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八条学園騒動記

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第五百八十六話 服と見せかけてその六

「その中でも人気がある作品の人気キャラだからな」
「そうよね」
「むしろ俺はハムレットよりもな」
「フォルスタッフ卿の方が好きなの」
「ハムレットだけでなくロミオよりもな」
「ロミオとジュエリットね」
「悲劇よりもな」
 マチアとしてはというのだ。
「喜劇の方が好きでな」
「それでなのね」
「正直な」
「ハムレットやロミオよりも」
「フォルスタッフ卿が好きでだ」
 それでというのだ。
「パックも好きだ」
「真夏の夜の夢ね」
「あの作品も好きだ」
「あの作品面白いわね」
「シェークスピアは悲劇よりもな」
「あんたは喜劇派なのね」
「そうだ、だからな」
 マチアはさらに話した。
「ウィンザーの陽気な女房達も好きでだ」
「これからもなのね」
「参加させてもらうな」
「あんた音楽よね」
「そう、そっち担当でだ」
「バイオリンも弾くのね」
「もう用意はしてある」
 バイオリンのそれはというのだ。
「席もな」
「じゃあ今すぐによね」
「演奏出来る」
「それは何よりね」
「弾けるならな」 
 バイオリン、それがというのだ。
「俺は嬉しいからな」
「本当にバイオリン好きなのね」
「バイオリンとステーキはな」
 この二つはというのだ。
「本当にだ」
「目がないのね」
「ステーキの方がそうだが」
「ステーキか」
 フックが言ってきた。
「確かにお前ステーキ好きだな」
「ステーキの良さはお前もわかるな」
「ああ、ステーキは確かに美味い」
 フックも好きだからこう言えた。
「ただ肉を焼いただけでもな」
「そうだな」
「俺は最近チキンステーキが好きだが」
「おい、ステーキは牛だ」
 マチアは絶対という口調で言い切った。
「鶏もいいが」
「それでもか」
「王道はな」
 ステーキのそれはというのだ。
「何といってもだ」
「ビーフステーキか」
「一週間に一回は分厚いのを食わないとな」
 マチアは実際に食べている、もっと言えばそれこそ一週間に何度もそうしたステーキを食べて楽しんでいる。
「気が済まない」
「そうなんだな」
「チキンステーキもいいが」
 それでもというのだ。
「やはりな」
「王道は牛か」
「そうだ、だからな」
「目がないのはか」
「そちらだ」
 ビーフステーキだというのだ。
「本当にな」
「それでバイオリン以上にか」
「目がない」
「そういうことか」
「昨日も食った」
「ビーフステーキか」
「ソースはソイソースだった」
 醤油だったというのだ。 
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