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オズのケーキ

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第九幕その十

「この度は」
「そのことね」
「はい、そこまでは」
「そうよね、お風呂に入る時にね」
「他に誰かいるかとかは」
「結構意識していないとね」
「考えないですね」
 そうしたものだとです、ケーキは王女に答えました。
「あまり」
「ええ、だからね」
「こうして一緒になって」
「おや、って思うのよね」
「そうですよね」
「お風呂はプライベートな時間だから」
 それでというのです。
「そこまではね」
「考えないですね」
「本当にね、けれどね」
「それでもですよね」
「そのお風呂に入って」
 そうしてというのです。
「今はね」
「すっきりしましょう」
「そうですね、これから」
「身体も髪の毛も洗って」
 その両方をです。
「そうしましょう、それにしても湯舟がね」
「フェアリーの国のお風呂のお湯いいですよね」
「木のいい香りがして」
「それで程よく温かくて」
「中に入っているとね」
「凄く癒されますよね」
「とてもいいお風呂だわ」
 王女はケーキににこりと笑ってお話しました、そうしてお湯を浴びた後で湯舟に入った彼女のさらに言いました。
「だからゆっくり入りましょう」
「今日も」
「そうしましょう」
「それでは。それとナターシャちゃん達は」
「二人は今サウナよ」
「そちらですか」
「ナターシャがサウナ好きだからね」
 それでというのです。
「恵梨香もそれならと一緒に入ったの」
「あの娘はロシアという国から来ているからですね」 
「何でもあちらのお風呂はサウナでね」
「それで、ですよね」
「あの娘はサウナがあるとね」
「絶対に入るんですね」
「そこまで好きだから」
 それでというのです。
「今はね」
「そちらですね」
「今湯舟にいるのはね」
 ここで欧所は湯舟の中を見回しました、とても広いお風呂の中にはフェアリーの女の人達が結構います。
 ですが大きな身体の人間はといいますと。
 王女はケーキにくすりと笑っていお話しました。
「巨人は私達だけね」
「巨人ですか」
「そう、フェアリーの人達から見ればそうよね」
「そうですね、では私達から見れば巨人は」
「フェアリーの人達から見るとね」
「もうとんでもない大きさですね」
 ケーキもくすりと笑って言いました。
「そうなりますね」
「そうよね、大きさは自分を基準にするから」
「そこから大きいか小さいかで」
「フェアリーの人達から見ればね」
「私達は巨人ですね」
「だから今こう言ったけれど」
「その通りですね」
 くすりと笑ってです、ケーキは王女の言葉に頷きました。 
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