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ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)

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スパイク・ローズレッド

レプリフォース地上基地

エックスたちがマグマエリアでディノレックスを怯えさせていた頃、ビートブード達三人はレプリフォースの地上基地に来ていた。

「うわぁぁぁぁぁ!!」

ホーネックは目の前に飛んできた巨大な蛾を見て思わず叫んでしまう。

「おっきい蝶だねぇ・・・・」

「いや、こいつは蛾だよ。」

ビートブードは近くに留まった巨大な蛾を見て言う。

「昔、自分のモチーフのカブトムシの姿を見たくて昆虫図鑑を買ったときに載っていた奴の一匹だ。絶滅危惧種だから珍しいもんなんだ。」

「この巨大な蛾がですか?」

ホーネックは、警戒しながら言う。

「最近はタイガードが活動している保護地域ぐらいしか純粋な自然のジャングルは残っていないからな。こんな半機械の人工の植物のジャングルの中で生きていること自体が奇跡に近いんだ。神秘的だな・・・・」

「・・・・・・私はどうも禍々しくしか見えないんですけどね。」

そんな会話をしながらも三人は、レプリフォース基地へと到着する。シグマウィルスのせいで気象管理システムが異常を起こしたせいで基地は植物に覆われてしまっている。

「なんかSFとかに出てくる荒廃した世界でこんな風景があるんですよね。植物に覆われて自然が戻りつつあるって言うのが。」

「まあ、人工植物だけどね。」

そう言いながら三人は人工植物の生い茂った基地の中からオービターエンジンを探し始める。しかし、肝心の格納庫は何者かによって持ち去られた後でもぬけの殻の空だった。

「先に持って行った奴がいるようですね。」

幸運なのは近くにバラの花びららしきものが落ちていてそれがどこかへ続いでいることだ。三人は基地で発見した負傷兵にワクチンを挿入し、ハンターベースに保護してもらえるように通信を送った後、花びらを頼りにジャングルの奥へと進んで行く。

「ここからはツタを頼りにしていくしかないようだねぇ。」

マンドリラーは途中で底が見えない穴を覗き込む。ビートブードとホーネックの二人掛かりで運べば問題ないがその間は無防備になり敵の攻撃に対応できなくなる。マンドリラーはツタを這いながら移動し、ビートブードとホーネックは先に飛びながら先を急ぐ。

「ん?探知機に反応?」

ホーネックは真上の窪みに何かの反応があることに気がつく。マンドリラーも追いつく様子がないため二人は窪みの中へ行ってみる。そこにはカプセルがあった。

「あれはエックス隊長の・・・・・・」

二人が目の前に行くとカプセルが開いてライトが姿を現す。

『また、会ったねビートブード、ホーネック。』

「貴方はDr.ライト。」

『急いでいるところすまないがエックスに渡してもらいたいものがあるのじゃ。』

「隊長に?しかし、ホタルニクス博士の研究所のデータでファルコンアーマーは完成しましたよ?」

『今回渡すのは、ファルコンアーマーと対を為すガイアアーマーのフットパーツのプログラムじゃ。このフットパーツは今までのアーマーのように機動力の向上が無い上にエアダッシュを使うことはできないが、脚部の耐久力を極限まで上げる事で如何なる悪路をも突き進む事の出来る特性を持っておる。例えば君たちが良く警戒しながら移動するトゲの床など普通に移動することが可能な上に天井に張り付くことができるのじゃ。ファルコンアーマーと使い分けていけば、いかなる地形にも適応可能となるはずじゃ。』

「あの床を普通に移動できるとは・・・・・もう、何でもありですね。」

ホーネックがライトの説明を聞きながら困惑している中、ビートブードは、カプセルからプログラム受け取る。

「わかりました、ライト博士。このプログラム、必ずエックス隊長にお渡しします。」

『うむ、君たちも今は平気とはいえウィルスが効かないわけではない。気を付けるのじゃぞ。』

そう言うと二人はライトの元から離れて移動を再開する。


























???

一方、ここはハンターベースから遠く離れた雪に覆われた北国。そこにある今は廃れてしまった古城のような施設で何者かが調査をしていた。少し前、ハンターベース近くの墓所を墓荒らししていた集団だ。どうやらここへ何らかの方法で移動したらしい。

「ゴジゴジ。」

「ん?何か見つかった?」

部下のロボットが何か分厚い書物を手渡す。

「えっと何々・・・・・・『人間とロボットの未来』・・・・・ミハイル=セルゲイビッチ=コサック著・・・・・」

彼女は本をめくりながら他の成果が報告されるまで読み始める。ところどころの字が読めないものの比較的に保存状態が良かったのか読むのに支障がない程度で済んでいた。

「ロボットの発展こそ人類の未来の鍵である・・・・・・・すべてのロボットが人間を助けるために作られている・・・・・・ふん、都合のいいことをそろえて言う偽善者ね、この本の著者は。」

そう言うと彼女は本を閉じてその場に置いて行く。

「この時代のレプリロイドを見ればよく分かるわ。ロボットの発展に未来の鍵など存在しない・・・・すべてのロボットが人間に忠実なわけではない・・・・・あるのは己の生み出した存在に弄ばれて何もできない人間たち・・・・・・・」

