夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百六十二話 日本に近付きその九
「そうして頂きます」
「そうしてもらうんやね」
「例えば中里君は軍務大臣にと考えていますが」
まずは彼の名前を出した、今場には彼も芥川もいないがそれでも彼の名前を出してそうして話すのだった。
「芥川君は参謀総長です」
「二人で軍をやっていくんやね」
「はい、そしてです」
太宰はさらに話した。
「他の方々もです」
「皆やね」
「はい」
まさにというのだ。
「就いてもらいます、ですが」
「それでもやね」
「元老院として」
「大臣のお仕事を超えて」
「国家の為に働いて欲しいのです」
「そう聞いたら」
まさにとだ、綾乃は述べた。
「明治の頃の元老さん達みたいやね」
「伊藤博文公や山縣有朋公ですね」
「あの人達みたいやね」
「実際に手本にしています」
太宰は綾乃に真面目な顔で答えた。
「私も」
「そうして考えたんやね」
「はい、私達はそれぞれの星の力を授かっていますが」
「神星の子はその中でも特に強いからやね」
「そうです、その力を最大限に使って頂き」
そうしてというのだ。
「勢力の発展、そして世界の統一と救済にあたってもらう為に」
「大臣のお仕事以上にやね」
「存分に力を発揮して頂く為に」
まさにというのだ。
「元老になって頂きたいのです」
「そやねんね」
「元老の方々は政を預かり」
太宰はさらに話した。
「そして兵もです」
「動かすことが出来るんやね」
「それぞれ。星の者は皆その権限を持っていますが」
「中里君達はその中でも特に大きな権限を持ってる」
「その様にと考えています」
「そやねんね」
「ただ、政も軍も第一の権限は棟梁にあります」
その棟梁の綾乃に話した。
「ですから決定権はです」
「うちにあるんやね」
「はい、そしてその下に大宰相となります」
「リー君やね」
「彼が首席元老であり」
「皆を統率するんやね」
「八人の元老を」
その彼等をというのだ。
「そう考えています」
「そうしてうちともやね」
「国家のことをお話します」
「つまり国家の最高意思決定機関やね」
「まさに明治の頃の元老院です」
それに他ならないというのだ。
「各州や省、府県の知事は選挙で選ばれる様にして」
「その上に政府を置いて」
「これは戦後の日本を参考にしています」
「戦前みたいに知事さん任命制にはせんのやね」
「それでは中央のやることが多過ぎて」
「お仕事が回らんのやね」
「ですからある程度以上の地方自治もです」
それもというのだ。
「導入しました」
「やっぱり国土が広くて人口も多くて」
「そうした状況ですから」
その為にというのだ。
「かなりの割合で、です」
「分権にするんやね」
「あまりにも国土が広く人口も多いとなりますと」
「中央集権では限度があるんやね」
「中央では他にやりたいことがあろうともです」
「地方のこともあってやね」
「やりきれないことも出てきますので」
そのことが考えられるからだというのだ。
ページ上へ戻る