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ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)

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兄弟

レプリエアフォース戦艦 甲板 

「アイツは一体・・・・・」

ゼロとアイリスは唖然とスーパーフォルテを見ていた。当のフォルテ本人は不満そうな表情をして着地し、ゴスペルと分離する。

「フン、100年間カプセルにぶち込まれている間にロボットも弱くなったもんだな。」

フォルテは既に意識を失っているペガシオンを蹴り飛ばす。

「ペガシオン長官!」

危うく甲板の上から落ちそうになったペガシオンをアイリスは回収する。

「強いパワーを感じて来てみたら・・・・・期待外れにもほどがある。」

「お前・・・・・何のつもりだ!」

平然とペガシオンを見下すフォルテに対してゼロは怒りの眼差しを向ける。

「あ?」

「ペガシオンはまだイレギュラー化していなかった!ワクチンさえ撃てば済むはずだったんだ!それを・・・・・・」

「そんなこと知るか!俺は今ムシャクシャしてるんだ!」

フォルテは、バスターを展開する。ゼロも同時にバスターを展開しようとするがワクチンを打ったためか再び使用不能になっていた。

「!?変形しない!?」

「ヘッ、どうやらお前もお粗末な出来のようだな!!」

フォルテは容赦なくフォルテバスターを発射する。

フォルテバスターには二種類の仕様があり、一つは威力を犠牲にし高速で連射するタイプ。

もう一つは、今は無きライバルであるロックマンのロックバスター同様のチャージショットのタイプ。

しかし、現在のフォルテバスターはこの二種類のを同時に使用しているのかのように凄まじい威力の光弾が連続で放たれ、ゼロを追い詰めていく。

「くっ!ここではアークラッシュは愚か、滅閃光を使えば機体がバランスを崩して俺たちはこの高度から地上へ真っ逆さまだ・・・・」

「どうした?お粗末な体じゃ碌に戦えないってか!」

フォルテはバスターを戻し、ゼロとの距離を詰める。

「テングブレード!!」

「三日月斬!!」

フォルテは手刀、ゼロはセイバーで攻撃をする。威力が相殺されると双方距離を取る。

「トリプルブレイド!!」

「電刃!」

フォルテが飛ばした刀を、ゼロはクラーケンから獲得した電刃で防ぐ。

「少しはできるようだな。ロックマンと戦う前のウォーミングアップにはちょうどいいぜ!!」

「ロックマンだと!?お前は一体何者なんだ!」

知っているのは極限られた者しかいないはずなのにどうしてこのイレギュラーは知っているのか?

ゼロは、セイバーを構えたままフォルテと対峙する。

「俺か?俺はフォルテ!!ロックマンを倒して最強になるべく生まれたロボットだ!!」

「・・・・・・あなたは何を言っているの?」

フォルテの言葉にアイリスは思わず口を開く。

「何?」

「ロックマンは・・・・・・100年前、Dr.ライトが他の兄弟機たちと共に封印した。もう、この世界にはいない。」

「・・・・・・・封印しただと?」

「そうだ。俺の生み親であるDr.ワイリーの影響で、世界が一時的にロボットを排除したんだ。」

「ん?あのクソジジイが生みの親?・・・・・!」


フォルテは、ゼロを見て一瞬過去のフラッシュバックが蘇った。
















20XX年 ワイリーキャッスルNo.???

この時、フォルテはDr.ワイリーにロックマンとの勝負を邪魔された腹いせでワイリーキャッスルを破壊した上にワイリーの計画を潰した。

「フォルテ!全くお前と言う奴は何故生みの親であるワシに逆らうんじゃ!!」

ワイリーは、作戦の邪魔をされ、またもやロックマンに惨敗した原因であるフォルテに対して怒りの形相で怒鳴り散らす。しかし、当のフォルテは特に怯えもしなければ気にもしない。

