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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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人と希望 前編

 
前書き
えぇ・・・残り3話で終わらせると以前言いましたが、やってみたらここでバトルが終わらなかったためもう1話追加になりましたことをここに謝罪しますm(__)m

尻流「やっぱり!!絶対できないと思ったもん!!( 厂˙ω˙ )厂ウェーイ ポンコツポンコツ!!」(*>ω<*)σ)Д`*)ゞウリャウリャ

・・・

変態「あ、これヤバい」
冷温「尻流、謝った方がいい」
尻流「絶対やだ!!いつも大変な思いさせられるからこういう時くらーーー」

決めました、オリジナルで尻流がミニスカノーパンの上に上空で戦う話を描きます。

尻流「!?ごめんなさい!!」

もう決めました、絶対描きます!!ε=ε=┏(・_・)┛ニゲロ

尻流「待って!!謝るから!!許して!!」三 (lll´Д`)マッテェ

冷温「えっと・・・今回の話が重かったので前書きくらいは緩くいこうということでこんな感じになってます」
変態「だから尻流が女の子にされて元に戻るために戦ってたらパンツ破れてミニスカノーパンになりながら上空に引きずり込まれて、週ソラのカメラや街の人に見られて泣きながら戦う話はたぶん出ません」
冷温「なんかやけに細かいな」
変態「それではどうぞ!!」
冷温「なんで詳細が出るんだ?」

 