「ゴジゴジ!!」

「もう~!今度は何よ~!?」

文句を言いながら部下の所へ行くとそこにはすでに荒廃した広間があった。近くには何か花が植えたと思われる痕跡があるが長い間放置されていたのか既にその残骸が僅かに散らばっているだけだった。その部屋の中央に埃の被ったカプセルが見える。

「このカプセルは・・・・・・・」

埃を軽く払ってみるとそこにはドクロをモチーフにしたロボットが眠っていた。

「一度破壊された痕跡があるわね・・・・・・・でも、再生できる余地は十分あるわ。それに戦闘能力も比較的に高そう・・・・・いいものを見つけたわ。」

彼女は笑みを浮かべながらそのロボットの顔を見る。

カプセルには、既に読めない文字でこう書かれていた。


〈我が子・・・・・ここに安らかに眠り給え・・・・・・・・・DCN.032 Skull man〉

































ジャングルエリア 最深部

「ここで花びらが終わっている。」

ビートブード達はようやくオービターエンジンを奪っていったと思われる犯人に追いついたと悟った。すると奥の方から花びらをちらつかせながら一体のレプリロイドが姿を現す。

「何だよお前ら!?なんか、用かよ!」

「なんか用とはなんだ!?この盗人め!」

レプリロイドの反応に対してビートブードは少しきつめに答える。

「別に・・・・・君には用事はないよぉ?ただ、あの基地から盗んだオービターエンジンを返してほしいんだ。」

「手荒な真似さえしなければ大人しく引き揚げますよ。」

そんなビートブードとは違いマンドリラーとホーネックは柔軟に対応する。

「・・・・・あんたら、もしかしてイレギュラーハンターって奴か?俺を処分しに来たってわけか・・・・。」

「何を言っているんだい?俺たちは・・・別に君を処分しに来たわけじゃないよ?」

「君もウィルスに侵されているんだろ?私たちと一緒に・・・・・」

「その必要はないよ。俺は、あの施設のコントロールユニットとシグマウィルスが融合した存在だからな。」

「「なっ!?」」

レプリロイドの言葉を聞いてビートブードとホーネックは驚く。

「やっぱりな、ウィルスと聞いただけでイレギュラー扱いになる。」

「い、いや!私たちはただ・・・・・・・」

「施設のコントロールユニットの情報通り、イレギュラーハンターは怖い奴らだらけだよ。抵抗すれば殺されそうだしね。本来同志であるはずのレプリフォースさえも些細な誤解からイレギュラー認定してしまったんだろ?イレギュラー認定って言うけど勝手すぎない?」

「うっ・・・・・・・」

レプリロイドの指摘に対してホーネックは何も言えなくなる。

事実、ここ最近のイレギュラーハンターによるイレギュラーの基準は初期に決められた人間に危害を加えようとするものから徐々に曖昧なものになりつつある。死亡したスタッガーやクラブロスのように身勝手な元ハンターが認定されたこともあって、その取り締まりは厳重になってきている。

「俺は、生まれたときから盗んで生きていくことしかできなかった。生みの親の顔すら覚えていないし、一番最初に目に映ったのは廃棄処分場の中だった・・・・・分かっているのは俺は失敗作として廃棄される予定だったってことだけ。・・・・・・今まであちこち移り住んで、ようやく誰の目にも付かれることなく安心して住めそうな場所を見つけたんだ。必要なものもあの基地から少し盗めばいいことだし、どうしても必要なパーツがあれば売れそうなものを売り飛ばせばいい。そうやって生きてきたからな。」

「・・・・・・・・・」

「それとも俺を処分するかい?今までそうやって撃ってきたんだろう?でも、俺も一方的に殺されるつもりはないけどね。来いよ、理不尽に処分される側の気持ちって奴を教えてやるよ!!」

「・・・・・・」

「ビ、ビートブード?」

今まで黙っていたビートブードは、レプリロイドの方へと近づいていく。

「ま、まさか本当に戦うつもりじゃ・・・・・・・」

「そうかなぁ?俺はなんか違うような気がするけど。」

ビートブードは、レプリロイドの目の前にまで来る。

「さあ、かかって来いよ!理不尽に処分されたイレギュラー達の悲痛な叫びって奴を・・・・・ブッ!?」

言いかけた直後、ビートブードが彼の顔を思いっきり殴りつけた。

「今までそうやってだと?ふざけるんじゃねえぞ!このクソガキ!!」

ビートブードは、ギョロっとした目つきで彼の首を掴み上げて言う。

「怖い奴らだらけ!?お前はどう思おうが勝手だがな、俺たちだって好きでやっているわけじゃねえんだ!始末される側の気持ちを味わった奴なんていくらでも見てきたんだよ!!」

ビートブードの目を見てレプリロイドはゾッとする。その目の気迫は伊達じゃない。

「死んだ俺の兄貴やそこにいるマンドリラーなんかウィルス騒動以前にイレギュラー認定されているんだ!俺も!でも、今もこうして人間や仲間たちのために動いている。これがどういう意味か分かるか?生まれた出自やウィルスと融合したことなんか関係ねえ!!要は自分がどうしていくかを考えていくことが大事なんだ!!」