「耄碌じじいが・・・・・いつもいつも余計なことをするからだ。ロックマンは俺一人で十分倒せる。」

「ぬうぅ~!!今まで多くのロボットを作ってきたがワシはお前のようなやつを作ったことを後悔しておるぞ!」

フォルテの挑発でワイリーの怒りはエスカレートしていく。

「ケッ、お前が俺を作った?単なる偶然じゃねえのか。最強の俺が出来たのは。」

そう言うとフォルテはゴスペルを連れて部屋から出て行こうとする。

「・・・・・確かにその通りじゃ。ワシは度重なるロックマンの敗北を基に奴と似通った性能のロボットを作れば勝てるのではないかと結論付けた。そして、その研究で偶然完成したのが強力なエネルギー『フォルテニウム』で、その動力炉を組み込んで生まれたのがお前じゃ。フォルテニウムは今のエネルギーの中でも最も高いものじゃろう・・・・・」

「フン、なら・・・・・・」

「じゃが!それも今だけの事じゃ!何故ならワシは、お前やロックマンを遥かに超えるニュータイプのロボットを発明しているのだからな!」

「・・・・・何?」

ワイリーの一言でフォルテは、彼をにらみつける。ワイリーはその様子を見て面白いと感じたのかモニターにある映像を映し出す。

それは製作中のロボットの姿で赤いアーマーに後頭部には長い金髪が伸びていた。

「せっかくじゃから紹介してやろう。コイツはお前の弟に当たるワシの最高傑作となる『ゼロ』じゃ。元々対ロックマン用として開発を進めておったがどうも技術の問題で未だに完成に至っておらん。じゃが、コイツから出た研究データもあるからこそ、お前もできたんじゃ。要は最高傑作の一端のおかげじゃのう~。」

「チッ。」

フォルテはニヤニヤ笑うワイリーに対して舌打ちをする。

「こんなロックマンの所にいる女のような髪の長いロボットが最強だと!?ふざけるな!!」

「ワッハッハッハッハッハ!お前らとはレベルが違うのじゃ。レ、ベ、ルがな。ヌッフッフッフッ・・・・それだけじゃない。ゼロにアレを組み込みさえすれば・・・・・・・世界はこのワシの元に跪くのじゃ!ワイリー帝国の誕生じゃ~!!ワ~ハッハッハッハッハッ!!」

「・・・・クソジジイめ。」

高笑いするワイリーに対してフォルテは、自分の弟であるゼロをにらみつけた。






























「・・・・・・・・そうか、思い出したぜ。あの時と比べてボディの形状が違うがクソむかつく面そのままだ。」

フォルテは不敵な笑みを浮かべてゼロを見る。その様子を見てペガシオンを抱えているアイリスは嫌な予感がした。

「クックックッ・・・・・・・まさかジジイの奴、完成させていたんだな。俺やロックマンが敵じゃねえってロボットをよぉ・・・・・・」

「どういうことだ?」

フォルテから異常に感じる殺気を感じてゼロは警戒を強める。

「だが最高傑作と言いながら無様な出来栄えだな。レベルが違うと言いながら大したことねえじゃねえか。・・・・・・まあいい、お前をスクラップにすれば俺が最強ってわけか。」

「最強?こんな時に何を言っているんだ?多くの人命がかかっているんだぞ。」

「人間共の事なんぞどうでもいい!俺が言えるのはゼロ・・・・・・・お前をぶっ潰すという事だ!!」

「!?」

フォルテは、一気にゼロとの距離を詰める。ゼロはセイバーでフォルテに斬りかかるが触れた瞬間、フォルテは消えてしまう。

「なっ!?ソウルボディか!?」

かつてエックスがレプリフォース大戦時に入手した特殊武器の一つに似ていることに気がついたがあちらはチャージした時のみのものだ。さっきの様子を見てもフォルテがチャージをした様子はない。

