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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百八十九話 ワインの後でその十五

「そうなるものです」
「ちゃんと労働時間を考えてお給料も払ってですね」
「そして無闇に切らない」
「そうした企業が一番強いですね」
「そうなります、八条家はそれが出来ているので」
 オイルショックの時もバブル崩壊の時もそうだったらしい、断固としてリストラをしなかったという。
「よいのです」
「健全な経営が出来ていてですね」
「出られる方も追放される方もおられず」
 そしてというのだ。
「そうしてです」
「今もやっていけていますね」
「左様です」
「いい家で企業グループですね」
 僕も心から思うことだった。
「それで僕もですね」
「はい、将来のことですが」
「やっぱり八条家の何処かの企業に入りますね」
 このことはほぼ決まっている、八条家の人間だし八条グループで働く人を養成することが目的の一つとなっている八条学園に通っているからだ。
「そうなりますね」
「そしてその際はです」
「そうしたことをですね」
「覚えておいて下さい」
「そうしていきます」
「そして八条家の方は」
 経営している一族の人間はだ。
「率先して厳しい仕事に向かう」
「それも家訓ですね」
「そのこともご承知ですね」
「そのつもりです」
「義和様はそうした方です」
 畑中さんはここで笑って僕にお話してくれた。
「ご一緒させて頂いて嬉しく思います」
「そう言ってくれます?」
「心から」
「畑中さんにそう言ってもらえると嬉しいです」 
 僕にしてもだ、だから自然と笑顔になった。そのうえで畑中さんに話した。
「そのお言葉に応える様になります」
「その様に宜しくお願いします」
「わかりました」
 僕は畑中さんの言葉にまた頷いた、そうしてだった。
 歯を磨いてベッドに入った、そのうえで今日は寝た。


第二百八十九話   完


               2020・6・23 
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