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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第3部~希望と絶望の宝石~
  第2話『新たなる絶望』

「暁美さん、ここは一旦退きましょう。」
【ADVENT】
シザースはほむらの手を引きながら逃走する。
「それなら大丈夫よ。」
ほむらは時間停止の魔法を発動する。
「確かに、その方が有効だな。」
雅も変身を解除し、二人はその場から撤退した。

─魔法の指輪、ウィザードリング。今を生きる魔法使いは、その輝きを両手に宿し、絶望を希望に変える─

「ここが、仮面ライダーウィザードの世界…」
ウィザードの世界に到着したフェイトは辺りを見渡す。
「見たところ、問題は無さそうだけど…っ!?」
フェイトが探索していると空間が歪曲し、フェイトはいつの間にか不気味な空間に迷い込んでいた。
「この空間、もしかしてこれが資料で読んだ魔女の結界?」
フェイトは魔女の結界の中を歩き続ける。すると、
「これが…魔女…」
フェイトの目の前に結界の主である異形、星占いの魔女が現れる。
「ゥアアアーーー!」
星占いの魔女は悲鳴にも聞こえる叫び声をあげると、星型の小さな異形の軍勢、使い魔を召喚する。
「バルディッシュ、久しぶりの出番だね。」
フェイトがバルディッシュを取り出すと、
“エンゲージ!プリーズ…”
エンゲージウィザードリングの力を使い、晴人と仁藤が結界の内部に入って来る。
「おい、仁藤!人が囚われているぞ。速く片付けるぞ!」
“ドライバーオン!プリーズ…”
「おい!皆まで言うなよ!ってかあいつ、どっかで見たことがある気がするんだよな…」
“ドライバーオォン!”
晴人と仁藤はベルトを出現させる。
「変身!」
“フレイム!ドラゴン…ボー!ボー!ボーボーボー!”
「変~身ッ!」
“L!I!O!N!ライオーン!”
晴人はウィザード フレイムドラゴンに、仁藤はビーストに変身する。
「さあ、ショータイムだ!」
「さて、食事の時間だ!晴人、解っているよな!」
「ああ、グリーフシードはお前にくれてやる。」
二人は武器を構えると、使い魔達を撃破してゆく。
「私も加勢します!バルディッシュ・アサルト、セぇーットアーップ!」
フェイトはバリアジャケットを纏い、バルディッシュをサイズモードに変えて使い魔達をなぎ倒してゆく。
「あんた、魔法使いだったんか!?」
ウィザードは驚く。
「おまえ、あの魔女のグリーフシードが狙いか!?やらせねえぞ!」
ビーストはフェイトにダイスサーベルを向けるが、
「危ないっ!プラズマランサー!」
フェイトはビーストの背後に迫ってきていた使い魔を弾魔法で撃破する。
「使い魔は私に任せてください。お二人は魔女本体をお願いします!」
フェイトは共闘の姿勢を示す。
「だってよ、よかったな仁藤。それじゃ、そろそろフィナーレだ!」
“チョーイイネ!スペシャル!サイコー!”
「オッケー!さあ、メインディッシュだ!」
“キックストライク!”
「行くよ、バルディッシュ。雷光一閃!プラズマザンバー!」
フェイトのプラズマザンバーが使い魔を殲滅し、無防備となった星占いの魔女にビーストの必殺キック、ストライクビーストが放たれ、弱った所にウィザードのドラゴフレイムが放たれ、星占いの魔女は撃破され、星占いの魔女はその核であるグリーフシードを残して撃破されると、主が消えたことで結界は消滅する。
「さてキマイラ、いつもの食事だ!」
仁藤はグリーフシードを拾い上げ、グリーフシードをビーストドライバーに近づけると、ビーストドライバーに封印されているファントム、ビーストキマイラはその中の魔力を捕食する。
「あの、それは危険なものですので…」
フェイトは仁藤に注意しようとするが、
「ああいい!皆まで言うな!言いたいことは解る。けど、このグリーフシードってやつに残っている魔力は俺が飼っているキマイラの食料としてすごく役立つんだ。だから、こいつは渡せない。たとえ次元保護国のお偉いさんでもな。」
仁藤はフェイトの素性を知りながらもそれを拒絶する。ビーストのシステムはウィザードの基礎となるアーキタイプであり、ファントムと契約することで契約者にビーストキマイラの魔法と力を与えるが、代償としてビーストキマイラに魔力を与え続けなければその命が尽きてしまう諸刃の剣と言えるシステムである。
「あの、私のことを知っているのですか?」
「おい仁藤、次元保護国ってなんだ?」
仁藤はフェイトと晴人から質問を受ける。
「待て待て、まずは晴人の方から答えるが、次元保護国ってやつは確か数年前に出来た複数の世界の統合国家だって記憶している。俺もその頃はまだキマイラと出会う前で、なんかのニュースでちょろっと聞いて、その時にあんたが優秀な警官だって聞いた。今回も、この世界からファントムが消えて、代わりにこの魔女とかいうのが出てきたことで捜査しているんだろ?」
仁藤は二人の質問を上手く纏めて答える。
「はい。それで、状況を詳しく知りたいのですが。」
「俺は今から7年半くらい前にオーガっていうファントムを倒して、これまで世界各地に散らばったファントムを倒して回っていた。それが一週間くらい前に、凛子ちゃんから連絡があった。なんでも、突然人が行方不明になる事件が多発しているって。俺と仁藤は急いで帰国し、公安0課と連携を取り、何とかその発生源を発見し、そこで初めて魔女と出会った。」
晴人は説明しながら回想する。

