスもソ連も極左であり」
「どっちもルーツはジャコバン派ですね」
「彼等にあるので」
その為にだ。
「粛清もです」
「普通にありますね」
「そのことは知っていましたが」
それでもというのだ。
「まさかです」
「学生運動で、ですか」
「ああしたことをするとは」
「思いませんでしたか」
「はい」
そうだったというのだ。
「まことに」
「ごっこだと思ってました?」
「はい、所詮は」
「だからですか」
「愚か者達の革命ごっことです」
学生運動をというのだ。
「思っていまして」
「実際そうでしたね」
「左様ですね、ただ暴れるだけで」
「逮捕されても軽い処罰で」
学生ということが大目に見られてもだ。
「自分達で現実を見ずに騒いでいる」
「ごっこですね」
「それだと思っていまして」
「何でもないものですか」
「そう思っていてです」
それでというのだ。
「流石に粛清、総括までするとは」
「思ってませんでしたか」
「ですが彼等は私の予想以上に愚かで」
「総括もですね」
「していました」
「警察とかに殺された人っていないですよね」
学生運動の運動家でだ。
「別に」
「確かそうだったかと」
「機動隊に向かって行っても」
「はい、取り押さえられただけです」
「そうでしたね」
「警察の対応は理性的でした」
相手に理性がなくてもだ、ついでに言うと知性もなかった。
「取り押さえてです」
「軽い処分ですね」
「それで終わりでした」
「何か警棒を口の中に入れて思いきり動かすとか」
機動隊の人達がしたという。
「そんなことはですね」
「なかったです」
「実際はですね」
「はい、警察は法律でコントロールされています」
「だからですね」
「そうした行いは。少なくとも日本の警察はです」
戦後のだ。
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