ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
フォルテ
ハンターベース
エックスとマーティが帰還する数十分前、レプリエアーフォースから来た輸送機はハンターベースへと到着した。
「怪我人の搬送を急げ!」
「動ける者は念のためボディチェックを!」
「オービターウイングの運び出しは気を付けろ!!」
そんな中で一番の重傷患者であるペガシオンはライフセーバーたちに治療室へと運ばれていた。
「・・・・・ペガシオン殿、一つお聞きしても構いませんか?」
「ん?」
「・・・・・・あなたの元へ向かったゼロとアイリスの事なのですが・・・・・何か異常は見られませんでしたか?」
「異常?」
「こちらの方で彼らの出力が異常に上がるという現象が起きたんです。現場にいたあなたなら何か知っているかと。」
「・・・・・・」
ペガシオンはしばらく黙る。おそらくライフセーバーたちがゼロとアイリスを強く警戒していることを見抜いたようだ。
「・・・・・いや、確かにバスターの出力が一時的に上昇したり、普段よりも戦闘が荒々しくなったりはしたがすぐに落ち着いたよ。」
「・・・・そうですか。」
ライフセーバーはいまいち納得していない様子で言う。
「・・・・・君はゼロとアイリスのことを疑っているのかい?」
「・・・・彼らが今までシグマとイレギュラーたちと戦ってきた功績は認めています。しかし、今回の事件に限っての彼らの変化は容認しかねます。ましてやウィルスでパワーアップするなど・・・・・危険すぎます。」
「君たちが思うのも無理はないさ。現にシグマウィルスに侵されたレプリロイドはイレギュラー化してしまうにもかかわらず、あの二人はパワーアップしている。・・・・・でも、だからと言ってすぐに判断するのはどうかと思うよ。」
「ん?それはどういうことですか?」
ペガシオンの言葉にライフセーバーは不思議そうに言う。
「レプリロイドは極めて人間に近い存在なんだ。君たちのように完璧に任務をこなそうとする者は勿論、かつて我が軍にいたイレギュラーすれすれの者たちもいる。人間も君たちみたいな頭の固い輩もいればイレギュラーのように平然と命を奪う者なんて満更だ。」
「・・・・・・それは我々に対する評価ですか?それとも見下しているのですか?」
ライフセーバーには、ペガシオンの言っていることがよくわからない様子だった。
「要はデータでは全て把握できないという事だよ。人間だって悪人が何かしらの影響で悪行から足を洗ってその罪を償おうとするだろ?それが拭いきれない大きな罪だとしても・・・・・」
「言う事ならはっきりと言ってください。」
「我々レプリロイドも人間同様に進化していると思うんだ。見た目とか性能の変化ではなく、与えられた感情によって。だから、ゼロとアイリスに関してもそんなに疑わないでくれ。ゼロだって、何か僕たちにはわからない何かと戦っている。シグマとも違うなにかと。」
「・・・・・・私は飽くまで戦士でもなければ彼とも長い付き合いというわけでもありません。よって、今すぐには返答できません。」
「・・・・そうか。」
それだけ言うとペガシオンは目を閉じてそのまま治療室へと運ばれた。
上空
「アイリス、衛星のデプリの地上降下ポイントまでの時間は?」
レプリエアフォースから戦闘機で発ったゼロとアイリスは大容量エネルギータンクを回収するべくプラネタリウムへと向かっていた。
「後3時間よ。」
「ハンターベースまでの帰りを含めて残り一時間半か。邪魔がなければ何とか間に合いそうだ。ペガシオンたちがウイングを搬送してくれたからタンクなしでも作戦は実行できる。」
ゼロは、そう言いながらも操縦桿を強く握りしめて操縦する。確かに自分たち抜きでも作戦は実行可能だが失敗は許されない。成功の可能性を少しでも上げるためにはタンクがどうしても必要なのだ。
「・・・・・アイリス、少しスピードを上げる。Gが掛かるが大丈夫か?」
「えぇ、少しでも早く完成させるためにも急がないと。」
「・・・・よし、気をしっかり持つんだぞ!」
ゼロは最高速度に挙げて上空を飛んでいく。
ハンターベース
「エイリア、シャトルの完成状況は?」
ハンターベースに戻ってきたエックスはマーティと共に開発室に入ってきた。
「えぇ、必要な部品は一通り揃ったから改修は予定よりも早く進んでいるわ。ビートブード達も帰還中、ゼロとアイリスの方も大容量エネルギーパックを回収してくるからデプリが地上に落ちる前に何とか間に合いそうだわ。」
