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新オズのオジョ

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第五幕その十

「立場はね」
「王女で国家元首ですね」
「私は女王になるには女の子だから」
「それで、ですか」
「どうかと思ってね」
 それでというのです。
「王女のままでね」
「女王にはですか」
「なっていないの」
 そうしているというのです。
「だから皆オズマ姫と呼んでくれているのよ」
「王女、お姫様だから」
「そうなのよ、外の世界にもお姫様はいるわよね」
「おられることはおられますが」
 神宝はオズマの今の言葉にはこう返しました。
「僕達の国では恵梨香のお国だけです、お姫様がおられる国は」
「アメリカにはおられないです」 
 ジョージはこのことは残念そうに言いました。
「何処にも」
「ロシアもです」 
 ナターシャも残念そうです。
「昔はおられたんですが」
「ブラジルもそうなんですよね」
 カルロスも同じでした。
「王様も女王様も王子様もね」
「そう思うと日本はいいでしょうか」
 最後にその日本人の恵梨香が言いました。
「お姫様がおられて」
「日本は皇室があって」
 オズマもこのことは知っています。
「王様じゃなくて皇帝、天皇陛下よね」
「はい、そうです」
「日本はそうなります」
「王様ではなくて」
「王子様ではなくて皇子様で」
「王女様も正しくは皇女様ですね」
「そうね、けれどお姫様がおられることは」 
 このことはというのです。
「オズの国と同じね、一度日本の天皇陛下にお会いしたいわ」
「日本に行かれてですか」
「ええ、外の世界の陛下にお会いして」
 そしてとです、五人に答えます。
「お話したいわ」
「ブリキの樵さんがウィンキーの皇帝ですが」
 オジョはこの人のことをお話に出しました。
「日本の天皇陛下はまた違うお立場ですね」
「ええ、言うなら私と同じ立場の方よ」
「そうですか」
「だからその方とね」
「一度ですか」
「お話したいわ」
 そう考えているというのです。
「本当にね」
「では日本を訪問されますか」
「機会があればね、それで陛下がそう言われたら」 
 日本の天皇陛下がというのです。
「そうさせて頂きたいわ」
「その時が来ることをですね」
「期待しているわ」
「そうなるといいですね」
「ええ、二千六百年以上の歴史があるお家なんて」
 それこそというのです。 
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