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夢幻水滸伝

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第百五十四話 同盟軍崩壊その五

「そして後ろから立ってからも口でも後ろの穴もじゃ」
「それ以上言うなや、マジでやばいやろ」
「しかしわらわは婿殿の子種を存分に受けさせてもらうぞ」
「そやから言うなや、とにかく勝ったのは僕やからな」
「それでじゃな」
「そや、軍勢同士の戦に入る」
 このことはしっかりと言うのだった。
「ええな」
「うむ、わらわは負けた」
 碧は再びこのことを認めた、そのうえで言うのだった。
「ならばじゃ」
「ああ、これでな」
「この戦ではもう戦わんけえ」
 敗北したからにはというのだ。
「そうするけえ」
「そうじゃな」
「ではのう」
「これでやな」
「下がるわ」
 こう言ってだった、碧は。
 兎と共に静かに戦場を去った、それを見届けてだった。
 芥川は狐の背に戻り軍勢同士の戦いに向かった、そうしてその場で神具と術を使い策を出していった。
 綾乃あ大蛇に精霊達のことを任せ小雪と闘っていた、小雪は術も護りもかなりのものだった。
 次から次に術を放ち綾乃の術をその術や神具である大天使の衣で防ぐ、綾乃はその小雪に対して言った。
「凄い神具やね」
「大天使の衣はガブリエルの衣やねん」
 小雪はその身体を覆う虹色に輝く衣を触りつつ綾乃に答えた。
「それでやねん」
「護りが凄いねんな」
「特に術に対しては」
「そういうことやな」
「けど正直綾乃ちゃんの三種の神器には負けるで」 
 綾乃の神具の話もした。
「草薙剣、八咫鏡、勾玉には」
「どれも護りでしかも知力上げてくれるけど」
「一つ一つが私の大天使の衣以上の防御力があって」
 そしてというのだ。
「知力もシビュラの書以上に上げてくれるやろ」
「それはな」
 綾乃も否定しなかった。
「小雪ちゃんのもう一つの神具のその書よりもな」
「そやね」
 小雪は持っている最後の神具であるモーゼの杖を手にしつつ答えた、攻防に使えるそれを。
「そやから」
「うちにはかいな」
「苦労してるのが事実やで」
「うちもちゃんとした護りあるから」
「しかも知力も私以上に上がってるから」
 神具達の力でというのだ。
「綾乃ちゃんが強いってはっきり言うで」
「それうちも言いたい言葉やけど」
 綾乃も綾乃で小雪を認めている、闘っているからこその言葉だ。
「ほんまに」
「つまりお互い様やね、けど」
「けど?」
「うちも勝たなあかんさかい」
 それでと言ってだった、小雪は。
 右手に持っているモーゼの杖を高々と掲げた、そのうえで。
 そこから大津波を出した、それを綾乃に向かって放って言った。
「これで勝たせてもらうわ」
「大津波、モーゼの杖から出した」
「海を割った杖やけど」
 小雪はモーゼの杖の話もした、あの紅海の海を割ったそれをだ。
「その力を使えば」
「大津波も起こせるんやね」
「そして」
 小雪はさらに言った、そのうえで。
 今度は無数の大蛇、それぞれ十メートル以上はあるそれを何百何千と出してそのうえで綾乃にさらに言った。 
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