「そう・・・・・・ところでアタシのアーマーはどこまで進んだの?」
シャトルの改修作業が予定よりも早く進んでいるのに少し安心したのかマーティは自分のアーマーの製作状況を聞く。
「そう急かさないの。送られてきたデータを解析して組み立てているんだから時間がかかるわ。後エックスのガイアアーマーだけどまだデータが欠けているから未完成よ。」
「そうか・・・・」
「二人とも休んだ方がいいわ。作業もダグラスたちがやってくれているし、ドップラー博士にメンテナンスしてもらったらいいんじゃない?」
「でも、もしエニグマの時のようにダイナモが襲ってきたら大変じゃないか?」
「大丈夫よ、あの8人がさっきみたいに・・・・・・・」
エイリアが言いかけたときハンターベース中に警報が鳴り始めた。
「何!?この警報?」
それに追い打ちをかけるのかのように放送でシグナスの声が聞こえた。
『緊急事態だ!ダイナモが再び姿を現した!各ハンターはスペースポートに向かい応戦せよ!繰り返す!』
「・・・・・どうやら休んでいる暇もないようだ。」
「みたいね。」
そう言うとエックスとマーティはエイリアを残してスペースポートへと向かう。現場にはすでにアルバイターたちがシャトル防衛にあたり作業員たちを避難させていた。
「おや?今回は前回と違って豪華な面子だねぇ。かの有名なエックス君とその奥さんときた。」
「お前がダイナモか!」
「そうだよ、仕事でまた遊びに来たんだ。暇だったでしょ?」
警戒するエックスたちに対してダイナモは前回と変わらず飄々としている。
「何が暇よ・・・・・・アンタのせいで休憩すらできないって言うのに。」
マーティは不機嫌そうに槍を展開する。
「・・・・・お前の目的は一体なんだ?」
「目的?勘違いしてもらっちゃ困るねぇ。これは飽くまで仕事なんだよ。“君たちの邪魔をする”って言うね。君らといい、シグマの旦那の考えにも正直理解に苦しむよ。何時も何時もマジな面しちゃってさ。ちょっとは肩の力抜いて生きてみたらどうなんだい?ん?」
「アンタたちみたいな連中がいるから肩の力が抜けないんでしょうが!!」
「おぉう、怖い怖い。うちの姉ちゃんとは別方向で怖いや。それにこの仕事ちゃんとこなさないとさ・・・・・・姉ちゃんほぼストーカーみたいに俺のこと見るから困るんだよぉ。まあ、教えてあげようかな?この世界で誰よりも冷静でまともなのは俺みたいな奴だってことをね!」
ダイナモはそう言うと小手試しにバスターを発砲する。
「君たちはシャトルを頼む!俺とマーティで奴を撃退する!」
「わかった!我々アルバイターに任せてくれ!!」
バスターで相殺しながら言うエックスにアルバイターたちは威勢よく答え、シャトルの方へと行く。
「アンタみたいなやつさっさと片づけてやるわ!!」
マーティは、槍を回転させてダイナモに振り下ろす。
「おっと!?お宅、女性型の割には動き早いね。うちの姉ちゃんとは大違いだ。」
「アンタの姉ちゃんが盆暗なだけじゃないの!」
「おわっ!?」
繰り出される連続突きを避けるとダイナモはDブレードを展開してマーティに斬りかかる。
「マーティ、交代だ!」
「オッケー!」
マーティは瞬時に後ろに下がり、エックスはフォースアーマーに切り替えてプラズマチャージショットを放つ。
「うっ!?」
ダイナモは何とか回避するもののボディに焦げが点く。
「おいおいおい~!?体が汚れちまったじゃん!?姉ちゃんに変な疑いかけられるんだから肩の力抜いてやろうよ!?」
「そんな時間はない!シャドーブレード!!」
「ヤベッ!?」
ダイナモはシャドーブレードをDブレードを回転させて跳ね返すとエックスに燕返しを仕掛ける。
「こいつは防げないだろ?燕返し!!」
「くっ!」
「エックス!」
マーティは瞬時にシールドブーメランをエックスに向かって投げる。エックスはシールドを受け取ると自分の前に翳し、Dブレードの攻撃を凌ぐ。
「げっ!?お宅ら、連携うますぎるでしょ!?」
「夫婦なんでね!アトミックファイヤー!!」
「あちちちっ!?」
ハンターベース 通信室
「エックスとマーティ・・・・・相変わらずのコンビネーションだな。」
通信室のモニターでシグナスたちは闘いを優位に進めているエックスたちを見る。
「全くだぜ。あんなコンビネーションも夫婦だからできるもんだ。ゼロと組んでいるときよりも息が合っているんじゃねえか?」
