麗しのヴァンパイア
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第二百七十三話
第二百七十三話 飲みたくなったもの
夜の散策を続けつつカーミラは使い魔達に言った。
「喉が渇いたわね」
「では何か飲まれますか」
「そうされますか」
「ええ、帰ったらね」
自分の屋敷に戻ったならというのだ。
「そうしたいわ」
「では何を飲まれますか」
「その時は」
「屋敷に帰られたなら」
「ジンがいいわね」
この酒だというのだ。
「その時も」
「左様ですか」
「ジンにされますか」
「そちらが宜しいですか」
「私はワインが好きだけれど」
カーミラが最も好きな酒である、飲まない日はなく来日してからは血よりもワインの方をのよく飲んでいる程だ。
「今宵はね」
「ジンですか」
「その酒を飲まれますか」
「そちらにされますか」
「そうした気持ちよ」
今はというのだ。
「だから帰ったらお願いするわね」
「わかりました」
「ジンもよいものを用意しています」
「それではですね」
「帰られた時は」
「ジンよ、ジンと一緒に」
この酒を飲むと共にというのだ。
「果物も食べたいわね」
「そちらもですね」
「わかりました、ではお出しします」
「果物も」
「チェリーやオレンジ、ピーチがいいわ」
出す果物の種類はというのだ。
「そうした者をお願いするわ」
「それでは」
「そうした果物もお出しします」
「その様に致します」
「果物と合うお酒は多いけれど」
カーミラの好みである、彼女は酒を飲みつつ果物を食べることも好んでいるのだ。それで今も言うのだ。
「私はジンも好きよ」
「では」
「帰られた時は」
使い魔達も応えた、そうした話をしつつだった。
カーミラは使い魔達と共の散策をしていった、それはまだ続くのだった。
第二百七十三話 完
2020・6・20
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