夢幻水滸伝
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第百五十九話 遠路を進みその三
「疫病を流行させるなんて相当なことでしょ」
「この世界でもあーし達でも出来ないですよ」
チェチーリアは即刻言った。
「それこそ」
「そうよね」
「はい、そこまでのことは」
「毒を流すことは出来てもね」
「この場合伝染病ですが」
ライアは薬剤師という医学に携わる職業から述べた。
「ペストとか天然痘とかですよね」
「あとコレラとかでしょうね」
「そんなとんでもない伝染病」
「魔女が流行させらるかよ」
「そうでうしょね」
「天使か悪魔の領分よ」
「そうなりますね」
アレンカールのその言葉に頷いて応えた。
「ほんまに」
「そう、そもそもそこまで出来る存在が並の人に捕まるか」
「有り得ないですね」
「考えてみればわかることよ」
冷静にそうすればというのだ。
「とんでもない疫病流行らせて人を大勢殺す様な存在が人に捕まるか」
「平気で逃げますね」
「箒でお空を飛んでね」
よく言われている魔女の姿からだ、アレンカールは述べた。
「そうするわよ」
「ほんまにそうですね」
「そう、そこで捕まる動きの鈍い一人暮らしのお婆さんが魔女か」
「間違いなくちゃいます」
「そう、そしてそのお婆さんが火炙りになったら」
そこまでいけばというのだ。
「もうね」
「取り返しがつかないですね」
「こんな馬鹿な話はないわ」
それこそとだ、アレンカールは魔女狩りの中でよくあったであろう話を極めてシニカルな口調で話した。
「ほんまにね」
「そうですね」
「そやからよ」
アレンカールはあらためて話した。
「落ち着くことよ、そして」
「リラックスすることですね」
「そんな魔女のお話を何故信じるか」
「気持ちが揺れてるか落ち込んでるか」
「そんな状況だからね」
それ故にというのだ。
「そうなるのよ」
「そやからですね」
「そう、今みたいな状況の時こそね」
「落ち着いて考えて」
「そしてリラックスすることよ、訓練の合間は遊ぶ」
そうしろというのだ。
「あと文字が読めたら漫画を読む」
「そのことも大事ですね」
「図書館も用意してあるわ」
それも数多くだ、エルドラドに置いたのだ。
「そやからね」
「そうしたところからですね」
「ストレス解消よ、ライトノベルでもいいのよ」
読むものはというのだ。
「どっちにしてもね」
「読んでリラックスする」
「そうもしてもらうわ」
「そういうことですね」
「連合はまだ識字率が低いけれど」
「これからですね」
「そう、この世界の中南米とアフリカは産業革命をしてすぐの状況でね」
文明や技術ではこうしたレベルでというのだ。
「本当に教育もね」
「まだまだですね」
「そんな状況だからね」
「識字率についても」
イザベルが応えた。
「ほんままだまだです」
「そうね」
「それが現状ですね」
「ええ、実際にね」
アレンカールはイザベルにも話した。
「そんな風よ」
「ほんまこれからです」
「あたし達はね、やっぱり読み書きは大事よ」
即ち教育はというのだ。
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