「なんだあれ?今までに見たこともないファントムだな。」
晴人が驚いていると、
“晴人よ、奴は我らファントムとは異なる者。むしろお前達魔法使いに近い。どのようなことを行うか我にも検討がつかない。”
晴人の心象世界(アンダーワールド)に巣くうファントム、ウィザードラゴンは晴人に忠告する。
「ヒャハハハハハ!」
目の前の魔女、虐殺の魔女は奇声のような笑い声をあげると使い魔を呼び出す。
「仁藤、ぼーっとしている余裕はないみたいだな。」
“ドライバーオン!プリーズ…”
「そうみたいだな!」
“ドライバーオン!”
「変身!」
“ウォーター!プリーズ…スイ~スイ~スイ~スイ~!”
「変~身っ!」
“L!I!O!N!ライオォン!”
「さあ、ショータイムだ。」
「さあ、ランチタイムだ!」
“ドルフィ!ドドッドッドッドルフィ!”
ビーストはドルフィマントを装備する。
「だったらこっちも!」
“コピー!プリーズ…”
ウィザードは分身する。
「こいつら、結構手強いな!」
ウィザード達は使い魔を必死に倒してゆくが、虐殺の魔女が笑うと使い魔は次から次へと現れる。
「仁藤、お前はあのデカい奴をやれ!」
“ウォーター!ドラゴン…バシャバシャザバーン!ザブーンザブン!”
ウィザードはウォータードラゴンにスタイルチェンジする。
「フィナーレだ。」
“チョーイイネ!スペシャル!サイコー!”
“チョーイイネ!ブリザード!サイコー!”
ウィザードはスペシャルの魔法でウィザードラゴンの尻尾、ドラゴテイルを出現させ、それに凍結効果のあるなぎ払い、ドラゴンブリザードを放ち、使い魔達を一掃しつつ、虐殺の魔女を凍結させる。
「仁藤、今だ!」
「オッケー!さあ、メインディッシュだ!」
ビーストはダイスサーベルのルーレットを回転させ、ドルフィウィザードリングをセットしてルーレットを止める。
“シックス!ドルフィ!セイバーストライク!”
「ぅおらあっ!」
ビーストのセイバーストライクによって、六つのイルカ型のエネルギーが虐殺の魔女を貫き、虐殺の魔女は撃破され、結界は消滅する。
「結界が、消えた?」
晴人達は不思議に思いながら変身を解除する。
「ん?なんだこれ?」
仁藤は虐殺の魔女のグリーフシードを拾い上げる。すると、
“仁藤攻介、その魔力の塊、何やら美味しそうだ!食べさせてもらえぬか?”
ビーストキマイラはグリーフシードに興味を示す。
「どうする晴人?」
「とりあえず、これの形さえ残れば、後は食ってもいいんじゃないか?」
「だってよ、ほら!」
仁藤はビーストキマイラにグリーフシードを与えると、グリーフシードの殻を残して内部の魔力を吸い取る。
“これ以上は食い切れん。あとはくれてやる。”
キマイラは今まで倒したファントムの魔力を食べ残したことはない。かつてヘルヘイムの果実を食べた時も、全て平らげていた。
「どうしたキマイラ?お前が食い残しをするなんて珍しい。」
“その中の魔力、どうにも我らファントム以上の深い絶望の力で構成されているようだ。いざという時のために残しておけ。それまでの間に研究でもなんでも好きにするがいい。”
ビーストキマイラはそう言うと眠ってしまう。

「それから、俺達の町に魔女と暫定的に名付けられた奴らが現れるようになった。」
晴人はフェイトに説明した。
「確かにあの敵の種属は魔女と呼ばれています。実は、本来魔女のいた世界にファントムが現れて、代わりにその世界から魔女が消えました。」
フェイトは晴人達に事情を説明する。
「つまり、俺達の世界のファントムを何者かが魔女のいた世界に送り込んで、魔女を代わりにこの世界に連れ込んだってことか。」
「はい。魔女がいた世界に現れたファントムの方は、現在私の夫が対処しています。」
「そうか、それは心強そうだな。で、君の名前は?」
「私は、フェイト・テスタロッサ。次元保護国警察警部です。」
「俺は操真晴人。フェイトちゃん、よろしく。」
「俺は仁藤攻介。魔法使いってことは俺のライバルがさらなる増えたってわけか。」
三人が自己紹介をしていると、それを遠巻きに見ている影が一つあった。
「なるほど、グリーフシードの魔力はファントムの魔力以上。だとしたら僕達がファントムと協力する利点は無かったわけだ。でも、一応彼との契約もあるから、ここは少し様子見をしよう。何より、海鳴市で戦闘を行った魔法少女がわざわざ来てくれたのはいい誤差だった。もっとも、僕達の世界に行くことは自殺行為か。これで少しは変化のある結果が見られるといいな。」
その白い動物、キュゥべえは足音一つ立てずに去って行った。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「そういうの、いじめられっ子の考えよ。」
「このケルビム様に勝てるものか!」
「仮面ライダーは、決して諦めたりしないんだ!」
「マミさぁぁぁん!」
「この現実が受け入れられないなら、この件から手を引く方がいい。」
次回『もう何もこわくない』 
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