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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第3部~希望と絶望の宝石~
  第3話『もう何もこわくない』

「この空間、もしかしてこれが資料で読んだ魔女の結界?」
「おまえ、あの魔女のグリーフシードが狙いか!?やらせねえぞ!」
「それが一週間くらい前に、凛子ちゃんから連絡があった。なんでも、突然人が行方不明になる事件が多発しているって。俺と仁藤は急いで帰国し、公安0課と連携を取り、何とかその発生源を発見し、そこで初めて魔女と出会った。」
「俺は操真晴人。フェイトちゃん、よろしく。」
「俺は仁藤攻介。魔法使いってことは俺のライバルがさらなる増えたってわけか。」
「これで少しは変化のある結果が見られるといいな。」

─装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─

「リンディ長官、現地での協力者の確保に成功しました。対象は本来の世界で起きる災厄、『ワルプルギスの夜』について確かな情報を持っているため、この事件の黒幕の撃破に貢献してくれる可能性が高いです。そこでお願いがあるのですが…」
“何でしょうか?”
「対象と共に行動するために、マシンディローダーをこちらに転送していただけませんか?」
“解ったわ。少し待っていてもらえますか?”
「はい。了の面倒までみてもらっているのに、その上こんなことまで頼んでしまってすみません。」
“いいのよ。それじゃあ、転送の準備が出来たらまた連絡するわ。”
「ありがとうございます。それでは、失礼しました。」
雅はリンディとの連絡を切る。
「貴方、ワルプルギスのことまで知っているのね。」
「言ったはずです、調べてから来ていると。当然、この事件を裏で操っている奴らのことも。」
ほむらの部屋で雅とほむらは話している。
「そう、それでその黒幕とやらは何者かしら?」
「暁美さんも大方予想が出来ていると思いますが、黒幕の正体はインキュベーター、この星でキュゥべえと名乗り行動している地球外生命体です。」
「やはりね。目的は恐らくより多くの絶望のエネルギーを集めることね。」
「暁美さんもそこまで掴んでいましたか。ただ、どうしても解らないことが一つありまして。奴はどうやって、多次元世界とアクセスすることが出来たのか。」
「そうね、それは私も気になっていたわ。」
ほむらが話していると、雅の携帯にリンディから連絡が入る。
「はい。」
“凪風国家象徴、マシンディローダーの準備が出来ました。”
「わかりました。僕のいる座標に直接転送してください。」
“わかりました。”
リンディはマシンディローダーを雅の所に転送した。
「ありがとうございますリンディ長官。マシンディローダー、転送が完了しました。」
“それでは国家象徴、お気を付けて。”
リンディは通話を切る。
「それで、さっきから出ている国家象徴って何かしら?」
「自己紹介が遅くなくってすみません。僕は凪風雅、こことは違う多次元世界、多次元統合国家の次元保護国の国家象徴になっている者です。」
「あら、国の象徴がわざわざ危険な場所に来るのかしら?」
「これが、僕の仕事みたいなものだから。っと、ファントムが現れたみたいだ。行こう、暁美さん。」
「わかったわ。」
雅はマシンディローダーに乗り、ほむらも後部に乗る。
「しっかり掴まっているんだ。」
雅はマシンディローダーを走らせて現地に向かった。

