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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百九十一話 最初の決意その十

「安土城の石垣の墓石やお地蔵さんは結界だったっていうし」
「ああ、神仏の」
「それのね」
「信仰心ないから使ったんじゃないんだ」
「それを結界にして」
 墓石やお地蔵さんをだ。
「お城の力にしようとしたみたいだよ」
「神仏を信じてないと結界とか考えないね」
「天主閣だってね」
 安土城のそれもだ。
「中に色々な宗教の絵が描かれていたそうだし」
「それもだね」
「神仏信じていないとしないし」
「本当に違うね」
「第六天魔王とか呼ばれているけれど」
 このイメージは特に強いと思う。
「本当にね」
「実像は違うね」
「そんな破壊と殺戮をもたらす魔王じゃなかったよ」
「名君だったんだね」
「人間的なね」
 甘いものが好きでお酒が大の苦手のだ。
「そんな人だったと思うよ」
「そうだったんだね」
「善政だったしね」 
 その為領民は真っ先に信長さんについたという。
「悪人は容赦しないで田畑も町もちゃんと整える」
「楽市楽座とか」
「あと関所も廃止してね」
 所謂商業の自由政策だ、往来も盛んにしたうえでの。
「名君だったよ、明らかに」
「そうだったんだね」
「兵農分離をしてお百姓さんの負担を減らしたし」
 農業だけに専念出来る様にしたのだ。
「僕はそうした人だったと思うよ」
「マントをたなびかせた魔王じゃないね」
「そうだね、まあそういうことあるからね」 
 言われている姿と実像が違うことはだ。
「歴史上の人においては」
「よくあるね」
「ネロだってね」
 ローマ帝国の暴君とされている人だ。
「実際はね」
「暴君じゃないしね」
「気前よくて正々堂々としていて」
 協議会に出る時は皇帝の月桂冠を外して一人の参加者として公平に出る様な人だったという。僕はこの逸話が好きだ。
「政治もね」
「市民のことを考えていて」
「国家戦略も理解していて」 
 ローマのそれをだ。
「確かに行動にムラがあったけれど」
「かっとするところがったとか」
「それでも平均以上にはね」
 僕が見る限りではだ。
「政治していたし」
「暴君じゃないね」
「反乱起こされたのは弱点があってだし」
 その弱点はというと。
「自分では軍隊率いたことがないから」
「自分では戦えなかったね」
「その弱点を衝かれてだったし」
 それで元老院が日和って一気に敵に回ったらしい。
「その結果だから」
「無能でもなかったね」
「そう思うよ」
「まあ実際にね」
「暴君と言うとね」
「そうした感じもあったらしいけれど」
 かっとするその性分がだ。
「政治家としてはね」
「まともな政治しているんだよね」
「芸術も保護して奴隷に寛容で」
「民衆のことも考えていて」
 そしてローマのこともだ。
「キリスト教徒を迫害したことで言われているけれど」
「あれね」
「キリスト教徒には嫌な話だけれどね」
 カヤタヤイネン君もクリスチャンだ、それでこのことは注意して話した。宗教の話は本当に繊細なことだ。 
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