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夢幻水滸伝

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第百六十話 見られる動きその七

「そうすべきなのよ」
「わかること、出来ることからですか」
「そう、そうしていったら徐々にでもね」
 ジオンゴにさらに話した。
「わかること、出来ることが増えていってそうなる様にも努力して」
「わかる様に出来る様に」
「ことを進めていけばいいのよ」
「そういうことですか」
「いきなり何でも出来ないし」
 そもそもというのだ。
「わかることもないでしょ、学校の勉強にしても」
「まずは基礎からですね」
「小学生に大学生の問題はまずわからないわ」
 この例えも出して話した。
「だからね」
「わかること、出来ることからですね」
「やっていくのよ」
「それで僕達もですね」
「この戦の後はね」
「太平洋と地下世界の内政ですね」
「それで他の勢力と戦ってね」
 そしてというのだ。
「統一してね」
「力を一つにする」
「それがいいのよ、ただね」
「ただっていいますと」
「時が来ればわかる時があるのよね」
 今度は考える顔で話した。
「刻限ね」
「ああ、言われますね」
 アマードはアレンカールのその言葉に頷いて応えた。
「その時が来ればしなければならないとか」
「わかることとかね」
「ありますね」
「運命っていうかね」
「ありますね」
「予定説じゃないけれど」 
 アレンカールはカトリックでカルヴァン派の教理の特徴である予定説は信じていない、だがそれでも今はこの説から話した。
「それでもね」
「運命がですね」
「人にもあってね」
「その時が来ればですね」
「わかったりすることがあるわね」
「だからですか」
「この世界の危機もね」
 このこともというのだ。
「その時が来ればね」
「わかるかも知れないですか」
「そうも思うわ、あたいはね」
「そうですか、ではですね」
「まずはね」  
 出来ることをしていくべきだとだ、アレンカールは自分の言葉に結論付けた。そうして二人と共にコーヒーと菓子を楽しんだ。
 クッツェーはこの時は連合軍のある軍艦の中にいた。そこで共にいるセスペデスに話した。
「これが戦でないなら」
「最高やったな」
 セスペデスは笑って応えた。
「ほんまに」
「ええ船旅で」
「そやな、とはいってもこの船旅も」
「嵐あり、津波あり、モンスターありや」
 苦笑いでぼやいたのはエチェニケだった。
「楽やない」
「そやな、けどな」
「今はやな」
「そう思った、船の中におって」
 そしてというのだ。
「海と空を見て美味しいものを食べる」
「そうしてるとやな」
「船旅を楽しんでると思って」
 そうなってというのだ。
「気分がよくなるわ」
「リラックスしてやな」
「この通り、しかし」
 真面目なクッツェーはこうも言った。 
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