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夢幻水滸伝

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第百五十七話 黄金郷その六

「自国の領土で」
「そうよ」
「長い道のりになりますが」
「あたい達はね、けれどね」
「その間日本は待っていて」
「英気を養っているわ」
「そうですね」
「誘い出しますか」
 こう提案したのはアルゲダスだった。
「ここは」
「それね、仕掛けてみる?」
「はい、そうしますか」
「やってみるだけね、ただ相手には芥川がいるのよ」
 アレンカールがアルゲダスに彼の名前を出して話した。
「四智星の一人でこと戦場のことではその四智星の中で随一のね」
「あの人がおられるからですか」
「ちょっとやそっとではね」 
 肉と一緒にあるサラダを食べるアルゲダスに話した。
「乗って来ないわよ」
「そうですか」
「ええ、こっちも相当な策を出さないとね」
 そうしなければというのだ。
「駄目よ」
「こっちにカードはあるか」 
 アグアルーザはこのことから話した。
「そもそも」
「日本を誘い出す位のね」
「そう言われると」
「ないでしょ」
「現実として」
「どうにも思い浮かびません」
「それが現実よ、そやからね」 
 アレンカールはアグアルーザにも話した。
「あたい達は今のところはね」
「このまま日本に向かうしかないですか」
「そうよ」
 こう言うのだった。
「結局はね」
「そうですか」
「途中艦隊を津波が襲ったりするし」
 災害の話もした。
「台風も来るしモンスターも出るでしょ」
「何かと大変な道中になりますね」
「そこを進んでいくのよ、モンスターは倒して災害はある程度風水師にコントロールしてもらうにしても」
 それでもとだ、アレンカールは葡萄のジュースをワインを飲む様にして飲んだ、少しではなく一気にだった。
「やっぱりね、うちの技術は低いし」
「災害対策もあまり出来てへんので」
「それなりのダメージは受けるわ」
 台風や津波でというのだ。
「どうしてもな」
「そうなりますか」
「そこは仕方ないわね」
「技術も上げてきましたけど」
 科学者のモンテロッソが言ってきた。
「けど中南米もアフリカも」
「まだまだだったでしょ」
「ええ、よく言うたらこれからで」
 モンテロッソはサラダにドレッシングをかけつつ言った。
「悪く言ったら未熟です」
「だからね」
「災害についても」
「軍艦も鉄やないのよ」
「完全には」
「半分木よ、産業革命が成って」
 そしてというのだ。
「その後位のレベルやとね」
「まだ木を使ってますから、軍艦も」
「旧式と言ってええわ」
「それが現実ですね」
「そやからね」
「そうそうはですね」
「災害にも敵わないわ」
 そうなっているというのだ。
「残念やけど」
「それやらですね」
「日本まで行くにも」
 それはというのだ。
「一苦労よ、しかも」
「しかもといいますと」
「日本が何もしてこないか」
 アレンカールはその目を鋭くさせて言った。 
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