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夢幻水滸伝

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第百四十九話 荒天その四

「このままだと三日後の朝にじゃ」
「こっちとぶつかるね」
「そしてじゃ」
 そのうえでというのだ。
「いよいよじゃ」
「戦やね」
「そうなるのう」
「望むところや」 
 玲は無表情だがその目に強い光を宿らせて言った。
「それならや」
「三日後の朝にやね」
「激突や」 
 こう言うのだった。
「そして戦うんや」
「そうなるね」
「ほな臨戦用意を整えて」
 そうしてとだ、小雪も言ってきた。小雪の食べ方はおっとりとしていて碧のそれとはまさに正反対だ。
「そのうえで」
「三日後の朝にな」
「戦や」
「日本と」
「何だかんだでこっちの世界で最初の戦じゃけえ」 
 碧は今度は楽しそうに言った。
「思う存分やったるけえ」
「そうしよな、ただ」
 愛はここで碧に尋ねた。
「碧ちゃん配下は全部休ませてるな」
「ああ、わらわの冒険の時のな」
「それは私等の勢力の子達やないからやね」
「アグノン達はあくまでわらわの冒険の時の仲間でじゃ」
「地下世界の統一や政には働いてへんから」
「それでじゃ」
 だからだというのだ。
「そこがわらわと違うからじゃ」
「それでやね」
「あの連中は休ませてるけえ」
 この度の戦には関わらせずというのだ。
「今は好きにさせてるんじゃ」
「そういうことやね」
「わらわは愛ちゃん達と一緒に地下世界でも戦ってきた」
 とはいっても風来坊の様に来て助ける様なこともあった、これまでの碧は地下世界で愛と共に戦ったり政を行う時と冒険者としての活動と両方を行っていたのだ。
「そしてじゃ」
「やってきて」
「そしてじゃ」 
 碧は愛にさらに話した。
「あの大戦艦もじゃ」
「持ってきたけどやね」
「あの連中は乗ってない」
「碧ちゃんがいざって時は乗って」
「それで戦うけえ」
「そうしてくれるね」
「その時は任せるんじゃ」
 碧は笑って話した。
「大戦艦とわらわの力を見せるけえ」
「ほな頼むで」
「そういうことでのう」
「大戦艦は何時でも出港出来るさかい」
 玲も碧に言う。
「戦になったらな」
「大戦艦も出港じゃ」
「よろしゅうな」
「ああ、やったるけえ」
「大戦艦が入ってほんま助かったわ」
 小雪もその大戦艦について言及した。
「もう火力がちゃうさかい」
「私等の地下世界統一にな」
「ほんまに役立ってくれたわ」
「あんなオーバーテクノロジーがあって」
「凄かったわ」
「そやったね」
「こっちはほんま技術は落ちるけれど」
 小雪はあえてこのことを指摘した。 
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