 
竜の力(ドラゴンフォース)を解放し人類最大の脅威と向き合うシリルとナツ。対峙するティオスと天海も、彼らの体内にある魔力の高さを感じ取っていた。

「カミューニさん」
「ラクサス」

それぞれの倒すべき敵を見据えながら、彼らを己の限界の限り引き付けてくれた二人に視線を向ける。

「ありがとうございます」
「必ずこいつらは倒す!!」

二人の頑張りを無駄にしないため、覚悟を決めて突撃する。その速度はこれまでの彼らを悠に越えていた。

「な・・・」
「ほう」

思いがけないスピードに体当たりを受ける二人。片腕を失っているティオスはバランスをうまく取れず倒れ、天海はなんとか踏ん張っている。

「竜魔の・・・」
「炎竜王の・・・」

シリルはティオスに、ナツは天海に向かってジャンプをすると、大きく頬を膨らませる。

「「咆哮!!」」

炎と水と風。二人のブレスが合わさり真下にいる敵へと放たれる。それは瞬く間に彼らを・・・

「こいつはいいな」

飲み込もうとしたが、天海に軽く払われてしまった。

「シリル!!俺にあいつはやらせてくれ!!」

地上に降りたと同時にそう叫ぶ炎の竜。それを受けたシリルは、小さくうなずいてみせた。

「わかりました。俺がティオスを倒します」

目配せをしてうなずくと、真っ先にナツが兄の仇である天海へと突進していく。

「ティオス、手を抜くなよ」
「あぁ、わかってるよ」

自身を標的にしているとすぐにわかった天海はそう言うと、立ち上がりながら面倒くさそうに答えるティオスを横目で見る。

「ティオス」
「まだ何か?」
「手を抜くなよ?」

大事なことだから二度言ったとはこのことかと内心で思っているティオス。天海はそんな彼のことなど気にする素振りも見せず、向かってくる炎の魔導士に突進する。

「炎竜王の崩拳!!」

ぶつかり合う両者の拳、その力はまさしく均衡しており、衝撃と共に砂煙が舞い上がる。

「竜魔の・・・」
「!!」

その砂煙を利用し、ティオスの目の前へと飛んできていたシリル。咄嗟に左腕でガードをするが、少年の拳はそれをものともしなかった。

「鉄拳!!」

振り抜かれた右手。小さな拳に集約された魔力は強大な悪を押し飛ばす。

「何!?」

思わぬパワーに驚愕する。そんな彼を追いかけるように、翼を広げた天使の子は向かっていく。

「竜魔の鉤爪!!」

今度は蹴り。目と鼻の先まで来ていたそれを、青年は翼を広げて飛び上がり、回避する。

「竜魔神の握撃!!」
「ぐっ!!」

今度は上空から悪魔の反撃。重力も合わさっていることで威力は絶大・・・それでも・・・

「まだまだぁ!!」

仲間の力をその身に宿した少年は、大きなダメージを受けるようなことはなかった。

「くっ・・・」

漆黒の翼を羽ばたかせ、上空へと昇っていくティオス。対してシリルもそれを追いかけるように純白の翼を羽ばたかせ、飛び上がる。







「炎竜王の咆哮!!」

上空での戦いにもつれ込んだ彼らとは異なり、地上の二人も激しさをより増していた。

「炎竜王の煌炎!!」

ブレスを放ち天海を飲み込んだ直後に追撃の一撃。かつて大陸を支配していたドラゴンを思わせるような魔法を連続で放つ青年。

「いい・・・いいぞ!!」

(イグニール)の力に迫りつつあるその攻撃を受けても、目の前の男はまるで無傷だった。

「いつまでも・・・余裕ぶっこいでんじゃねぇぞ!!」

新たな強者の登場に笑みを抑え切れずにいる天海を見て、さらに炎を爆発させるナツ。そんな彼の周りの炎に、さらに雷が纏わりついてくる。

「モード雷炎竜!!」

炎竜王としての魔力に先に戦ってくれたラクサスの雷でさらにパワーアップする。みるみる力を上げていく彼の姿に、天海もまた力で応える。











「竜魔の砕牙!!」

スタートからトップスピードで突進したシリル。彼の速度は凄まじく、同方向に逃げていたはずのティオスに攻撃をぶつけているのだ。

「これほどまでとは・・・だが!!」

通り過ぎてすぐに切り返してくる敵を見て待ち構えるティオス。彼は圧倒的速度の天使の子の姿を、確実に捉えていた。

「そこだ!!」

カウンターパンチ・・・向かってきていた少年の頬を完璧に捉えてみせると、少年は自らの速度の反動もあり、一時的に脳震盪を起こしてしまう。

「力にお前の思考がついていけてないな」
「!!」

動きが止まり、落ちていきそうになった少年の胸ぐらを掴むと、すぐさま次の一手に出ようとするティオス。

「竜魔神の・・・」

強大な魔力をその拳へと集中させていく。受けてしまえば一溜りもないであろうその攻撃が迫ってきているにも関わらず、少年の体は言うことを聞かない。

「永久ーー」

魔法を放とうとした。しかし、彼の視界は突然揺れ、少年の姿を捉えることができない。

「また・・・これは一体・・・」

視界のぐらつき・・・それに加えて突然の倦怠感が肉体を襲ってくる。その結果、青年は手元に力が入らず、少年を離してしまった。

「シリル!!」
「っ・・・」

幼馴染みの少女の声で、地面ギリギリで体の自由を取り戻した少年は、すぐさま敵へと目を向ける。その肝心な敵は、頭を抑えながらフラフラと地上に降りてくると、開いていた翼が少しずつ小さくなっている。

「くそっ!!」

やけになりつつ口からブレスを放つティオス。シリルはそれをあっさりと弾いてみせた。

「すごいよシリル~!!」
「いける!!いけるわ!!」

魔力による差はない。むしろ押しているとさえ言えるであろう戦いにセシリーとシャルルが手を取り喜びあっている。

「これは・・・なんなんだ・・・」

対するティオスはいまだにボヤけている視界にさらに苛立ちを募らせていく。

「竜魔の咆哮!!」
「!!」

その隙をついたシリルの攻撃が、青年を瞬く間に飲み込んだ。
















「なんだ?ティオスの力が落ち始めている」

その姿を見ていた天界でも、この状況に困惑していた。たった一人を除いて。

「やっぱりね。ティオスの肉体が限界を越えたんだわ」
「限界?」
「どういうこと?ヨザイネ」

少女の言葉に首を傾げるドラゴンたち。彼女は振り返ると、彼らの問いに静かに答える。

「人間は短時間で約3分の1血液を失うと死に至ると言われているわ。そしてそれを回復させるには多くの時間を要する」
「それって・・・」

地上の青年は片腕を失い、大量に血を流している。それも二度もそれを行っているため、失血量は明らかに度を越しているのだ。

「今までティオスに多くの魔導士たちが立ち向かっていったわ。彼らは皆破れていったけど、それは決して無駄ではなかったのよ」

グラシアンやカミューニ、カグラやラクサスといった強大な敵へと怯むことなく向かっていった仲間たち。彼らは誰一人として男を倒すことはできなかった。しかし、それはここで花開くこととなる。