「そんなことできるわけ・・・・・・・・」

「できるできねえの問題じゃねえ!!やるかやらないかだ!!やる前から逃げるなんかそれこそイレギュラー以下の負け犬だ!!」

「まっ!?お、お前に俺の気持なんか分かるかよ!!」

レプリロイドは回し蹴りをしてビートブードの頭を攻撃すると距離を取る。

「工場で正式に生まれたアンタに・・・・・・スクラップ場で息を吹き返した俺の気持なんか分かるわけないじゃないか!自分が何のために生まれたかもわからず、くたばり損ないとして生きてきた俺の気持なんか!!」

レプリロイドは、茨の鞭でビートブードを拘束する。しかし、固定する直前にブーメランカッターで鞭を切断して突進を仕掛ける。

「ガッ!?」

「工場で作られたからなんだ!?お前は自分の生まれだけを考えて逃げてきただけなんじゃないか!?俺の知り合いには見た目だけのせいで周りからイレギュラー呼ばわりされていた奴がいたんだ。それでもそいつは、くじけそうになりながらも逃げはしなかった。だから、受け入れてくれた人がいた。お前はそれすらしなかっただろ!!」

「う、うぅ・・・・・・うわああああああああああああ!!!」

レプリロイドは無我夢中にビートブードを殴りつける。その目からは今まで溜め込んでいた感情が爆発したのか涙が止まらなかった。

「お前に何がわかるんだ!!今までひたすら一人で生きてきた俺の何がわかるんだぁああああああ!!頼る者も、生みの親すら知らずに逃げる以外に選択肢を選べなかった俺のぉおおおお!!!」

レプリロイドは拳に思いっ切り力を込めてビートブードを殴り続ける。硬い装甲で覆われたビートブードに対してダメージを受けてしまうのもためらわず無我夢中に。

























「ハア・・・・・・ハア・・・・・・・痛・・・・・・」

しばらくしてレプリロイドは殴り続けたことで損傷した両手を押さえながら膝をついた。ビートブードもダメージを受けてはいたものの依然と立っていた。

「なんでだよ・・・・・・・何で反撃してこないんだよ・・・・・・・・」

「俺はハンターだ・・・・・・コソドロぐらいしかしたことがねえ、レプリロイドをイレギュラーとして処分する仕事じゃない。」

「・・・・・なんだよそれ・・・・・訳が分からねえよ・・・・・・・・」

レプリロイドは尻餅をついて言う。それでも、全てを吐き出したおかげか何か吹っ切れたようだった。

「・・・・・でも、なんか清々しい気分だ。こんなこと初めてだ・・・・・・・俺のこと聞いてくれた奴は・・・・・・・」

レプリロイドはそう言うとDNAデータとICカードを差し出した。

「これは?」

「アンタらほしかったのオービターエンジンとかってやつなんだろ?そこの倉庫にしまい込んである。本当は闇商売で高値で売り飛ばそうかと思ったけどアンタに譲るよ。カウセリング代として。」

「君はどうするんだい?」

マンドリラーは、レプリロイドに聞く。

「さあね、しばらくはここにいるだろうけどそのうちまた、場所を変えてやり直すさ。うまくいくかどうかは別としてね。幸い、シグマウイルスと融合した俺はこの辺のイレギュラーには敵として認識されないし。」

そう言うとレプリロイドはジャングルの奥へと歩いて行く。

「・・・・・・最後に聞き忘れていたな。お前の名前は?」

ビートブードはレプリロイドの後姿を見ながら聞く。レプリロイドは振り返って答えた。

「スパイク・ローズレッド。」

「俺はグラビティー・ビートブードだ。困ったことがあったらいつでもハンターベースに来い!俺の名前を言えば通してくれるから!」

「・・・・・・・ふう、そんときは宛てにさせてもらうよ。」

そう言うとローズレッドは、ジャングルの中へと消えていった。



























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ここは旧ワイリー・キャッスルの一つ。

「・・・・・・大分、調子が戻ってきたな。」

フォルテは体を動かしながら言う。ゼロと別れてから力が戻るまで随分かかったが地上はシグマウィルスに満たされているため、時間が経つにつれ力は戻りつつあった。

「畜生・・・・・あの女、妙にロックマンみたいな感じがしたな。まあ、次会ったときはゼロと一緒に破壊してやる。それにしてもこのまま帰ったらまたジジイの奴が何を言い出すかわかったもんじゃねえな・・・・・・ん?」

フォルテは、ワイリーキャッスルのレーダーに何か強い反応が集まっている場所を見つけた。そこにはどういうわけかワイリーナンバーズの反応も出ている。

「ジジイが動いているのか?いや、それにしては随分おかしいな・・・・・・でも、これだけの反応があると言うなら少しは暇つぶしできそうだな。」

そう言うとフォルテは、ゴスペルと共にその地点に向かって飛び出して行った。
 
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