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夢幻水滸伝

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第百五十三話 勝っていく者達その七

「うちにしてもな」
「負けられねえよな」
「そや」 
 その通りだというのだ。
「絶対にな」
「あんたが負けたらな」
「それで戦は終わりやしな」
 棟梁、同盟のそれになっている自分がというのだ。
「それでや」
「ここは何としてもな」
「負けん」
 虎徹を手に自分と鍔競り合いを行う幸田に告げた。
「絶対にな」
「そうだよな、それはな」
「あんたもやな」
「おいらもあんたに勝ってな」
「戦終わらせるな」
「そのつもりだからな」
 それでというのだ。
「ここは勝たせてもらうで」
「そやな、お互いに負けられん」
 絶対にとだ、愛は幸田に返してだった。
 一旦間合いを離し今度は光線銃を出そうとした、しかし。
 幸田はそれを許さず再び間合いを詰めて剣撃を仕掛けた、二人の闘いはまだ続いていた。
 その中で綾乃は大蛇の上から小雪と闘っている、お互いに術での応酬を繰り広げていた。その中において。
 綾乃は小雪が出した無数の精霊達を見て言った。
「全部の属性の精霊達出してきたな」
「さもないと綾乃ちゃんには勝てへんから」
 小雪は自分の後ろにいる彼等を見つつ答えた。
「それでな」
「うちと大蛇には」
「そやで、綾乃ちゃんに勝とうって思ったら」 
 それこそとだ、小雪はさらに言った。
「もうな」
「あらゆる属性の精霊をよおさん出して」
「戦うわ。精霊の属性はそれこそ無数にあるけど」
 この世の自然のあらゆるものにある、地水火風だけではなくあらゆるものに属性がありそこに精霊達があるのだ。これは人としての精霊とはまた違う自然の存在dあ。
「その皆をこれだけ出さんと」
「うちに勝てんから」
「出したで、そして私自身も」
 天使の翼で空で羽ばたきつつ空中で言うのだった。
「綾乃ちゃんにな」
「全力で向かって来るんやね」
「そうさせてもらうで、そしてな」
「うちに勝つ」
「そうさせてもらうわ」
「今はしゃあないね」
 お互い死力を尽くして闘う、このことに綾乃は苦笑いを浮かべて言った。
「ほんまに」
「こっちの世界やとな」
「敵同士やからな、今は」
「それやったら闘うしかないから」
「この戦の後は友達同士になるけど」
「今はほんまに仕方ないわ」
 小雪も苦笑いを浮かべて話した。
「因果なことやけど」
「そやね、うちあれやで」
「あれっていうと」
「小雪ちゃんと中三と高一で同じクラスやったやん」
「その時お互い仲良かったね」
「今も仲ええし、けど今は」
 綾乃はあらためて言った。
「しゃあないね」
「全力で戦おうな」
「そうせなあかんし」
「こうした時は全力で闘う」
「そうせなな」
 こう話してだ、そしてだった。
 小雪は精霊達を動かした、その数は優に一軍だけの規模がある。大蛇はその彼等を見て己の主に八つの頭で言った。 
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