「私はファントムのケルビム、貴様らのような下劣な者共は絶望し、偉大なファントムの餌となるのが一番だ!」
鳥と獅子の意匠を持つ天使のようなファントム、ケルビムは杖を振るい、人々を攻撃している。
「見つけたぞ、ファントム!」
【CHANGE RIDE-ALTERING-】
雅はディロードライバーをオルタリングに変える。
「行こう、暁美さん。変身!」
雅は仮面ライダーアギト バーニングフォームに変身し、ほむらも戦闘態勢に入る。
「このケルビム様に勝てるものか!」
ケルビムは杖を使って応戦する。
「ハッ!」
アギトはオルタリングからシャイニングカリバーを出現させ、シングルモードに変えてケルビムに斬りかかるが、ケルビムは杖でそれを押さえるとアギトを蹴り飛ばす。
「さて、そこの魔法少女には絶望して新たなファントムを生み出してもらおうか!」
ケルビムはほむらにエネルギー波を放つが、ほむらは時間停止を行ってそれを避ける。
「ええい、ちょこまかと避けやがって。まあいい、そこの仮面ライダーもゲートみたいだ。お前に絶望してもらおうか。」
ケルビムは対象をほむらからアギトに変える。
「これでどうだ!」
ケルビムは杖を振り下ろすが、アギトはシャイニングカリバーでそれを防ぐ。
「何っ!」
「悪いな!仮面ライダーは、決して諦めたりしないんだ!」
アギトの装甲は光を浴びて剥がれてゆき、アギトはシャイニングフォームに変化する。
「一気に決めるぞ!」
アギトはシャイニングカリバーを双剣のツインモードに変える。
「くらえ!シャイニングクラッシュ!」
アギトはシャイニングカリバーを振り翳す。
「くらうものか!」
ケルビムは杖で防ごうとするが、シャイニングカリバーを一閃に杖は完全に破壊され、シャイニングカリバーの斬撃を見事にくらい、
「暁美さん、今です!」
「わかったわ。」
ほむらは時間停止を行い、ロケットランチャーでケルビムを狙撃すると、時間停止を解除し、ケルビムは爆散する。
「これで、穢れが祓えるわ。」
ケルビムの粒子はほむらのソウルジェムに蓄積された穢れを祓う。この世界の魔法少女達は戦えば戦うほどそのコアであるソウルジェムに穢れが溜まり、限界まで迎えると魔法少女として活動出来なくなるのである。
「どうやら、出遅れちゃったみたいね。」
そこにマミが現れる。
「あら、あなたはこの間の。そう、暁美さんと合流したのね。」
「一番事の重大性を理解していますので。」
「あら、本当にそうかしら?ファントムを一人で倒せないから、ファントムの魔力を必要としない人に頼りきりになっている。そういうの、いじめられっ子の考えよ。」
マミは余裕な表情を見せる。
「いじめられっ子の考えね…君は何も解っていない。人は誰だって何かに頼る。案外、そこの民間人を連れているのも、自分が孤独だと思いたくないからなんじゃないか?だとしたら、そんなことに巻き込まれた民間人はいい迷惑だな。」
雅は挑発する。
「言わせておけば!マミさんはお前達とは違う!」
青い髪の少女、美樹さやかは反論する。
「美樹さん、暁美さん達と同じレベルで話しちゃダメよ。それより、ファントムが倒されたなら用はないわ。今日のところは帰りましょう。」
マミはさやか、そしてこの世界の主人公である鹿目まどかを連れて去る。
「暁美さん、彼女が暁美さんの守りたいまどかさんですか。」
「まどかは迷っているだけ。きっと解ってくれるはずよ。まどかが魔法少女になると、多くの悲劇が生まれるってことに。」
「今は見守るしかないか。」
雅とほむらもの帰る。

