夢幻水滸伝
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第百四十七話 巨獣その十一
「そうするけえ」
「まあ夜のそれも運動になるらしいな」
「毎日励んでじゃ」
そしてというのだ。
「そちらでも汗かくけえ」
「やれやれやな、まあ相手が一人やったらええ」
それならとだ、玲も認めた。
「浮気はあかん」
「それはご法度じゃ」
「そやな」
「そこは碧ちゃんのええとこやね」
小雪は碧のその話に微笑んで述べた。
「ほんまに」
「小雪ちゃんもそう思うけえ」
「赤裸々過ぎて引くけど」
それでもというのだ。
「お婿さん一人って決めてるのはええで」
「それは絶対じゃけえ」
「若し言い寄ったり無理にという人がいたら」
「返り討ちじゃけえ」
そうした男はとだ、碧ははっきりと答えた。
「こっちの世界でも起きた世界でも」
「そやね」
「起きた世界ではわらわの武道で悪いおのこが何人来ても」
それでもというのだ。
「銃を持って来てもそうしてやるけえ」
「銃もって」
「銃を見切る術も心得ておるけえ」
既にというのだ。
「銃を撃つ時の照準と目を見れば」
「それでなん」
「狙い目がわかるけえ」
それでというのだ。
「見極められるけえ」
「そうやねんな」
「だからじゃ」
「銃を持ってる暴漢が相手でも」
「わらわは避けて」
その銃撃をというのだ。
「武道で」
「倒すんやね」
「そうじゃけえ、力でわらわをどうにか出来るか」
「まあ無理やね」
「この小さな身体には武力が備わっているけえ」
確かにというのだ。
「だからじゃ」
「言い寄っても無理強いでも」
「わらわは倒せんけえ」
「実際碧ちゃん強いし」
「わらわを射止めるなら心じゃけえ」
「それの勝負やね」
「そうじゃけえ」
まさにというのだ。
「わらわの身体と心はあくまで婿殿だけのものじゃけえ」
「何というか」
ここでだ、こんなことを言う愛だった。
「碧ちゃんは真面目な男好きやねんね」
「男好きに真面目とかあるん」
「不真面目な男好きは浮気三昧やろ」
こう小雪に答えた。
「そうした人やろ」
「ああ、そうした人が不真面目な男好きで」
「真面目な男好きはな」
「碧ちゃんみたいな娘やねんな」
「そやろ」
碧を見て言うのだった。
「まさにな」
「男好きにもそういうのがあるんか」
玲は紅茶を飲みつつ言った。
「そんなもんか」
「私が思うには」
愛は玲にも答えた。
「そやと思うで」
「そうなんやな」
「それでな」
愛は玲にさらに言った。
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