「みんなが与えてくれたダメージ・・・それによりティオスはいつ事切れてもおかしくないところまで来てる!!」

いくつもの戦いを乗り越えてきたティオス・・・しかし、彼は自らの力を過信しすぎていた。一度も破れたことがなかっただけに、全員を容易く倒し続けてきたゆえに、自らの肉体を鑑みることをしなかった。

「そしてシリルはみんなの魔力を宿している!!全員の力で、彼を討つのよ!!」
















「まだだ!!まだ終われない!!」

シリルの魔法を振り払い、なおも向かっていくティオス。その速度はどの魔導士よりも上であることは間違いない。だが・・・

「ヤァァァァァ!!」

全員の思いを背負った少年の前に、それは通じることはなかった。

「そんな・・・バカな・・・」

ぐらつく視界・・・今にも止まりそうな心臓・・・体が水分を欲しているのがよくわかる。

(負けるのか・・・こいつらに・・・)



















「んん・・・」

目を開くと、眩しい光に目を細める。少しずつ慣らしていき、徐々に視界を確保していくと、目の前には懐かしい顔が目に入った。

「ローグさん、久しぶりですね」

ちょっと風貌は変わっており、痩せこけつつあったが、確かにそこには剣咬の虎(セイバートゥース)のローグがいた。その後ろには、震えている人間たちの姿がある。

「ここにいるってことは、ローグさんも死んだんですね」

魔法を失ったシェリアを守るために天海へと挑んだレオン。しかし、この時の彼は力不足・・・様々な依頼をこなし続けていた疲労が祟り、彼を倒すことができずに殺されてしまったのだ。

「レオン・・・そうじゃないんだ・・・」

ここから見える人の数はかなり少ない。まだ戦争の序盤なのかはたまたこの被害で終息させられたのかと思っていると、彼の口から信じられない言葉を告げられる。

「ここにいるのが・・・今の人類の生き残りだ・・・」
「・・・え?」

最初は何を言っているのかわからなかった。次第に意味を理解してくると、生き残っている全員の顔を見る。

「リオンくんもカグラさんもやられたのか!?」
「あぁ・・・ただ、それはアルバレス帝国にではない」

そこからローグが説明してくれた。天海がアクノロギアと戦い命を落としたこと、そのおかげで戦力の低下を起こしたアルバレスに勝利し、ゼレフも命を落としたこと。そのあと、傷を癒したアクノロギアを妖精の球体(フェアリースフィア)に閉じ込めようとしたが失敗したこと。そして、アクノロギアを倒すためにレオンをRシステムを使用し蘇らせたこと。
ただ、レオンはあることが腑に落ちなかった。

「Rシステムを起動させる魔力はどこから?」

Rシステムは27億イデアもの魔力が必要になる。それは大陸中の魔導士が集まっても足りないほどの大きな魔力。ほとんど生き残りのいない現在で、それが集められるとは思えない。

「お前は第三魔法源(サードオリジン)を知っているな」
「ウルティアさんがシェリアにかけた・・・」

未来の力を今に全てを解放する特殊魔法・・・時の魔法を操るウルティアならではの魔法だったが、それが今回のキーになった。

「それを使い、魔力を無理矢理に集めた」
「!?」

第三魔法源(サードオリジン)を解放させた魔導士たちに魔力を集めてもらいようやく27億イデアもの魔力を集めた。だが、レオンはそれで嫌な汗を感じた。

「誰が・・・それを解放したんだ?」

先の魔法でパワーアップすれば永久的に魔力は回復することはない。それなのに、ここにいる人間全員から魔力を感じるのはおかしいことなのだ。
彼のその問いに、ローグは奥歯を噛みながら答えた。

「ウェンディとソフィアが中心になってくれた。自分たちの生命力も使いきってな」
「なん・・・だと?」

自分を生き返られるために大切な友が死んでしまった事実に震えてしまう。それは、次第に怒りへと変わっていく。

「シリルは!?あいつは何をしてたんだ!?」

ローグならシリルが何かしたなら真っ先に彼の名前を出すことはわかっている。それなのに名前が出てこないということは、彼は何もしていないのかと八つ当たりしたくなる。

「レオン・・・お前を蘇らせるための器がシリルなんだ・・・」
「何?・・・」
「アクノロギアに挑んだシリルは敗北し、意識を失った。いつ目覚めるかもわからないなら、いっそのことお前に捧げる肉体にしてしまおうとなって・・・」

