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夢幻水滸伝

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第百五十三話 勝っていく者達その十

「折角腕は立つ、知力高い、器も大きい、器量よし、実は政治力高いの高能力やのに」
「最後の実はが気になるのう」
「あまり政するタイプではないから」
 こう主に返す。
「それでこう言ったけれど」
「まあ確かにわらわはそうした風じゃな」
「政をする風では」
「しかし実はじゃな」
「政は出来る、あと秘かにスタイルはボン、キュッ、ボン」
 兎はこうも言った。
「ホビットの中でも小柄でも」
「起きた世界でも身長は一四四・五じゃ」 
 自分で背の話をした。
「小学生かとか合法ロリとか言われてるけえ」
「小柄でそのスタイルは犯罪では」
「年齢は十八じゃから問題ないけえ」
「年齢は大事なんだな」
「そうじゃけえ、起きた世界でも祝言を挙げられるけえ」
 だからだお言うのだった。
「勝った時は」
「絶対に勝つで」
「ああ、そうしよな」
 狐は主のその言葉に頷いて応えた。
「この戦の為にもご主人の為にもな」
「結婚は就職してからや」
「大学を卒業してやな」
「それからって考えてるからな」
 だからだというのだ。
「ここはな」
「絶対に勝つな」
「そうするわ」
「ああ、ちなみにご主人そっちの経験は」
「そこは言わんことや」
 芥川は答えなかった。
「ええな」
「そういうことやな」
「そや、とにかくな」
「今からやな」
「勝つで」
「そうしよな」 
 お互いに話してそうしてだった。
 芥川は狐と共に兎の助けを受けている碧との一騎打ちを続けた、彼にとっては文字通りの全てをかけた闘いになっていた。
 中里は小泉と闘い続けている、だが。
 小泉が児雷也の巻物の力を使って出した妖術、様々な猛獣や毒虫を出したそれを己の剣で薙ぎ払って言った。
「只でさえ強い奴やのに」
「妖術まで使われるとやな」
「余計にや」
 己を乗せている鵺に話した。
「厄介や」
「それでやな」
「正直かなり苦戦してるわ」
 中里は苦い顔で述べた。
「今な」
「ああ、この兄さん天の星の中でも特に戦闘力高いな」
「采配もええみたいやが」
「一騎打ちもかなりのもんやな」
「ほんまにな」
「今更わかった訳でもないやろ」
 小泉は鵺と話す芥川に鋭い目で言った。
「そのことは」
「まあな」
 中里は否定せずに答えた。
「前以て聞いてたわ」
「そやな」
「ああ、北極上空では大暴れしてたな」
「五人でな、そして特にな」
「自分はやな」
「思う存分暴れてな」
「あっという間に北極上空を統一したな」
「その力は伊達やないで」
 小泉は今は宙に浮かび腕を組んでいる、その姿勢で鵺に乗って空を飛んでいる中里と対峙しているのだ。
「ほんまに」
「そやな、しかしな」
「自分もやな」
「僕も戦闘力には自信がある」
 こう言うのだった。
「そやからな」
「私に勝つっていうんやな」
「絶対にな」
 こう小泉に返した。 
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