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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百八十二話 魔女その八

「もてない筈はないわよ」
「それどころか、かな」
「そうよ、大人気よ」
 そうなっているというのだ。
「本当にね」
「そうだね」
「絶対にアタックしている人いるわよ」
 香織さんは言い切った。
「あの人には」
「いるんだ」
「もうね」
「けれどあれね」
 詩織さんはこう言った。
「自分がもてないと思っている人はね」
「実はもてていてもかな」
「そんなお話は信じていなくて」
 それでというのだ。
「ずっとよ」
「もてないってだね」
「思っているのよ、だから」
「中々なんだ」
「他の人の想いに気付かないのよ」
 自分を想ってくれている人にはというのだ。
「どうしてもね」
「そういうものなんだね」
「そうなのよ」
「自信がないからだね」
「そのことについてはね」
 自分がもてるということについてだ。
「だからね」
「それでだね」
「そう、だからね」
 どうしてもというのだ。
「あの人はそう思ってるけれど実はね」
「違っていて」
「そうよ」
「もてる人だね」
「というか本当に見ている人は見ているから」
 今のお話はそれに尽きた。
「ドリトル先生のこともね」
「人は顔じゃない、だね」
「心だから」
「しっかりした人は人の心を見ていて」
「わかるのよ、というか本当に人を外見だけで判断したら」
 それこそというのだ。
「馬鹿でしょ」
「本当に碌な人じゃないね」
「告白したけれど太っていたから嫌われた」
 詩織さんはこんなことも言った。
「いいことじゃない」
「いいかな」
「学園にこんなお話あったわよね」
 この八条学園にだ。
「そうよね」
「うん、それで実際に振られた人いるよ」
 さっき僕も思い出したお話だ、しかも告白する様に言った自称友人達はその人がまずい立場になったら掌返しをして友達付き合いを止めた。
「今は痩せてるけれどね」
「あのね、太ってるのだけを見て振ったなら」
「内面を見ていないから」
「もうこの時点でね」
「いい女の人じゃないんだね」
「その先輩碌な人じゃないわよ」
「詩織さんも知ってたんだね、そういえば」
 このお話はだ。
「学園で有名だしね」
「何でも性格ブスで有名な先輩よね」
「うん、他にも色々あってね」
 その振った人はだ。
「評判悪いよ」
「そうよね」
「ちなみにその人に掌返しをした人達はね」
「もっと評判悪いわよね」
「陸上部にいたけれど」
 二人共だ。 
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