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オズのケーキ

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第十幕その十

「慾を出す必要がないんですね」
「うむ、そうじゃな」
「いつも欲しいものが傍にある国だからねここは」
「欲しいと思えば手を伸ばせば手に入る」
「そうした国にいるとね」
「自然に無欲になりますね」
 そうなるというのです。
「人は満ち足りているとかえってですね」
「慾がなくなるのう」
「そうしたものみたいだね」
「そうですよね」
 オズの国でどうして強欲な人が少ないか、そうしたお話もするのでした。そしてケーキ達がこんなお話をしておやつを楽しんでいる時に。
 アン王女もおやつを楽しんでいました、王女は七人のフェアリー達と一緒におやつを食べています。そのおやつはといいますと。 
 クッキーです、皆で色々な種類のクッキーを食べて楽しんでいます。王女は今はチョコレートのクッキーを手にして言いました。
「クッキーをこうして食べて紅茶を飲むと」
「楽しい気分になりますね」
「そうよね」
「色々なお菓子がありますが」
 女王もそのクッキーを食べつつ言います。
「クッキーもですね」
「紅茶やコーヒーにもよく合って」
「美味しいですよね」
「本当にね」
「色々な種類のクッキーを出したので」
 カヤは食べつつ言います。
「余計に楽しめますよ」
「クッキーもいいですよね」
 ミユはにこにことしながらバターのクッキーを両手に持って齧っています。
「いいお菓子です」
「このお菓子を生み出した人に感謝しないと」
 ミナミも笑顔で食べています。
「駄目ですよね」
「アーモンドのクッキーもナッツのクッキーもあって」
 ナナミは今はナッツのクッキーを齧って楽しんでいます。
「どれも楽しめますよ」
「今は皆で楽しみましょう」
 アイリもクッキーを食べています。
「八人で」
「いつも七人で楽しんでいますが」
 マユが食べているのはチョコレートのクッキーです。
「王女も一緒なので八人ですね」
「七人でも楽しいですが」
 さらにと言う女王でした。
「八人も楽しいですね」
「そうよね。それとね」
 王女は自分の飲みものである紅茶も飲みました、そうして言うのでした。
「甘いココアもね」
「美味しいですよね」
「ココアも」
「私達は今はミルクですが」
 見れば七人のフェアリー達は今は皆ホットミルクを飲んでいます。
「ココアもいいんですよね」
「甘くて優しい味で」
「コーヒーとはまた違った感じで」
「そちらもいいですよね」
「そうよね、だから今はココアを飲んでいるけれど」
 王女はそのココアを飲みつつさらに言います。
「いいわね」
「クッキーにも合いますよね」
「ココアも」
「そちらも」
「コーヒーや紅茶とはまた違って」
 そうした味でというのです。 
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