夢幻水滸伝
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第百五十六話 戦を前にしての日常その十六
「それで、です」
「元々の体臭に加えてやね」
「そうした生活だったので」
「物凄い匂ってたん」
「尚且つ大の大蒜好きで」
このこともあってというのだ。
「尚更です」
「それは凄そうやね」
「お肉が腐った様な匂いがして大蒜の口臭もあって」
それでというのだ。
「もうそれは」
「壮絶やったんやね」
「この方は女性が大好きでもあって」
「お相手の人も大変やったやろね」
「全身に香水をかけてからだったとか」
「そこまでやったんやね」
「体臭はこれ位にならないと」
そのアンリ四世程、というのだ。
「いいかと」
「それは極端やと思うけど」
「それはそうですが棟梁はです」
「匂ってへんのやね」
「ご安心を」
「そうやとええけど」
「むしろいい香りです」
悪臭がするどころかというのだ。
「確かに悪臭は獣やモンスター達との戦いでも問題です」
「匂いで見付かるさかい」
「はい、ですが」
「ですがっていうと」
「あまり香りが強くともです」
それはそれでというのだ。
「やはりです」
「ああ、そっちもやね」
「はい、見付かるので」
「そこは加減やね」
「そうかと、清潔は重要ですが」
それでもというのだ。
「時と場合によって程度が問題になりますね」
「それはそうやね」
「そこはお気をつけ下さい」
こう綾乃に言いつつだ、喜久子は今は湯舟の中にいた。そうして美奈代も千歳もそこの中にいて言うのだった。
「では清潔でも」
「強い香りはしない程度で、ですね」
「奇麗にしていくべきかと」
喜久子は二人にも言った、そうしてだった。
そこからも話をした、話はあえて戦の話を避けて起きた世界の日常の話をするのだった。
第百五十六話 完
2020・4・1
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