その一言で何も反論できなくなる。一番の友は敵に果敢に挑んでいたのだ。それでは責めることなどできるはずがない。

「シェリアは?」
「・・・」
「シェリアはどこにいる!?」

一番自分を理解している幼馴染みがどこにいるのか、それを問いただしても彼は口を開かない。そんな時に気が付いたのだ、少女の匂いに。

「こっちか!?」
「待て!!レオン!!」

シリルの肉体を使ったこと、完全にレオンとして復活できなかったことが幸いしドラゴンのような嗅覚を手にいれたレオン。彼は走り出すと、最愛の少女の匂いのする部屋の扉を開ける。
そこに広がっていたのは、絶望だった。

「うわあああああああああ!!」

切り刻まれた少女の体・・・頭の部分が残っていなければ誰か判別することもできないほどになっている幼馴染みに、絶叫し、涙を流しながら膝をつく。

第三魔法源(サードオリジン)を解放するために、その魔法をかけられたシェリアの体を解剖させてもらったんだ。もちろん!!本人の了承は得ている!!」

怒りと悲しみに体を震わせる彼に対してできる言い訳がこれが限界だった。次に彼がどんな行動に出るのか怯えながら待っていると、意外なことに少年は冷静な表情になっていた。

「アクノロギアはどこだ?」
「こっちだ」

早速彼が戦いに出向いてくれる。それだけで希望の芽が出てくると笑顔を見せる人類。しかし、アクノロギアを見たレオンは開口一番こう告げる。

「俺じゃ無理だな」

ウソだった。レオンなら力をつけていたアクノロギアでも楽勝で倒せる。しかし、この時彼の頭の中にはすでに計画が練られていたのだ。

「エクリプスに魔力を溜めさせろ、力を付ける前のアクノロギアを倒してくる」

この絶望を変えるためと思わせるためのウソ。本当は彼の中には、そんな感情微塵も残っていない。

(過去に行き、アクノロギアを倒すだけでは足りない。この時代にいる人間も、シェリアたちだけを犠牲にしたお前たちの過去も全てを終わらせてやる)

小さな少年少女たちを犠牲にし、自分たちだけは生き残ろうとしていたローグを含む大人たち。彼らを殺すためにエクリプスに魔力を集めさせ、それを使い過去に行き、全人類を殺す。

(そのためにはもっと緻密な計画が必要だ。エクリプスに魔力が溜まるまで、色々調査しよう)

魔力が充分な量溜まるまでの期間を使い過去に何が起こったのかを調べ、自分の意思で行く時代を決めるために時の狭間を掌握したレオン。そこからの彼は、その時代の天海を見つけ出し、多くの国を崩壊させた。
そしてホッパーを使い国王暗殺を企てたように見せかけ、レオンを一時戦闘不能にし回復期間を設けさせ、仲間となっていた天海を殺し、残った雑魚を自らの力で抹殺する。
計画通りだった・・・あと少しで目標にたどり着けそうだった・・・彼の最後の決めごと・・・それは・・・

















(お前たち全員を殺し、俺も死ぬ!!)

