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夢幻水滸伝

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第百四十三話 近代兵器に対してその十二

「戦っていこうね」
「それじゃあね」
「まずは冷やして」
 自分達の氷系の術でというのだ。
「そしてね」
「熱する」
 尾崎は炎系の術の話を出した。
「そうしていけば」
「どんな装の艦艇でも一撃だよ、いや二撃か」
「術は二度使うから」
「そうなるよ、ではね」
「よし、ここは」
「術を使ってそのうえで」
「そちらでも攻めていこうか」
 こう言ってだった、実際に。
 尾崎はまずは敵の巡洋艦に試しの形で氷の術を放った、レベル一の術とはいえ星の者が使うと威力は相当なものだが。
 術が効いたのは艦の一部だった、例え氷点下百五十度にまで一瞬で冷やされたにしても。
 だがここで尾崎は今度は火の術を放った、巡洋艦の同じ部分に激しく燃える炎がぶつけられると。
 冷気から熱を受けてだった、巡洋艦のその部分が砕けた。尾崎はそれを見てまた又吉に話した。
「いけるね」
「そうだね。やっぱり金属はね」
「石もそうだけれどね」
「一気に冷やした後で熱すると」
「簡単に壊れるよ」
「面白い位脆くね」
「この世の中に無敵のものはない」
 尾崎はこうも言った。
「例えどんなものでもね」
「それが近代兵器でも」
「そう、無敵のものはね」
 まさにというのだ。
「何一つとしてないよ」
「どんなものでも弱点があって」
「攻略方法があるってことだよ」
「その通りだね」
「だから」
 それ故にというのだ。
「こうして戦うこともね」
「やっていこうか」
「敵艦艇はまだまだ多いけれど」
 それでもというのだ。
「こうしてね」
「沈めるか動けなくしていけば」
「やがてはね」
「こっちより数が減っていく」
「そうなるから」
 だからだというのだ。
「ここはね」
「地道に倒していこうか」
「そうしていこう」
「わかったよ」
 二人で話してだった、敵の戦艦も他の艦もだった。
 氷と炎のそれぞれの術の複合攻撃も使ってだった、確実に沈めるか動けなくしていっていた。ホーソーンはその状況を見て苦い顔になった。
「まずい、このままやとな」
「そっちの水軍は壊滅的な事態になるでおじゃるな」
「せめてわいが行ければ」
 アメリカ軍の水軍を預かる者としての言葉だった。
「よかったが」
「それは出来るでおじゃるか」
「出来ん」
 相手に苦い顔のまま返した。
「自分と闘ってるさかいな」
「そうでおじゃるな、麿も」
 ホーソーンと闘う夏目は彼に強い声で返した。
「勝つつもりでおじゃるよ」
「それでわいと闘ってるな」
「そうでおじゃる、闘うなら」
 それならというのだ。
「麿もでおじゃる」
「全力で闘って」
「勝たせてもらうでおじゃる」
「そうやな」
「そして水軍の方もでおじゃる」
「行かせんな」
「その為にもここにいるでおじゃる」
 ホーソーンと闘っているというのだ。 
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