夢幻水滸伝
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第百五十二話 さらなる優勢へその三
「やっぱり」
「敵の数はこれまでで一番多いさかい」
「どうもな」
「攻めてもな」
「中々攻めきれてへん」
「どうもな」
「出来れば」
今度は川端が言ってきた、三人でそれぞれが率いる隊を前にやっているがここでこう言うのだった。
「一騎打ちで戦ってる玲子ちゃん達が戻ってくれば」
「ちゃうけどな」
志賀は川端にも応えた。
「今はな」
「まだ戻ってきてへんから」
「決め手にかけるな」
「攻めていても」
「攻めあぐねてると」
ここで石川は危惧する顔で言った。
「敵も盛り返してきて」
「その危険はあるな」
「どうしてもな」
志賀も川端もそのことを否定しなかった。
「敵もアホやない」
「確かにこっちは夜襲と吹雪から優勢に立ってるが」
「それでもな」
「それを覆すことも出来るわ」
「そうやさかい」
だからだというのだ。
「安心出来ませんわ」
「時間制限があるな」
川端は難しい顔で述べた。90
「戦は」
「そうです、一騎打ちをしている人達がそれに時間がかかりますと」
「こっちはな」
「その分的に盛り返される危険が付きまといます」
「それが問題やな」
「そうですさかい」
だからだというのだ。
「ここはです」
「早く戻って欲しい」
「我々ではやはり限度があります、特に」
石川は冷静な目で述べた。
「神星の方々です」
「棟梁さんと中里さん、芥川さんやな」
志賀がすぐに三人の名を挙げた。
「やっぱり」
「はい、他力本願になりますが」
「いや、戦力分析を考えるとな」
「お三方がですね」
「やっぱり大きい」
戦力としてとだ、志賀も述べた。
「何といってもな」
「そやからですね」
「あの方々が戻られるまではな」
「攻めても」
「限度がある、全力での攻勢は」
日本のそれはというのだ。
「ほんまにな」
「神星の方々ですか」
「あの方々がおられてこそ、最低でも」
志賀はこうも言った。
「天の星野方が何人か戻られる」
「それかですね」
「そや、僕等だけやとな」
「地や人の星だけやと」
「どうも足りん」
「二十倍の相手を戦うには」
「どうもな」
「しゃあないな、相手に星のモンはおらんが」
川端も言う。
「しかしな」
「それでもやな」
「二十倍もあるとな」
「流石にどれだけ有利でもな」
「今の戦力ではな」
「攻めきれんな」
「どうしてもな」
こう志賀に話した。
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