「何はともあれ、これで何とかシャトルを危険にさらすことなく追い返せそうね・・・・ん?」
技術室から戻ってきたエイリアは椅子に座ってパネルを確認すると遠くからハンターベースに向けて高速で接近している反応を見つける。
「イレギュラー?・・・・・でも、シグマウィルス反応がない。何なのこれ?」
「どうしたエイリア?」
不審な顔をしたエイリアを見てシグナスは聞く。
「何かが高速でこっちに向かって来ているの。」
「ビートブード達じゃねえのか?」
「いいえ、戦闘機クラスの速度よ。それももうすぐここに来るわ。」
「この期に及んで別のイレギュラーか。こんな時に限って厄介な者が次々と来るものだな・・・・・」
シグナスは、レーダーを見ながら何か嫌な予感を感じた。
ハンターベース スペースポート
「あちちち・・・・・・・ひどいなぁ。」
火の粉を振り払いながらダイナモはエックスとマーティの方を見る。
「お宅らひどすぎるよ。ガチで焼こうなんてさ・・・・・・姉ちゃんに心配されちゃうじゃないか。」
「アンタのブラコン姉さんなんて知らないわよ!」
マーティは、パイルバンカーを展開してダイナモに近接格闘を挑む。ダイナモはDブレードで攻撃を防ぐもののマーティはパイルバンカーを交互に使い分け、剣舞を披露する。
「全く、アンタら化け物夫婦だよ!俺、結構強いほうなのに苦戦するなんてさ・・・・・・」
「だったら、大人しく捕まればいいんじゃないの?アンタの場合はカメリーオみたいにグルグル巻きで独房にぶち込まれると思うけど。」
「ヒュ―――――――!怖い話だね~!姉ちゃんにベタベタ抱き着かれるのよりも怖いよ。」
ダイナモは冗談を言いながら拳にエネルギーを収束させて地面に打ち付ける。
「だったら、こっちもガチでやらないとね!行くぜ!アースゲイザー!!」
ダイナモの周囲にビームの柱が凄まじい頻度で発生する。
「くっ!」
マーティはシールドでガードするもののビームの出力で吹き飛ばされる。
「マーティ!」
エックスは瞬時にファルコンアーマーに切り替え、フリームーブを活用して彼女をキャッチする。
「危なかった・・・・・・・」
「ここまで痛めつけられたんじゃ姉ちゃんに捕まるの確実だからね。そろそろ本気・・・・・ガッ!?」
その直後ダイナモは後方から飛んできた光弾に命中して吹き飛ばされる。
「「なっ!?」」
吹き飛ばされたダイナモを見て二人は唖然とするが次は自分たちの方にも飛んできたためエックスはダッシュで回避する。
「こ、今度は誰なんだ!?」
エックスは飛んできた方角を見る。そこには、ブースターを飛ばしてこちらに向かってくるフォルテの姿があった。
「次の戦場はここか!」
すぐ近くにまでたどり着くとフォルテはゴスペルと分離して着地する。
「な、何よアイツ・・・・・」
「痛・・・・・・・」
そんなフォルテの前へ吹き飛ばされたダイナモが負傷した肩を抑えながら近づいてくる。
「いててて・・・・・アンタ何してくれるんだよ?」
「あ?」
「これは俺の仕事だよ?部外者はお断り・・・・・」
「失せろ。」
ダイナモが言っている最中にフォルテは彼に向かってバスターを放つ。近距離からのためダイナモは避ける間もなく命中し、はるか後方へと飛ばされる。
「ガハッ!?」
「雑魚は引っ込んでろ・・・・・・」
フォルテは、そう言うと改めて獲物を探し求める。すると警戒しているエックスに目が行く。
「・・・・・・・姿は少し違うがロックマンに似ているな。っていうことはてめえはジジイがゼロを残した同様に作られたロックマンの兄弟機ってわけか。」
「お前は誰なんだ!?何しに来た!」
エックスはバスターを構えながらフォルテと対峙する。
「何しに来た?戦いに来たんだよ。」
「何っ!?」
「お前はあのゼロをぶっ壊すために作られたロックマンの弟なんだろ?だったら、その力を見せてみろよ!!」
フォルテはバスターを展開してエックスに容赦なく発砲する。エックスは避けると同時にフォースアーマーに切り替えチャージを行う。
「ここでは使えるチャージ攻撃が限られている・・・・なんとか奴をシャトルから遠ざけないと・・・・チャージツインスラッシャー!!」
「ウォーターシールド!!」
エックスの放った8発の残像を伴った刃をフォルテはウォーターシールドで防御する。同時に一気にエックスとの距離を詰めた。
「は、速い!?」
「テングブレード!!」
