夢幻水滸伝
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第百四十六話 大戦艦その七
「ワインは」
「溺れさせるからだな」
「そうだ、それではだ」
「友人は友人でもだな」
「悪友だ、しかもこちらが強く拒絶しないとな」
「離れてくれないな」
「そうした友だ」
こう言うのだった。
「困った友人だ」
「節度あって親しめばいいことだ」
笑って話すマロリーにユゴーはこう返した。
「人付き合いはそうだな」
「それもそうだな」
「しかもワインはだ」
ユゴーはさらに話した。
「悪友にもなるが親友にもなる」
「付き合い方次第か」
「人とはそこが違うな」
「そうだな、人は悪人ならな」
「悪友どころかな」
「交際してはいけない」
「そうだ、性根の腐った輩と付き合いを持てば」
その時はというと。
「それだけでだ」
「こちらもだな」
「悪いものを貰ってしまいだ」
「性根が腐ってしまいかねないな」
「人との付き合いはそうなる、しかしだ」
「ワインは違うな」
「こちらの心掛け次第でだ」
まさにそれでというのだ。
「変わる」
「そうした友人だな」
「言うなれば鏡か」
ヘッセはユゴーの言葉を聞いて酒についてこう述べた。
「つまりは」
「そうだな、節度を持って飲めばな」
「親友となりな」
「溺れると悪友になるならな」
「まさに鏡だな」
「卿の言う通りでもある」
「酒は飲む者の心がそのまま出る」
ヘッセもまたワインを飲み続けている、クラッカーを一枚口に入れてその後で一口飲みそしてまた言うのだった。
「そう考えるとな」
「まさに鏡だな」
「己の心を映し出すな」
「そうなるな」
「面白い考えだ、では我々は節度を持って飲まねばならないな」
セルバンテスはヘッセのその言葉を聞いて述べた。
「この世界を救う為には節度という徳分も必要だ」
「その通りだ。、そももそも節度のない騎士なぞだ」
ヘッセはセルバンテスに応えこうも言った。
「騎士として失格だな」
「その徳分を忘れてもな」
「だからだ」
それ故にというのだ。
「やはりだ」
「まずはだな」
「節度だ」
これをというのだ。
「守ってだ」
「そのうえでだな」
「ことを進めていくべきだ」
「そして生きていくべきだな」
「そうだ、これは起きた世界でも同じだ」
「我等はそちらでそもそも騎士だしな」
「だからだ」
それ故にというのだ。
「忘れないでいこう」
「全くだな」
五人でこうした話をしつつ円卓で飲んでいく、そして五人共程よいところまで酒が回りきったところでだった。
ヘッセは同志達にこんなことを話した。
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