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夢幻水滸伝

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第百五十四話 同盟軍崩壊その十二

「今回は三人共その一騎打ちに勝って」
「それで軍勢同士の戦に入った」
「そうなるとな」
「もうここはな」
「こっちのもんやね、敵の数はまだ多いけど」
 それでもというのだ。
「このまま攻めていこうな」
「そうしよな」
「もう流れは完全にこっちのもんや」
「それやったらな」
「どんどん攻めていこうな」
「是非な、あとな」
 綾乃は大蛇の背からこうも言った。
「もう一つあるわ」
「もう一つ?」
「もう一つっていうと」
「あれか」
「あれのことかいな」
「そや、ご飯はちゃんと食べなあかんから」
 綾乃が話すのはこのことあった。
「その時は戻ろうな」
「そやな」
「水も飲まんとあかんしな」
「戦をしていてもな」
「飯は食わんとな」
「うちはお弁当持ってきてるし」
 言いつつ重箱、三段のそれを出してきた。
「お茶もあるで」
「それがご主人の飯やな」
「中身が気になるところやな」
「重箱とは豪勢やな」
「中身はお握りと塩ジャケとほうれん草のおひたしときんぴら牛蒡と卵焼きやで」
 綾乃はメニューの話もした。
「それとお茶は緑茶や」
「それはええな」
「ほなそれ食べてやな」
「英気を養うんやな」
「お食事の時間には。やっぱり食べんと」
 綾乃は笑って話した。
「どうしようもないな」
「ほんまそやな」
「腹が減っては戦が出来んや」
「文字通りにな」
「そやからな」
 それ故にというのだ。
「食べるで」
「飯の時二なったらやな」
「一時休憩して」
「それでやな」
「戦の時こそしっかり食べんと」
 綾乃がこの世界で学んだことの一つである。
「やっぱり」
「腹が減っては戦は出来ぬ」
「その通りやしな」
「ほんまに食わんとな」
「戦は出来ん」
「ご主人の言う通りや」
「そやから食べるわ」
 食事の時が来ればというのだ。
「そうするわ、ただな」
「飯食う時は気をつけんとな」
「その時に隙が出来るからな」
「そこを狙われたら終わりや」
「そこで負けることもあるわ」
「食べる時はどうしても無防備になるから」
 綾乃もそのことを話す。 
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