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夢幻水滸伝

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第百五十五話 最後の一手その三

「この世界を統一してな」 
「世界を救うな」
「その脅威を打ち負かしてな」
「そう考えてるな」
「その脅威が何かはな」
「まだわかってへんが」
「それでもや」  
 強い声で言い切る。
「やったるわ、何の為にこの世界に来た」
「もう答えは出てるな」
「この世界を救う為に来たんや」
 それならばというのだ。
「もう答えは出てるわ」
「そういうことやな」
「そやからな」
「今は同盟軍をやな」
「倒すで、敵の大軍をな」 
 こう話してだ、そしてだった。
 芥川は綾乃と中里にも貝殻で話して自身は左翼から攻撃する、同盟軍は圧倒的大軍だが最早一方的に攻められていた。
 その状況を見て玲は苦い顔で言った。
「まずいわ、これは」
「同盟軍が壊滅するというのだな」
 対する日毬が応えた。
「そうだな」
「私と愛がすぐに戻り」
「そしてか」
「戦わんとな」
「さもなければな」
「負けるわ」
 玲は自らこの言葉を出した。
「そうなるわ」
「そうか、しかしだ」
「ここは通さんか」
「私の役目はここで貴殿に勝つこと」
 日毬は鋭い声で言う、今はサングラスを外し赤目独特のその赤い目を見せている。だが目の光は今は見せていない。
「だからな」
「私にもやな」
「勝つ」
 そうすると言うのだった。
「これからな」
「そうやな、しかし私もや」
 玲も鋭い目で返す。
「一騎打ちにも自信がある」
「それでだな」
「攻める」 
 そうするというのだ。
「そして勝つ」
「ではだ」
 それでというのだ。
「ここはだ」
「私を倒すんやな」
「そういうことだ、では行くぞ」
「望むところや、しかしな」 
 玲はその目の光を強くさせて言った。
「軍勢の方が心配や」
「それでだな」
「もう決めさせてもらうで」
 自分の前にいる日毬をきっと見据えてこの言葉を出した。
「ええな」
「そうか、なら受けて立つ」 
 日毬はいつもの毅然とした顔で返した。
「これからな」
「この鎌に爪」
 自身の神具であるいアダマスの鎌と甲賀の爪を言う、禍々しい鎌は右手にあり巨大な爪は左手にある。
「そしてや」
「炎だな」
「これと術、それであんたを倒す」
「いいだろう、私もだ」
 日毬は分身した、そして。
 自身は和泉守二つの分身達に波泳ぎ兼光と倶利伽羅丸をそれぞれ持たせそのうえで玲に対して告げた。 
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