「後ろだバカ!」

「ぐわっ!?」

いつの間にか背後に回っているフォルテのバスターをゼロはまともに受ける。

「コピービジョン・・・・・キングの時は雑魚に対してしか使えねえと思ったが時間稼ぎにはちょうど良かったようだな!!」

「うっ・・・・・疾風牙!!」

「マジックカード!!」

ゼロの疾風牙を回避し、フォルテは二枚のカード型の武器を飛ばす。一枚目は弾いたものの、二枚目はゼロの身体に突き刺さった。

「くっ!?」

「弱い・・・・・・弱い弱い弱い!!弱すぎる!!」

フォルテは、容赦なくバスターでゼロを攻撃する。

「コイツが俺より最強だと!?ジジイの奴・・・・・・手でも抜きやがったか?これじゃあ、ロックマンの方がまだ歯ごたえがあるぜ!!」

「・・・・・バスターが使えないだけこっちの方が不利か。」

ゼロはボロボロになりながらも立ち上がる。

「・・・・・しかし、おかしい。奴は今の戦闘以前にペガシオンとの戦いで相当パワーを使っているはずだ。なのに奴は疲弊している様子はない。むしろパワーアップして・・・・・・パワーアップ?」

ゼロはフォルテをよく見る。戦闘においてゼロ同様にダメージを受けているはずのフォルテの身体はダメージが残っている痕跡がない。それどころか彼の周囲には何かオーラのようなものを発しているようにも見えた。

「だが、ここはシグマウィルスに汚染された場所。パワーアップどころかむしろダメージを受けて最悪な場合イレギュラー化してしまうはずだ・・・・・・!」

ゼロは咄嗟にフォルテの言葉を思い出す。

最高傑作。

確かに彼はゼロに対してそう言っていた。

つまり、これは同じ制作者によって生み出されたということを意味する。

「お前・・・・・まさか、他の兄弟同様・・・・・」

「今頃気づきやがったか。ジジイは、こんなことも言っていたな。俺はてめえのおこぼれで最強だって・・・・・・その元がこれか!」

「グッ!?」

フォルテの回し蹴りでゼロは勢い良く吹き飛び、甲板の上に倒れる。

「ゼロ!?」

「これがジジイの言っていた最高傑作か?俺とレベルが違うとまでほざいでこの様かよ!」

倒れたゼロを掴み上げ、上に投げ飛ばすとフォルテバスターを連射に切り替えて発射する。

「ガアァッ!?」

「ゼロォ—―――――――――!!」

バスターでダメージを受けたゼロは、上空から地上へと落下しようとする。

「・・・・ゴスペル。」

「ガウッ!」

しかし、フォルテはゴスペルに命令してゼロを回収させる。

「がぁあ・・・・・・・・」

「いまいち納得できん。あのジジイがあれほど自慢してた最高傑作がこんな弱い筈がねえ・・・・・・てめえ、何か隠していやがるな?」

「!?」

フォルテに睨まれ、ゼロは一瞬ゾッとする。

「ロックマンの時もブルースの奴が言っていやがった。“本気を出した奴に俺ごときじゃ勝てない”ってな。お前も同じ理由か?」

「・・・・・・し、知らん!」

ゼロは顔をしかめながら言う。

あの力は確かに力と高揚感に溢れ、凄まじいパワーを発揮することができるが自分を見失いかける上にパートナーであるアイリスにも影響を与えてしまう。そんな力を開放するわけにはいかない。

「・・・・・・どうやら末弟のくせに妙にロックマンに似ていやがるな。・・・・おもしれえ・・・だったら俺が無理にでもお前の本気を引き出してやるよ・・・・・・」


フォルテの猛攻が続く。



























一方、ここは、ハンターベースから離れたレプリロイドの墓所。

イレギュラー化して処分された他、ケインの計らいで手厚く葬られたレプリロイドたちが眠っている最後に行きつく安息の地と言える場所だ。

そんな墓所で何やら複数のマントを纏った何者かが墓荒らしをしていた。

「ん~~~~~この子はダメね。頭部が完全になくなっているわ。次。」

その中のリーダー格と思われる人物は、レプリロイドの残骸を調べながら何かを判別していた。

「次はブーメル・クワンガー・・・・・あら、この子は割ときれいに残っているわね。アーマー・アルマージの方も破損はひどいけどあっちなら簡単に直せるわ。」

「「「ゴジゴジ・・・」」」

「この二体をタイムマシンに詰め込んでおきなさい。」

部下の単眼のロボットたちは命令を受けると二体の遺体を運び出していく。

「フッフッフッフッ・・・・・・ダイちゃんが心配で久しぶりにこっちに戻って来たけどこれは思っていたよりもいい素材が手に入ったわ。」

「ゴジゴジ・・・・」

「えっ?そんなことより早く合流してウィルスのサンプルを確保した方がいいですって?いいじゃない~普段はパパと一緒に研究室に籠りっぱなしなんだから~。それにこういう言葉があるじゃない。『かわいい子には旅をさせろ』って。」

