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夢幻水滸伝

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第百五十五話 最後の一手その十三

「ゆっくりとな」
「それで英気を養うか」
「そして補給も整備も受けてな」
「万全の状態にしてやな」
「戦に挑むんや」
「そうするか」
「この度はな、ほな美味いもんでも食おうか」
 芥川は笑って今度はこう言った。
「そうしよか」
「美味いもん食って英気を養うか」
「そうしよか、牛丼食うか」
「そこで牛丼か」
「久し振りに食いたくなったからな」 
 それでというのだ。
「今話に出したんや」
「そうしたんか」
「そや、特大の丼に特盛でな」
「何かチェーン店みたいやな」
「そこに卵と紅生姜も入れて」
「かき混ぜて食うか」
「お味噌汁とお漬けものもつけてな」
 芥川はこうしたものも忘れなかった。
「そのうえでや」
「成程な、ええな」
「そやろ、それでや」
「これから食うか」
「そう考えてるわ」
 こう中里に話した。
「今はな」
「そうか、そう聞いたらな」
「自分も食いたなったか、牛丼」
「ああ、ほなな」
「これから食うな」
「そうするわ」
「そやね、牛丼皆で食べようか」
 綾乃も二人の話を聞いて言う。
「そうしよか」
「そや、皆で食ってな」
「そしてやね」
「楽しもうな」
 芥川は綾乃にも話した。
「食うのも大事や」
「ほんまにそやね」
「二杯か三杯は食いたいな」
 中里は笑って言った。
「そうしたいな」
「腹一杯食いたいか」
「ああ、やっぱり食える時はな」
 まさにとだ、中里は芥川に笑って答えた。
「腹一杯食いたいな」
「それでやな」
「そや、今はな」
「人は食わんとな」
 どうしてもとだ、芥川はその中里に応えて話した。
「やっぱりな」
「どうしようもないな」
「それでな」
 その為にというのだ。
「今から牛丼食うで」
「そうするか」
「勿論まだ酒はな」
「それは飲まへんな」
「戦が終わるまでは」
「全軍禁酒やな」
「そや、あと少しの辛抱やろ」
 芥川は酒についてはこう述べた。
「そのあと少し位はな」
「辛抱やな」
「それで戦が終わったら」
「その時にやな」
「飽きるだけ飲んだらええわ」
「その時にやな」
「その時はもう酒池肉林やね」 
 綾乃は笑って述べた。
「ほんまに」
「お酒を好きなだけ飲んでやな」
「お肉もな」
 綾乃は中里にこちらの話もした。
「食べんとな」
「文字通りの酒池肉林やな」
「この言葉っていやらしいイメージあるけど」
「実際はそうした贅沢やな」
「そやyたね、お酒のお池作って」
「お池の周りの木々にお肉一杯吊るして食べる」
「そうした宴で。ただそこで裸で遊んだから」
 綾乃はあえてどうした遊びかは言わなかった、それはもう言わずとも誰もがわかることであるからだ。 
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