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夢幻水滸伝

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第百五十四話 同盟軍崩壊その九

「それだけ自分の気力を消耗してや」
「神経も使うか」
「そうなる、そこが付け目や」
「そういうことやな」
「ほなやるで」
「ああ、自分のその読みにな」 
 まさにとだ、鵺は主に応えた。
「乗るで、いや」
「最初からやな」
「最後の最後までって言うたやろ」
「僕の考えにはやな」
「全部従うって決めてるんや」
 神具そして友としてというのだ。
「そうなる、ほなな」
「これからやな」
「そうするわ」
「その言葉受け取った」
 確かにとだ、中里は鵺に言葉を返した。
「ほなな」
「これからやな」
「ああ、行くで」
「一勝負やな」
「全身全霊を使ったな」
「それにやな」
「行くで」
 こう言ってだった、そのうえで。
 中里は鵺と共に突っ込んだ、雷も溶岩も来るがそういったものを全て神具と自身の防御力で弾きつつ全速で向かった。
 小泉も術を放って来る、しかしその術も。
 中里は童子切と千鳥で切って消す、そうして小泉に突っ込み。
 瓶割の一撃を左手に持っている千鳥で防いだ、その瞬間に千鳥に宿る雷の力を全て解放した、その雷の力が。
 小泉を撃った、さしもの彼も千鳥の雷の力にはダメージを受けて動きを一瞬にしても止めた。そこに。
 中里は右手の童子切の一撃を浴びせた、流石に刀傷を及ばせられなかったが彼を後ろに弾き飛ばすことが出来た、そこまで受けて。
 吹き飛ばされた状況から体勢を立て直した小泉は彼に言った。
「私の負けや」
「それを認めるな」
「まさかそうくるとはな」
「そこまでの攻撃を見たらな」 
 それならとだ、中里は小泉に答えた。
「もうこうするしかないと思ったわ」
「私の攻撃は全部己の力で弾き返すか消す」
「そうしてな」
 そのうえでというのだ。
「前に突き進んでや」
「私に一撃を浴びせるか」
「ここで千鳥で受ける」
 雷の属性を持つこの神具でというのだ。
「自分の攻撃をな」
「その瞬間に千鳥の雷の力を解放する」
「そこで瓶割を伝って自分にダメージを与える」
「そこからさらに一撃を浴びせる」
「そうしたのがな」
 まさにとだ、中里は話した。
「僕の考えやったが」
「よおやったな。見事なもんや」
「自分もな、若し相手が僕やないと」
「勝ってたか」
「星のモンでも相当なモンやないとな」
「私の勝ちやったか」
「ああ、そしてその力な」
 中里は小泉にさらに話した。
「今度はな」
「統一された中でやな」
「思う存分使ってもらうで」
「わかったわ、ほな私は負けたからな」
「これでやな」
「戦線を離脱する」
 そうすると言うのだった。
「これでな」
「そういうことやな」
「ああ、またな」
「これでな」
 二人は言葉を交えさせ今は別れた、敗れた小泉は戦場を去り中里は戦場に残った。鵺は小泉が姿を消すとすぐに自分の背にいる中里に言った。 
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