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夢幻水滸伝

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第百四十八話 蝦夷へその十三

「三人だけでは」
「ですから他の方々も呼びますか」
「それがいいな」
「十二人位いれば全て食べられるかと」 
 羆の身体をというのだ。
「内臓も含めて」
「それでだな」
「他の方々もお呼びしますか」
「それがいいな、一番の珍味の掌は全員で分け合ってな」
 そうしてというのだ。
「食うか」
「そうしましょう、熊はどの部分が一番美味しいか」
「掌だな」
「そう言われていますし」
「では呼ぶか」
「そうしましょう」 
 こう話してだった、三人は玲子に武者小路、志賀、宮沢、佐藤兄妹、田中、そして瑠璃子達自称最強四天王も呼んでだった。
 そのうえで熊鍋を食べ羆の身体を隅から隅まで食べた、その後で。
 瑠璃子は満足した顔で仲間達に言った。
「いや、満腹満腹」
「掌も美味かったしな」
 由香が応える。
「よかったな」
「ほんまにな」
「内臓も美味しかったな」 
 紗枝はこちらの話をした。
「癖はあったけれど」
「生きものは内臓も食べんとな」
 雅美も言う。
「やっぱり」
「ああ、ただ肝臓も食ったけれどな」
 ここで佐藤が内臓のこの部分の話をした。
「熊の肝臓って種類によっては食ったらあかんかったな」
「確かホッキョクグマはそやったで」
 香菜が双子の兄に応えた。
「あの熊は」
「ビタミンAが多過ぎてな」
 それでとだ、田中が話した。
「人には毒になるねん」
「ビタミンも多過ぎたら毒になるさかいな」 
 志賀が田中に応えた。
「そやからホッキョクグマの肝臓は食ったらあかんな」
「煮ても焼いても駄目だという」
 ここで言ったのは宮沢だった。
「無論生でも駄目だな」
「生きものの内臓は普通生では食べたら駄目よ」 
 武者小路はそこを注意した。
「虫がいるし傷みやすいし」
「絶対に火を通してね」 
 玲子もこのことを指摘する。
「食わないとね」
「はい、内臓はです」
 千歳も共に食べた仲間達に話す。
「私も絶対に火をです」
「よくだね」
「通して食べます、特に野生の獣は」
「豚でもそうだしね」
「そうしないと後が怖いので」
 だからだとだ、千歳は玲子に話した。
「そうしています」
「そういうことだね」
「お魚はお刺身やお寿司にしますが」
 それでもというのだ。
「獣、家畜もですが」
「そうそう出来ないね」
「日本人は牛や馬もお刺身にしますが」
「馬刺しな」
 この刺身をだ、佐藤は笑顔で話に出した。
「あれもええな」
「確かに美味しいですが」
「新鮮なものでないとな」
「食べてはいけないですし」
「そもそもな」
「鶏肉や豚肉は」
「生で食べる場合もあるけどな」
 日本ではそうしている、こうした生きものも刺身にしてそうして食べるのはこの世界の日本でもあることだ。 
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