夢幻水滸伝
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第百四十三話 近代兵器に対してその四
「比べてもな」
「負けてないからね」
「だからな」
「それでだね」
「こっちも攻めるぜ」
「そうしていくね」
「アメリカ軍の技術は確かに凄いぜ」
自動小銃も他の武器もそうだった、アメリカ軍のそれはかなり質がいい。剣や盾にしても並の冒険者が持つものの中ではかなりのものとされている鋼鉄のものが標準だ。
そして軍服もだった。
「軍服も錬金術が入ってるな」
「いいものだね」
「素早く動けてな」
それに加えてだ。
「防御力もある」
「そんなものだね」
「ちょっとやそっとじゃねえぜ」
「そっちの質も凄いね」
「ったくよ、何から何までな」
「いいもんだよね」
「全くだぜ、しかしな」
それでもとだ、幸田は麻友に笑って話した。
「戦ってのは技術と数、物量は大事でもな」
「それでもだよね」
「それが全てじゃねえ」
「勝てる方法はあるね」
「そうさ」
まさにとだ、幸田は強い声で答えた。
そのうえで日本軍のモンスター達を美奈代の指揮の下獣使い達に動かさせた、彼等をアメリカ軍の右に動かしてそこからだった。
突撃を仕掛ける、そこに宮沢を向かわせて貝殻から彼に言った。
「手前はそこから攻めるんだ、いいな」
「そうしてだな」
「ああ、つかず離れずでな」
「攻めていって」
「敵の横を乱すんだよ」
「わかったですだ」
宮沢は幸田に答えた。
「そう攻めますだ」
「ああ、獣の采配はな」
「私ですね」
美奈代は宮沢と貝殻で話す幸田にテレパシーから言ってきた。
「牧童やさかい」
「牧童は獣使い程やないがな」
「獣動かせますから」
「それでや」
その為にというのだ。
「頼むで」
「わかりました」
「アメリカ軍にはオコナーがおるが」
獣使いの彼がというのだ。
「けどや」
「そのオコナー君は」
「正宗と一騎打ちをしてる」
「それで動けん様にしたさかい」
「モンスターや獣の動きはな」
アメリカ軍はこちらも多い、しかも強い獣やモンスターも多い。
だがそれでもだとだ、幸田は言うのだった。
「かなり落ちてる」
「そやからこっちは」
「確かな采配モンスターや獣を使って」
「そうしてや」
そのうえでというのだ。
「戦ってくで」
「そうしていきますね」
「そういうことや、そしてや」
「敵の獣やモンスターよりも」
「戦ってもらうで」
「わかりました」
美奈代は幸田のその言葉に応えた。
「ほな」
「あんたは本来戦向きやない」
幸田は美奈代のこのこともわかっていた、職業は牧童であり日本の内政で牧畜業を担当しているからだ。
「しかしな」
「今はですね」
「戦だ」
「戦に出ているさかい」
「出来ることをやってもらうぜ」
こう言うのだった。
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