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夢幻水滸伝

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第百四十七話 巨獣その一

                第百四十七話  巨獣
 愛はこの時地下世界そして法橋の同盟がそれぞれの軍勢を集めた移動要塞であるエリュシオンの中にいた、この移動要塞は丁度アリューシャン列島を通過して日本の蝦夷地に向かっていたが。
 愛は壇玲子この世界では玲という彼女にこんなことを言った。
「北極やから寒いと思ってたけど」
「それがやな」
「これといってな」
「そら上空やから」
 だからだとだ、玲は愛に答えた。
「またちゃう場所や」
「そやねんな」
「北極自体は寒くてもな」
「その上はやな」
「風の動きとか日差しとかちゃうし」
 玲はさらに話した。
「気温もな」
「高いからか」
「それで結構あったかくてな」
「人口も多いんやな」
「浮島群で五億おるんや」
 それだけだというのだ。
「ほんまにな」
「そあねんな」
「そや、それでや」
「あったかいねんな」
「この辺りもな」
「そやねんね」
「自分みたいな軽装でもな」
 愛のミニスカートに半袖のファッションについても言及した、太腿までブーツで覆い手も肘の上まで手袋で覆っているが軽装は軽装だ。
「暮らしていけるねん」
「そやねんな」
「というか自分の恰好な」
 玲は愛のそれについてはどうかという顔で話した。
「こっちの世界やと案外少数派やからな」
「皆厚着やね」
「ミニスカート自体がな」
「ほぼないな、そういえば」
「セリューちゃんにしてもな」
「ミニスカートの下はスパッツやし」
 それを穿いているというのだ。
「防寒もばっちりや」
「私スカートの下はショーツやし」
「色は基本白やな」
「今は黄色やけどな」
「いや、聞いてへんし」
 ショーツの色までとはだ、玲は愛に返した。
「そもそも」
「あっ、そやったん」
「私から色の話してきたにしても」
「色はどうでもええねんね」
「別にな」
「そやねんね」
「ちなみに私は今日は上下ピンクや」
 玲は自分の下着の話もした。
「起きた時もな」
「玲ちゃんも下着凝ってる?」
「色は可愛い系で」
「案外そういうの好きやねんね」
「ふむ、わらわは今は上下ダークパープルじゃけえ」
 碧も笑って言ってきた、見れば彼女だけでなく小雪もいる。
「ガーターも同じ色じゃけえ」
「袴の下にガーター?」
「そうじゃけえ」
 愛に笑って応えた。
「だから婿になる者は悩殺されるけえのう」
「愛ちゃんまたそう言うね」
「婿殿はいつも探しとるけえ」
「こっちの世界でもやね」
「こっちの世界で婿になれば」
 その時はというと。
「あっちの世界でもじゃけえ」
「どっちの世界でもやね」
「わらわの婿、永遠の伴侶じゃ」
 そうなるというのだ。 
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