「ぐっ!?」
近距離から放たれたテングブレードでエックスの胸が切り裂かれる。アーマーのおかげで傷は浅いもののグリズリーのクレッセントショット以上の切れ味だとすぐにわかる。
「痛!?メタルブレード!!」
「おっと!」
エックスはフォルテが近距離にいることを利用してメタルブレードを連続で発射する。フォルテはすぐに察知して回避するが発射されたいくつかが体に突き刺さる。
「兄貴同様に武器のトレースができるようだな!」
フォルテは、メタルブレードを引き抜きながら言う。同時に傷口は周囲のシグマウィルスを取り込むことですぐに再生する。
「なっ!?」
「なんだ?傷が治るのがそんなに珍しいか?ゼロもすぐ傍にいた女も同じことをやってたのにな。」
フォルテはすぐさまメタルブレードをトレースし、エックス以上の手数で発射する。
「うっ!?」
エックスの身体にいくつも切り裂き、メタルブレードは彼の身体に突き刺さって行く。
「オラオラ!さっさと反撃しねえとバラバラになっちまうぜ!!」
「い、一体どういうこと!?」
通信室にいるエイリアは送られてくるフォルテのデータを見て動揺していた。
「エックス同様の特殊武器のトレースシステム、シグマウィルスを取り込んで傷を一瞬にして修復・・・・・・こんな芸当ができるレプリロイドがいるなんて・・・・・・・」
「それだけではない。奴は、未だに我々ですら把握しきれていないエックスを見てかの伝説のロボットと呼ばれているRockManの名を挙げた。まるで本人を知っているような口で・・・・・」
「おいおい・・・・シグナス。まさか、あのイレギュラーが100年前にいた奴だって言うのか?流石に冗談がきついぜ。」
シグナスの言葉に避難してきたダグラスは苦虫を食い潰したような顔で言う。
「しかもエックスの場合は一度相手のDNA端末を組み込まなくてはならないものを奴は武器を取っただけで習得している。恐るべきイレギュラーだ。それにあの狼型のメカニロイドも相当戦闘能力が高い。」
エックスがフォルテを相手にしている一方、援護しようとするマーティの目の前にはゴスペルが立ちはだかって妨害をしていた。
『ガオッ!』
「退きなさいよ!!」
マーティはバスターショットでゴスペルを射撃するが元々通常のワイリーナンバーズ以上の戦闘力を持つと言われているゴスペルに対してはあまり効いていない様だった。
『ガウッ!!』
「ちっ!シールドブーメラン!!」
飛び掛かろうとするゴスペルに向かってマーティは、シールドブーメランを投げる。シールドはゴスペルに直撃し、一瞬怯んだもののゴスペルは目つきを鋭くして口を開いてマーティに飛び掛かろうとする。
『ガウウッ!!』
「ヤバッ!?」
『ワオォ~!!』
だが、その直後に主のピンチを察知したのかラッシュがゴスペルに飛び掛かった。地面に落下すると双方は睨み合い、野生動物の縄張り争いのように口を開いて乱闘を開始した。
「ラッシュ・・・・・」
『ウゥ~~!!』
『グルルルルル!!』
二匹が取っ組み合っている内にマーティはシールドを拾い、エックスの方へと向かって行く。
「エックス!!」
「マーティ、来ちゃダメだ!」
「あ?」
フォルテはエックスへの攻撃を中断し、マーティを見る。
「邪魔だ!失せろ!!」
フォルテはバスターを一瞬にチャージしてマーティに向かって連続で発射する。
「タイムストッパー!!」
エックスは自分以外の時間を止めてマーティの所へと駆けていく。
「!?」
だが、時が止まっているにもかかわらずフォルテから放たれた光弾はゆっくりとマーティに向かっていた。しかもかつてロックマンが使用した時のようにタイムストッパーは止められる時間が短いため彼女をどかして回避させることは不可能だった。
「・・・・くっ!」
エックスは動きが止まっているマーティを突き飛ばし自分が光弾の前に立つ。
同時にタイムストッパーの効力が切れた。
「ガアッ!?」
エックスは、何発もチャージショットを諸に受けて吹き飛ばれて行った。
「・・・・えっ?」
自分のすぐそばを通りすぐ去って行ったエックスを見てマーティは目の前で何が起きたのか一瞬理解できなかった。しかし、振り向くとそこには胸部がアーマーごと抉れて動かなくなったエックスが倒れている。
「・・・・・・・・エックス?」
「・・・・・・」
返事が返ってこない。
「エックス!!」
彼女は急いでエックスの方へと駆けて行った。
ページ上へ戻る