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八条学園騒動記

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第五百八十話 これも役作りその二

「さらにね」
「女好きでね」
「その要素もあるけれどね」
「しかもその女好きがね」
「お金も絡んでるから」
「考えてみるととんでもない人だね」
「つくづくね」
 ベンもこう言った。
「人妻さん二人に何故お手紙送ったか」
「たらし込んでね」
「しかもお金も欲しいから」
「本当にとんでもないよ」
「尚且つ痛い目に遭っても」
 洗濯籠に入れられて堀に放り込まれてもだ。
「反省しないしね」
「僕あそこまで酷くないよね」
「ああ、そこは安心していいよ」
 ベンはつくづくといった調子で述べた。
「あんなとんでもない人そうそういないし」
「僕もだね」
「確かにドスケベだけれど」
 それでもというのだ。
「そんなことしないからね、君も」
「というか人妻さんに声をかけることは」
「絶対にアウトだね」
「そうだしね」
「全くだよ、けれどね」
「それをやるのがあの人だね」
「平気でね、ただそんな人でも」
 女好きで金に汚く無反省でもというのだ、作中ではそこに仕える者達への暴君的要素も存在している。
「不思議とね」
「愛されているんだよね」
「作中でもね」
「憎めないってことで」
「そうなんだよね」
 これがというのだ。
「あの人は」
「あれは人徳かな」
「それかな、とんでもない人でも」
 それでもというのだ。
「屑じゃなくて性格もね」
「悪くないんだね」
「道化ていて醜くないから」
「ああ、醜くない」
「心が醜い人っているじゃない」
「いるね」
「シェークスピアの作品では実は案外いないけれど」
 ベンはこう言いつつさらに話した。
「悪魔みたいなのはいても」
「悪魔だね」
「ヤーゴとかね」
 まずはオセローのこのキャラを挙げた。
「マクベスのね」
「マクベス夫人とか」
「あとリチャード三世とか」
 同盟の作品のこの人物も挙げた。
「もう悪魔みたいなのはいても」
「そういえば醜いキャラあまりいないね」
「シャイロックはね」
 ヴェニスの商人のこのキャラはというと。
「これはね」
「偏見出てるしね」
「ユダヤ人へのね、しかもね」
 ベンはさらに話した。
「意地悪でもね」
「契約に従ってだし」
「しかも引き下がってるし」
「それを見るとね」
「醜いかっていうと」
 その性格がというのだ。
「そこまではね」
「いかないね」
「何ていうか醜いっていうのは」
 この要素はというと。
「卑劣だったし人によって態度を変えたりね」
「弱いと見たらいじめるとかね」
「そういう奴で」
「弱い者いじめする奴とかだね」
「欲が深かったり図々しかったり」
「自分は何もしないで人に仕事押し付けるとか」
「こういう奴本当にいて」
 それでというのだ。 
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