翌日、新たなファントムの反応が現れる。
「少し遠い、すぐに向かおう。」
雅とほむらは現場に向かう。
「おお~、ここはこのキルケ様の実験場に相応しそうだ。」
魔女のような出で立ちのファントム、キルケは笑いながら爆発性の薬物をばら撒く。
「そこまでだ!」
そこに雅とほむらが現れるが、
「あら、あのファントムを最初に見つけたのは私達よ。」
既にマミがいた。
「君か。何故共闘しようと考えることが出来ないんだ?」
「ソウルジェムを持たないあなたには解らないと思うから言っておくわ。ファントムを倒して、ソウルジェムの穢れを祓えるのは一人だけなの。恩恵を得られない方はただの徒労に終わるの。」
「なるほどね、ファントムや魔女を倒すのは、人々の平和や安全のためではなく、個人の我欲でしたか。」
雅は呆れながらロードスラスターを構える。
「目の前で泣き叫ぶ人々のことが見えない君に、正義を名乗る資格は無い。」
雅はキルケに向かおうとするが、
「あれは私の獲物よ!」
マミは雅とほむらを拘束魔法で捕らえる。
「くっ!」
「見ておくことね。私は暁美さんと違って、一人でもファントムを倒せることをね。」
マミはマスケット銃を出現させてキルケに向かいながら突進する。
「待て!一人では危険だ!」
雅は止めようとするがマミはいうことを聞かず、キルケを攻撃する。
「マズいな。いや、本来あるべき歴史通りではあるが…」
「どうしたの?」
「おそらく、巴マミはこの戦いで死ぬ。その実力が慢心を生んで。」
「なら、ますますもって止める必要があるはずよ。」
「いや、巴マミが死ぬのはこの世界において必要なこと。言ったはずだが、僕の使命は歴史を正しく進ませ、邪魔になる要因を排除すること。今は、例え嫌でも巴マミが死ぬまで待つしかない。」
雅とほむらが話している頃、マミはキルケに善戦していた。
「ちっ、これならどうだ!」
キルケは複数の石を投げ、下級魔族のグールを召喚する。
「その程度かしら?」
マミはグールをマスケット銃で狙撃し、撃破してゆく。
「体が軽い。もう、何もこわくない!」
マミはあっという間にグールを殲滅し、魔法で巨大な砲台を出現させる。
「ティロ・フィナーレ!」
マミは必殺の砲撃を放ち、キルケに直撃する。
「馬鹿な!そんな!」
キルケは断末魔をあげて爆発する。
「ほらね、私一人でもファントムは倒せるの。解ったら…」
マミは自信満々に言うが次の瞬間、爆炎の中から何かが現れ、マミ目掛けて走り出す。
「マミさん、後ろ!」
さやかが気付きマミに知らせるが既に遅く、マミが振り向いた瞬間にその何かはマミの頭部を丸呑みし、首を食いちぎってマミの体を骨一本残さずに捕食してしまった。
「嘘…マミさんが…マミさあぁぁぁん!」
さやか達が怯えていると、雅達を捕らえていた拘束魔法は、使い手を失ったことで溶けて消えてゆく。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「行くぞ、暁美さん。変身!」
雅はディロードに変身し、ほむらも戦闘態勢に入ってさやかに襲いかかろうとするキルケの残滓、キルケ・レムナントの横腹を攻撃して突進を妨害する。
「一気に片付けるか。」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「ディメンションヒストリー!」
ディロードはディケイドを除くクウガからフォーゼまでの12人のライダーと共に必殺キックを放ち、
「暁美さん、今だ!」
「解っているわ。」
ほむらはキルケ・レムナントの口に大量の手榴弾を投げ込み、キルケ・レムナントを撃破させ、その魔力でソウルジェムの穢れを消し去ると、雅とほむらは変身を解除する。
「待て!さっきの魔力はマミさんのだ!」
去ろうとする二人にさやかは怒りをぶつける。
「現実を受け入れるんだ。巴マミはファントムのキルケによって殉死した。」
「けどマミさんは、お前達と違って正義のために戦っていた!」
「彼女のどこが正義だ?」
「みんなが平和に暮らせるように、ファントムと戦っていた!」
「それは僕達も同じだ。だが、彼女は自分が倒すことに拘り、その結果ファントムに捕食された。」
「それは、あいつが卑怯な手段を使ったから!」
「いいかい、この戦いはスポーツじゃないんだ。最終的に敵を殺すまで続く。ソウルジェムの回復を確認しなかった彼女の慢心が、自身の死を招いた。この現実が受け入れられないなら、この件から手を引く方がいい。」
雅とほむらはさやかとまどかから去って行った。
to be continued.

次回予告
「ウィザードの世界で漸くファントムと出会えたけど、何か様子がおかしい。次回、『蛇と火の鳥』」 
 

 
後書き
新カード紹介
オルタリング:ディロードライバーをオルタリングに変えて、仮面ライダーアギトに変身するためのカード 
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