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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百九十一話 最初の決意その七

「僕達から見れば」
「穏健だよね」
「というかあの人必要以上に人殺してないよ」
「実はそうなんだよね」
 無益な殺生は全くしない人だった。
「色々横紙破りでも」
「そうだよね」
「むしろ善政を敷いてね」
「領民からは慕われていたね」
「うん、最初からね」
 うつけと呼ばれていた時からだ。
「その実はね」
「異端審問みたいなことしなかったね」
「ああいうの大嫌いだったと思うよ」
「戦争での虐殺とかも」
「確かに一向一揆は殲滅したけれど」
 それでもだ。
「敵だからね」
「倒しただけだね」
「それだけでね」
「やっぱり必要以上に殺していないね」
「本当に無益な血は流していないよ」
「そうだね、ただね」
 カタヤイネン君はこうも言った。
「平清盛さんはね」
「あの人はむしろかなりね」
「血を嫌ったね」
「頼朝さん殺さなかったからね」
 義理のお母さんに止められてだ。
「あの人も」
「そうだよね」
「敵でも極力ね」
「殺さなかったね」
「平家物語じゃ物凄い悪人にされてるけれど」
 もう序文からして大々的にそう書かれている位だ。
「実際はね」
「そうでもないね」
「むしろね」
「今話している通りにね」
「極力戦殺生は避けて」
 そうしてだ。
「家族や家臣に滅茶苦茶優しいね」
「そうした人だったね」
「穏やかな口調で」
 実際の清盛さんはだ。
「下人みたいな人にも優しいね」
「そんな人だったんだね」
「下人みたいな人が冬にお庭にいたら」
 そうして寒い思いをしているとだ。
「お屋敷の中に入る様に言う位にね」
「優しい人だったんだね」
「だから平家は乱れなかったんだよ」
 このことは壇ノ浦で滅ぶまでだ、平家は源氏みたいに身内で殺し合ったりとかはなかったし家臣の粛清もほぼなかった。
「清盛さんがまとめていたから」
「そうした人がトップだったから」
「もうね」
 それこそだ。
「無益な殺生もなくて」
「平和だったね」
「そうした家だったんだよ」
「いい人だったね」
「色々言われてるけれどね」
 その実はだ。
「いい人だったんだよ」
「むしろ頼朝さんの方が」
「あの人実際に評判滅茶苦茶悪いから」 
 生きていた頃は中々お墓を建ててもらえず今も創作の世界では大抵悪役である程だから物凄いものがある。
「身内で殺し合ってね」
「粛清もしたよね」
「これは駄目だと思った人は」
 そうした家臣の人はだ。
「普通にね」
「粛清していたね」
「鎌倉幕府ってずっとそうだったんだよ」
 北条家が執権になってからもだ。 
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