「ゴジ・・・・・・」

そう言いながらもイレギュラーハンターに悟られることなく作業を進めるのであった。





























レプリエアフォース戦艦 甲板

「まだか!」

フォルテは、ダメージでほとんど動かなくなったゼロを容赦なく攻撃を加え続けていた。

「これでも本気にならねえのか!」

「うぅ・・・・・・・」

起き上がることなく倒れているゼロを踏みつけながらフォルテは更に挑発する。

「まだか、ゼロ。・・・・・・お前の本気は?」

「・・・・・・・・」

「本気を出さないかと聞いているんだ!!」

「もう、やめて!」

もう耐えられないとばかりにアイリスは二人の間に割って入る。

「なっ!?」

「あ・・・・・アイリス・・・」

「あなたもゼロのお兄さんなんでしょ!?弟であるゼロをここまで痛めつけて何になるの!?最強がどうなのか私にはよくわからない。でも、もうあなたが強いってことはもう分かってるはずよ!だから、これ以上ゼロを傷つけないで!!」

アイリスは、泣きながらゼロを庇う。

大切な人がこれ以上やられて行くのを見過ごすことはできない。

「・・・・・・ダメだね。」

「!」

フォルテの言葉に対してアイリスは唖然とする。

「ジジイはコイツのことを俺をも超える最強だと言っていた!なら、俺は弟だろうと倒す!俺の最強を証明するために!!」

「どうして・・・・・どうしてそんなことを言うの!?兄弟まで倒して・・・・・・最強にまでなって意味があるの!?」

「意味などするか!俺は最強の存在として生まれてきた!コイツだってそうだ!!コイツも元はロックマンを倒すために作られた!さあ、ゼロ。このまま俺に嬲り殺されるか!それとも本気を出すのか!」

ゼロを踏みつける足の力を強めて行く。

「いやあぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

アイリスは咄嗟にサーベルを展開してフォルテに斬りかかる。

「フン、素人が!」

フォルテはバスターを展開して斬りかかろうとするアイリスに向ける。

「アイリス、やめろ!!」

「ホイールカッター!!」

「あっ・・・・・・・」

フォルテの出したホイールカッターはアイリスのボディを切り裂く。アイリスは、傷口からエネルギーを吹き出し、その場に倒れる。

「雑魚が。」

「・・・・・・アイリス・・・・・・」

ゼロは倒れた彼女の姿を見て心の奥底から憎悪が溢れてきた。

「よくも・・・・・・・・よくもアイリスを・・・・・・・」

「ん?聞こえねえな・・・・・・・」

「・・・・・・・うぉおおおおおおおおおおお!!!」

「なっ!?」

ゼロが周囲のシグマウィルスを取り込み始め、フォルテはその反動で軽く吹き飛ばされる。

「くっ!一体何が・・・・・・・・!」

フォルテが起き上がるとそこにはゼロが立っていた。先ほどとは違いその目には殺意が芽生えており、体の傷も見る見る修復され、全身にかつてドップラーの反乱時のエックスのように赤いオーラを纏っていた。

「・・・・・これがお前の本気か。」

「・・・・・・・・お前だけは絶対に許さん。」

ゼロは鋭い眼差しでフォルテを睨みつける。だが、当のフォルテは怯える様子はなく、むしろ喜んでいるように見えた。

「・・・・・やっと本気を出したか。いい目だ、それを待っていたんだ。」

「アイリスを・・・・・・・俺の大切なものを・・・・・・・」

「憎いか?だったら、本気でかかってこい!!兄であるこの俺が直々にスクラップにしてやる!!」

二人は再びぶつかり合う。
 
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