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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百八十二話 魔女その十

「交際もして大学もね」
「八条大学ね」
「お友達、恋人の人と一緒に推薦決まったらしいよ」
「よかったわね」
「ご両親もよくない人達だったみたいだけれど決別して」
 そうなったらしい。
「親戚のお婆さん二人と同居しているらしいよ」
「そうなのね」
「もう心機一転って感じで」
「今は幸せになったのね」
「お家の方も」
「素敵な恋人の人らしくて」
 ただ外見だけじゃなくてその心もいい人とのことだ。
「お婆さんお二人もね」
「いい人なのね」
「そうなのね」
「菩薩さんみたいな人達みたいだよ」
 お二人共だ。
「だからね」
「その人も幸せなのね」
「そうしたお家に入って」
「親と言っても色々だからね」
 これは僕の親父も含めてだ、あの破天荒極まりない親父は親としてもかなり型破りなタイプだと思う。
「いい親もいればね」
「悪い親もいる」
「それはあるわね」
「例えば子供が二人いて」
 そしてだ。
「片方だけを贔屓してもう片方の人を邪険にする」
「そうそう、片方が優秀だとか言って」
「それでね」
 二人も僕の言葉に頷いてくれた。
「もう片方の人は駄目とか言って」
「えこ贔屓するのよね、優れた方を」
「同じ自分達の子供なのに」
「有り得ないわよね」
「そんな親失格だから」
 言うまでもなくだ。
「大抵は無残な結末迎えるよ」
「困った時に邪険にしていた方の人に袖にされて」
「それでね」
「人には心があるから」
 だから人間だ、例え人間の肉体でも人間の心がないと人間じゃない。そして人間であるのならである。
「よくしてもらったらね」
「恩に感じてね」
「大事にしてくれるわね」
「けれどね」
「逆に邪険に扱われたら」
「そうした親ってもう片方は徹底的に邪険にするから」
 もう虐待というか奴隷みたいに扱う位だ。
「それで困った時に助けろって言っても」
「助けないわよ」
 香織さんは呆れた口調で言った。
「絶対に」
「そうだよね」
「都合がいいでしょ、自分が調子のいい時は邪険にして」
「困ったら親だから助けろとかね」
「助けてもらえる筈ないわ」
「本当にそうだね」
「そんな人はね」
 それこそというのだ。
「その子供さんに見捨てられるわ」
「まあ贔屓している方の人が助けるね」
「そうなれってなるわね」
「まあ邪険にしていた人に助けろって言うからには」
 この場合から考えられることはというと。
「贔屓にしていた方の人は頼りにならない」
「そうよね」
「そんな状況になっているから」
 それでだ。
「親だから助けろって言うんだろうけれど」
「そんなことはね」
「それで助ける人なんて」
 親とはいえ自分をずっと散々虐げていた相手をだ。
「もうね」
「相当心が奇麗な人ね」
「まずいないよ」
 断言出来た、このことは。 
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