夢幻水滸伝
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第百四十四話 見えてきた勝利その十一
「こっちはこっちでワインを出すわ」
「ワインですかい」
「貴方はお好きかしら」
「そっちも好きでさあ」
「色はどちらかしら」
「特に白ですね」
「そう、なら白を用意するわね」
ミッチェルは自分の傷口に術を浴びせつつ話した、見ればその術で傷は見る見るうちに癒されていっている。
「楽しみにしておいてね」
「わかりやした」
「戦が終われば晴れて味方同士」
「その時のことが楽しみで仕方ないですね」
「ええ、お互いにね」
二人でこう話してだ、そしてだった。
ミッチェルは後方に下がる有島は軍勢同士の戦に入った、そうしてそのうえで今度は敵兵や敵の兵器達を倒していった。
ヴォネガットも敗れた、彼は自分を倒した雪路に言った。
「いや、お強い」
「そう言うあんたもね」
「そう言って頂き恐悦ですが」
「負けたって言うんだね」
「はい、そうなったので」
だからだというのだ。
「私は敗者としてです」
「下がるんだね」
「そうします」
自らこのことを言った。
「そうさせてもらいます」
「そうかい、じゃあまた会おうね」
「はい、ただ」
「ただ?」
「その時は味方ですね」
「そうだね、お互い頼りにさせてもらうか」
「そうさせてもらいます」
ヴォネガットは雪路に笑顔で話した。
「そのことをお話して」
「そしてだね」
「今はお別れということで」
「それじゃあね」
ヴォネガットは自ら下がり戦場を後にした、雪路は軍勢同士の戦に入りそこでもカイザーナックルを振るった。
一騎打ちは次々と終わっていったが全て日本側の勝利に終わっていた、大蛇はその状況を見て自分の背にいる綾乃に八つの頭で話した。
「一騎打ちも終わっていってるで」
「一つ一つな」
「そうなってるで」
「全部日本側の勝利や」
「ええ具合になってるな」
「そやね、今日毬ちゃんも勝ったわ」
見ればボームそして彼を乗せているウルリクルミを倒した、蟹の形になったその巨大なロボットの八本の足の関節部分を切ってだった。
ボームを動けなくしてその顔に刃を突き付けていた、綾乃はその状況を見てそのうえで大蛇に応えた。
「鮮やかやわ」
「流石やな」
「流石は日本で第一の剣士やな」
「一騎打ちは日毬ちゃんやな」
「日毬ちゃんは一騎打ちでは無敵や」
「誰も勝てんわ」
「そやね、今回も勝ってくれたし」
綾乃は大蛇の八つの頭に笑って応えた。
「ほんまよかったわ」
「そやな」
「他の勝負も勝ってきてるわ」
「今半分位終わったけど」
「全部日本の勝ちや」
「そうなってるで」
「星の子は皆強いけど」
それでもとだ、綾乃は大蛇に話した。
「やっぱりそれぞれの職業のことがあるさかい」
「それや」
「種族の違いは努力である程度埋められるけど」
「それでもな」
「職業のことがあるわ」
「例えば戦士やと武器で戦うのが得意や」
「魔術師やと魔術師の術が得意や」
大蛇は綾乃に八つの頭で綾乃に応えた。
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