夢幻水滸伝
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第百六十三話 近付く最後の決戦その十二
「アラブとか欧州はどないや」
「その二つの地域やな」
「アラブは統一が近いんやな」
「あそこにも天の星のモンがおってな」
「何人かでやな」
「今統一目指して動いてる」
「それで欧州は例の五人がおるな」
今度は欧州の話をした。
「ヘッセ達が」
「五騎星の連中がな」
「そやな」
「あそこは統一なんてまだ先でな」
芥川は中里に応え欧州の事情を話した。
「それで人口は少ないうえに技術もな」
「低いか」
「この世界で欧州はダントツの後進地域や」
そうした状況だというのだ。
「しかも土地は寒冷で痩せたところが多くて資源も他の地域より少なくてしかもな」
「産業革命もまだか」
「やっと火縄銃が入った」
「そんなレベルでやな」
「ほんまにな」
「欧州は統一してもか」
「どうしてもな」
その力はというのだ。
「低いわ、星のモンは強者ばかりで合わせて三十人以上おるが」
「国力が低いからか」
「正直言ってな」
「この世界を統一するにはか」
「力が弱い」
そうした勢力だというのだ。
「どうしてもな」
「そやから僕等かタゴール達がか」
「この世界の覇者となるわ」
「そうなるんやな」
「欧州は三番手や」
「若しかしたら、か」
「そや、まあ必死に技術上げて兵も無理して動員してな」
芥川は欧州の側に立ってこうも話した。
「戦やることも出来るけどな」
「僕等や枢軸とやな」
「僕等に勝つことは無理でも」
「枢軸に勝ったらか」
「それで枢軸を取り込んだらな」
その場合はというと。
「僕等とも戦える」
「そうなるんやな」
「そこにアラブも加えたら世界を二分する勢力になる」
そこまで至るというのだ。
「実質は世界の二割いくかいかんでもな」
「そこまでなればやな」
「かなりのもんや」
「それで僕等と世界を争えるか」
「そうなる可能性もある、けどな」
「やっぱり本命はやな」
「僕等と枢軸の戦の趨勢や」
世界を決めることになる事態、それはというのだ。
「それがや」
「この世界を決めるか」
「統一についてはな、ただな」
「世界を統一してもな」
「それはこの世界を救う力をまとめただけでな」
「世界を救うことにはならんな」
「結局この世界を襲う危機は何か」
このことはというと。
「まだ何もわかってない」
「それな」
中里は芥川の今の言葉にまさにという口調で応えた。
「綾乃ちゃんが神託伺ってもな」
「まだ知る時やない」
「それだけでな」
「一切わかってへん」
「そやな」
「それでや」
その為にというのだ。
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