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夢幻水滸伝

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第百五十九話 遠路を進みその八

「怖いお話もあって」
「その話はな」
「物凄いものがあるわね」
「そしてその中にはか」
「迂闊にお話してはいけないものもあるのよ」
「そういうことやな」
「多分あたい達の国にもあるわよ」
 話してはいけない怪談、それがというのだ。
「あたい達が知らないだけで」
「どんな話やろな」
 それがあるならとだ、シャーデーは考える顔になって首を捻ってそのうえでこうしたことを言った。
「それは」
「その国それぞれでしょうね、それは」
「そうやねんな」
「ブラジルでもナイジェリアでもね」 
 アレンカールはシャーデーにお互いの国の名前を出して話した。
「そうしたお話があるでしょ」
「そしてそうしたお話を聞くとやね」
「話さないことよ」
 そうすべきだというのだ。
「そして若し話すとね」
「祟りがある」
「そうなるわ」
「怪談も怖いもんやな」
「だって怖いお話をするのよ」 
 アレンカールは笑って話した。
「怨念とかね」
「その怨念が怖いな」
「そう、何か日本って妖怪よりもね」
「人の方が怖くてな」
「そして怨念がね」
 これこそがというのだ。
「一番怖いのよね」
「こっちは悪魔とか妖怪やが」
 ルルフォは腕を組んでこう言った。
「怖いとなると」
「どうしてもね」
「ああ、実際にな」
「悪魔が人を欺いて殺したとかね」
「人を食ったとかな」
「そうしたお話だけれど」
 怪談というと、というのだ。
「こっちはね」
「幽霊の話も多いが」
「日本程多くなくて」
「そしてな」 
 それにというのだ。
「日本の怨霊みたいに桁外れの力はな」
「ないわね」
「日本の怨霊ってな」
「本当に洒落になっていないわね」
「ああ、もうな」 
 それこそというのだ。
「これまで話した通りにな」
「絶大なものがあるわ」
「その中には話してはあかん話もあって」
「そしてあたい達の国にもあるから」
「怪談は選んでやな」
「そして話すべきよ」
 まさにというのだ。
「文字通りにね」
「そして楽しむべきやな」
「そういうことよ、あと猥談もね」
「そこでそれ言うか」
「男同士女同士でしたらいいのよ」
 存分に。アレンカールは笑って話した。
「気心の知れた者同士で」
「そうしてやな」
「気持ちをリラックスさせればいいのよ」
「そういうことか」
「とにかくね」
 今はというのだ。
「惑ったり疲れたりしないことよ」
「それが大事やな」
「そうよ、お酒は飲めないけれど」 
 何時戦になるかわからない、その為だ。
「けれどね」
「浮さがあったら晴らす」
「そうして進んでいくわよ、それとね」
「それとやな」
「もうおかしな情報は聞かないこと、そして嘘かどうかその都度突き止める」
 こうルルフォに話した。 
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