夢幻水滸伝
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第百五十七話 黄金郷その十一
「ほんまにね」
「ルールに則ってるかそうでないか」
ファラも言ってきた、分厚く切ってもらったシェラスコの肉を前に機嫌よさそうである。そしてその肉にかぶりついてから言った。
「それは大事ですね」
「絶対でしょ」
「確かに」
ファラはアレンカールのその言葉に頷いた。
「それは」
「だからね」
「正々堂々と戦って」
「そして勝てばええのよ」
「そういうことですか」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「戦っていくわよ」
「ほなそういうことで」
「日本に行ってからね」
「わかりました」
「では進んでいくわよ」
「それでは」
連合の星の者達はアレンカールの言葉に頷いた、そうしてだった。
今後の戦略をさらに話していた、そしてデザートが出る頃には。
アレンカールはフルーツの山とゼリーを見つつ笑って言った。
「あたいこれも大好きなのよね」
「フルーツもですね」
「そう、お肉もサラダも好きで」
実はサラダもあなり食べている。
「そしてね」
「そのうえで、ですね」
「このデザートでもね」
「フルーツも食べてるのよ」
「それもいつも」
「そうなのよ」
ニキータに笑いながら話した。
「これがね、ただね」
「ただ?」
「このフルーツ、もっと大勢で食べたいわね」
「他の勢力の、ですか」
「そう、皆と言ったのはね」
それはというのだ。
「そういう意味よ」
「そうでしたか」
「そう、それでね」
アレンカールはさらに言った。
「お酒もね」
「いいですね、飲むなら」
ピエトリはアレンカールの今の言葉にこう返した。
「もうそれこそ」
「浴びる様に飲まないとね」
「棟梁は気が済まないですね」
「その時も楽しみよ」
今はオレンジのゼリーを食べつつ言うのだった。
「ほんまにね」
「そうですね」
「だからね」
それでというのだ。
「その時のことを楽しみにして」
「今はですね」
「デザートを食べましょう」
「フルーツも」
「これね」
ここでだ、アレンカールは。
林檎を取った、そしてその四分の一に切られた林檎にかぶりついて美味そうに食いながらこんなことを言った。
「林檎もいいわね」
「林檎は知恵の実」
笑って言ったのはダリーオだった。
「そう言いますね」
「そうね、キリスト教で」
「はい、これを食べて楽園を追放された」
「罪深い話ね」
自分も林檎を食べるダリーオに話した。
「実に、ただね」
「ただっていいますと」
「これが美味しいのよ」
林檎はとだ、アレンカールはそれを食べつつ言うのだった。
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