ソードアート・オンライン∼もう一人の英雄∼
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
九話 迷宮区
結局、アスナとキリト、コンビ作戦は失敗してしまったから今は四人で仲良く歩いている。
迷宮区へと続く森の小道で、僕等がほのぼのとおしゃべりをしているとなにやら索敵スキルの範囲にプレイヤーが(しかも大群)入って来た。
さすがのキリトさん、気が付いた様で
「その辺に隠れてやり過ごそう」
と言い出した。
索敵スキルで十二人もプレイヤーがいたことをアスナとアクに言うと
「わかったわ」
「……了解」
と潔く承諾してくれた。
でも、問題は………
「僕等は隠蔽ボーナスの高い、緑色の大きいマントを持っているからいいとして、アスナはその格好、どうするの?」
僕がそう言うとアスナは
「あ……」
と自分の格好を見ながら呟く。
しばしの沈黙。
沈黙を破るようにアクが
「……キリトのその服、多分隠蔽ボーナス高いでしょ。
向こうの灌木の茂みに隠れといて。私たちは、こっちの茂みに隠れとくから」
そう言うとアスナとキリトを残してとっとことっとこ行ってしまうので慌てて僕もついていく。
チラッと後ろを振り返ると、二人も茂みに隠れようとしているところだった。
僕等も隠れるのに丁度いい場所を見つけ、隠れた後、
ストレージから緑色のマントを取り出した。
「……あ」
今度はアクが呟いた。
「……緑マント、家に忘れた」
そう言うので、僕とアクは二人仲良くマントの中に入った。
……ちょっと恥ずかしいや。
結局、道を通っていたのは『軍』の人たちだった。
正式名称『アインクラッド解放軍』……だったはず。
まあまあ滅茶苦茶なギルドみたいだ。……たしか、あの人たちが迷惑がっていたな。
軍の人達の姿が見えなくなって、キリト達が茂みから出て来た。
それについていくように僕等も迷宮区の入り口を目指した。
四人で迷宮攻略は邪魔しあうし、何より元々小規模パーティのアクとソロのキリト。
大規模ギルドのサブリーダー、アスナの三人とじゃあ実力が邪魔しあうばかりだ。
と僕が言ったことでニ:ニに分かれて攻略することになった。
うん。これで良し。
地味にアスナとキリト二人にしているのに気付いたアクは真っ先に僕の意見に賛成してくれた。
「ふるるるるぐるう!」
いつも通り出てきてくれた骸骨の剣士さん。
いとも簡単に四連撃の《バーチカル・スクエア》を避けたアクはそのままお返しとして
《バーチカル・スクエア》を放った。
何故すべての四攻撃を避けれるのか。本人曰く
「……剣筋がそんなに速くないから、ロアでも避けれるっちゃ避けれる」
とのことだとか。
「……あ」
突然、アクが声を上げた。
「ん?」
僕もアクの視線の先を追ってみると……黒い服着た男の子と赤と白の制服を着た女の子が全速力で(敏捷度パラメーター全開で)こちらに疾風の如く走って来た。
うん。もう分かったよね。そう。キリトとアスナだ。
道を開けてあげたあと、キリト達が走って来た方向を見た。
『この先に何があるんだろう』
と言いたげなアクの目を見た僕は、自分の好奇心とアクの上目ずかいに勝てず、
「と、とりあえず、キリト達が走って来た方向の方、行ってみよっか」
そう言うと、心なしかアクが喜んだ気がする。
二人でまた前へと進んだ。
……このあと悲劇が待ち受けると知らずに
後書き
ロア「この頃、僕の名前がそんなに出てこないと思っていたけど、気のせいだったかな」
アク「…………うん。……多分」
じとーーーーーー(ロアとアクが狼を見つめる音)
狼「き、きききき気のせいだよ。きっと、いや、絶対」
アク「……なんか斬りたい(ボソッ」
ロア「僕も(ボソッ」
狼「二人して怖い事言わないでもらえます?僕が怖いんですよ」
ロア・アク「「斬ってあげる」」
狼「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ページ上へ戻る