夢幻水滸伝
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第百四十六話 大戦艦その八
「今度だ」
「どうした」
「今話したあちらの十人もっと言えばな」
「太平洋そして地下世界の面々とか」
「野みたいな」
「それはいいが」
アルギエーリはヘッセのその考えを聞いて考える顔で言葉を返した。
「彼等の飲み方はな」
「こうしたものではないか」
「そうだ、落ち着いて飲むよりもだ」
太平洋そして地下世界の面々の飲み方はというのだ。
「賑やかにだ」
「飲むことを好むな」
「鯨飲馬食と言う様にな」
まさにこの言葉が当てはまるというのだ。
「恐ろしいまでに飲む」
「そして食べるか」
「それがあちらの飲み方だ」
「こうした落ち着いた飲み方はしないか」
「しそうな顔触れは見当たらないな」
マロリーは今は紅茶を飲んでいる、ワインの後にそれを飲んで口なおしをしているのだ。尚紅茶はミルクティーである。
「あちらに」
「それもそうだな」
「あの十人だけでなくだ」
マロリーは紅茶を飲みつつさらに話した。
「天、地、人とだ」
「全ての星の面々がだな」
「賑やか好きでだ」
それでというのだ。
「飲むとなるとな」
「賑やかにだな」
「飲んでかつだ」
「食べることを望む」
「そうした面々ばかりだな」
「まことにな」
「それはそれでいいが我々とは飲み方が違うことは事実だ」
セルバンテスはコーヒーを飲みながら話した、見れば紅茶はマロリーだけで他の四人は今はコーヒーを飲んでいる。
「やはりな」
「それはだな」
「どうしてもだ」
「否定出来ないことか」
「それがあちらということだ」
「太平洋、アフリカ、地下世界だな」
「まさにな」
そうなっているというのだ。
「あちらの色だ」
「それもまた、だな」
「そうだ」
セルバンテスはマロリーに話した。
「悪いかというと」
「そうした話ではないな」
「そうだ、あちらの色だ」
「そういうことだな」
「逆に我々が、だな」
「そうだ、賑やかに飲めと言われるとな」
太平洋やアフリカ、地下世界の面々の様にというのだ。
「それはだ」
「難しい頼みだな」
「どうもな、私のお国柄は違うが」
セルバンテスは自国スペインの陽気な国民性からも話した、イタリア人であるアルギエーリも頷いている。
「しかし私自身はな」
「貴族だからだな」
「そうだ」
それ故にというのだ。
「どうしてもな」
「落ち着いて飲むな」
「舞踏会等宴で飲む時もあるが」
「その時の飲み方もあるからな」
「優雅に飲むものだ」
貴族の宴の時はというのだ。
「やはりな」
「その通りだな」
「バーでもな」
「そこが彼等とは違うな」
「全く以てな」
「我々は代々貴族だ」
ヘッセも言ってきた。
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