八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百九十二話 行く場所その七
「ありませんでした」
「いい大学を出ていても」
「それでもです」
これがというのだ。
「頭はです」
「悪かったんですね」
「頭のよし悪しは学校の成績ではないですから」
「それはありますね」
「左様ですね」
「はい、いい大学を出ていても」
それでもだ。
「おかしなことを言う人いますしね」
「吉本隆明もそうですね」
「戦後最大の思想家でもですね」
「頭はあの様です」
「オウムの教祖を褒める位ですからね」
「あの様な愚か者がです」
そう言うしかないと思う、戦後最大の思想家はとんだ馬鹿者だったのだ。
「戦後最大の思想家というのもおかしなことですが」
「吉本隆明って東京工業大学でしたね」
「あの大学もいい大学とされていますが」
それでもというのだ。
「あの有様です」
「小学生の方が頭いいですね」
「そうです、学生運動もです」
これもというのだ。
「一流大学を出ていようとも」
「学校の成績だけですね」
「その他はありません」
「そんな連中がしていたことですね」
「若し日本を変えたいなら」
それならというのだ。
「静かに本を読みアルバイトをしてです」
「教養を備えて社会を知ることですね」
「そして選挙に行くことです」
「それだけのことですね」
「社会に自分の意見を訴えたいなら」
「暴力を振るわずに」
「言葉を出しものを書く」
そうすればというのだ。
「それでいいのです」
「平和ですね」
「当時の日本は。今の日本もですが」
畑中さんは僕にさらにお話してくれた。
「民主主義国家なのですから。しかも法治国家です」
「法律は守るべきですね」
「暴力を振るうことは法律に触れていますね」
「傷害罪とか暴行罪ですね」
「それにあたります、機動隊にゲバ棒で向かっても」
ヘルメットを被ってだ、正直あんな恰好悪いファッションもそうはないだろう。それこそ馬鹿だの阿呆だのと自分の顔に書いている様なものだ。
「それが何になるのか」
「革命だとか言っても」
「何の意味もありません」
「実際に暴れているだけでしたね」
「そうでした、世の中を変えたいなら」
本気でそう思うならというのだ。
「しっかりとです」
「学んで、ですね」
「そしてです」
「選挙に行くことですね」
「当時はインターネットはなかったですが」
それでもというのだ。
「語ること、書くことは出来て」
「人に話すことは出来ましたね」
「そうです、まことに彼等がしたことは」
「無意味でしたか」
「有害なものでした」
無意味どころかというのだ。
「マイナスでした」
「無意味がゼロで、ですね」
「有害はマイナスです」
「もうそちらだったんですね」
「彼等は間違った知識を入れ間違った思想に染まり」
「間違ったことをしたんですね」
「真の民主主義ではなかったです」
自分達は民主主義だと言っていてもだ。
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