地に落ちそうになった彼は、踏みとどまることができた。それでも、いつ命の灯火が燃え尽きようともおかしくない状況に間違いない。

「シリル!!いけぇ!!」

この絶望から解放される。その希望に胸を膨らませる仲間たちの声援。しかし・・・

「くっ・・・」

シリルの魔力も下がり始めていた。

「まだ・・・あと少し・・・」

少年を突き動かすのは、目の前の敵をまもなく倒せるという希望。

「ここを乗り切れば・・・俺の勝ちなんだ」

そして青年を動かすのは、この戦いに勝利し、二人の少年を取り込めば完全に回復し、今度こそ全人類を滅ぼせるという希望。

「俺はここで終われない!!」
「終わらせる!!お前は必ず俺が止めてやる!!」

消えかけていた翼を両者再び最大限まで開かせていく。彼らが持てる全力。それを放つべく魔力を高めると、全く同じタイミングで敵へと飛び込む。

「滅竜奥義改!!」
「滅神奥義!!」

勝負を決する最後の一撃。全身全霊を賭けた二人の拳が・・・

「水中天嵐舞!!」
「絶対零度!!」

正面から衝突した。

彼らの力は拮抗しており押し合いになる。どちらが勝ってもおかしくないつばぜり合いだったが、最後に勝ったのはドラゴンの力だった。

バキッ

青年の残された最後の腕があらぬ方向へとねじ曲がり、消し飛ばされる。防御の術を失くした彼に、容赦なく少年の拳が突き刺さった。

「バカ・・・な・・・」

絶命寸前の出血量に追い討ちをかけるように腕を失った。普通だったらこれで完全に意識を失い、死に至ることだろう。
が!!この男はそれでもなおも踏み留まった。

「負けられない・・・俺は・・・」

両腕を失いいつ息絶えてもおかしくない状況の青年は、頬を大きく膨らませ戦いを挑もうと攻めてくる。

「負けられないんだぁ!!」

最期の攻撃。これで仕留められなければ希望が完全に断たれる。そんな思いの中放たれたブレスは瞬く間に少年を飲み込む。

「シリル!!」

少女の絶叫。そうなるのも無理がないほどの威力のブレス。それに飲み込まれたはずの少年は・・・









その攻撃を突っ切り、ティオスの前へと現れた。

「そんな・・・」

もう自分には力が残されていない。それなのに目の前の敵はなおも突き進み、自らの間合いに入ってきていた。目に涙を浮かべながら。

「さようなら、未来の俺たち」

手刀が彼の首に傷を付ける。そこからは噴水のように赤い液体が吹き上がった。

(もう・・・意識も保てない・・・それでも・・・)

こいつらを殺したい。そんな感情が沸き上がる彼の中から、一人の懐かしい声が聞こえる。

『もういいんだよ、レオン』
「シリ・・・ル・・・」

その声ですぐにわかった。目の前にいる別の時代の少年ではない、共にふざけ、共に笑った親友の声に。

『ごめんね、お前一人に全部背負わせて』

目の前の少年のように涙ながらに声をかけてくる親友。しかし、それでも彼は納得できなかった。

「それでも・・・俺は・・・」
『お前がアクノロギアを倒してくれたおかげで、この時代の俺たちは幸せになれる。それでいいじゃないか』

人類の最大の脅威は取り除かれている。もう自分たちを襲ったような絶望の未来は訪れない。

「でも・・・でもさぁ・・・」
『うん・・・レオンの言いたいことはよくわかるよ』

薄れ行く意識の中、それでも青年は納得できずに涙を流す。その理由を、一番の友はよくわかっていた。

「『そんな幸せになれる未来があるなら、俺たちに少しぐらい分けてくれたってよかったじゃないか』」

地面に背中から着地すると、その衝撃により完全に意識が飛んでしまうティオス。静かに閉じられたその瞳は、二度と開くことはない。

「勝った・・・?」

遠目から見ていた魔導士たち。彼らは完全に動きを止めた相手を見て、顔を見合わせた。

「ハァ・・・ハァ・・・」

そして、最前線で戦っていた少年が翼を消し、その場に座り込んだことで勝敗が決したことを確信した。

「やった・・・」
「「「「「やったぞぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」

人々に絶望を与え続け、苦しませ続けてきたティオス。その最凶最悪の敵を倒したことに彼らは喜びを爆発させた。

「勝った!!勝ったんだ!!」
「これで残すは天海のみ!!」
「ナツ!!あとは・・・」

残る一つの戦い。それを見届けようと全員がそちらに視線を向ける。きっと彼なら勝利を納めてくれる。今までだってずっとそうだったのだから。そんな期待に胸を膨らませ、そちらに視線を向けると・・・

「がはっ・・・」

そこには敵のアッパーパンチを食らい、宙に浮き上がる火竜(サラマンダー)の姿があった。

「え・・・」
「そんな・・・」

傷を癒したはずなのに、その時以上にボロボロになっているナツ。彼が地に落ち、動かなくなった姿を見た人類は、希望が絶望に変わっていくのを感じた。

「ティオス・・・」

全員の力を体内に宿し挑んだナツ。そんな彼を倒した天海の目に映るのは、動かなくなっている最大のライバルの姿。彼はその姿に、果たして何を思っているのだろうか。





 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
無事にティオスが倒されましたが・・・なんだか重たいお話でしたね。てか今回の章重たい話が多かった気がする・・・
次でバトルは今度こそラストです。ちょっと1話押しましたが今度こそ大丈夫です。次回もお楽しみに( ´Д`)ノ 
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