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八条学園騒動記

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第五百七十三話 舞台のトラブルその六

「もう連合の中で小国の中の小国で」
「軍隊の規模もか」
「本当に小さい筈ですよ」
 洪童にも話した。
「それで装備も小国ですから」
「韓国よりもか」
「絶対に質が落ちますし」
 連合と一口に言って三百以上の国が存在し小国も多い、小国はどうしてもそうした面では落ちるのだ。
「連合の軍隊ですから」
「訓練もあまりしていなくてな」
「市民つまり僕達との交流とか災害救助ばかりで」
「絶対に災害救助の方が得意だよな」
「実戦よりも」
 むしろ連合では軍隊の主な仕事は災害救助と考えられている程だ、こちらの経験は非常に豊富であるのだ。
「そうなっていて」
「それでだな」
「はい、本当にです」
「キリバス軍もな」
「もう絶対にです」
 このことはというのだ。
「強くないですよ」
「やっぱりそうだよな」
「ちなみに僕アッシリア出身ですが」
 部員は自国のことも話した。
「アッシリア軍も強くないですからね」
「そっちの方もか」
「昔は強かったんですけれどね」
「昔って何時だ」
「最初の頃です」
 アッシリアのというのだ。
「紀元前の」
「そんな大昔のこと参考にならないだろ」
 流石にとだ、洪童はいぶかしむ目になって部員に言葉を返した。
「流石に」
「駄目ですか」
「そりゃアッシリアのことは知ってるさ」
 その歴史はというのだ。
「紀元前に大帝国になったよな」
「はい、メソポタミアの覇者になりました」
「物凄く強くてな」
「それで、ですけれど」
 それでもというのだ。
「今ではです」
「強くないんだな」
「そう思います」
 その精強を誇ったアッシリア軍もというのだ。
「あまり訓練していないですから」
「それじゃあね」
 マルコも言ってきた。
「強くないよ」
「訓練をしていないと」
「絶対にね」
「アッシリアは元々騎馬民族で」
 その大昔の話をした。
「滅茶苦茶強かったんですね」
「本当に大昔だね」
 マルコは騎馬民族と聞いて思わずこう言った。
「それは」
「はい、それは」
「四千年位前だよね」
「そうですね」
「今のアッシリア人と比べたら」
 それこそというのだ。
「もう全然違う人達だね」
「というか血がつながっているか」
「それすらもだね」
「ほんの一滴位かも知れないか」
「全くか」
「まあ自称ですからね」
 自称アッシリア人の末裔でその後継国家だ、連合の古代民族の復活国家はどの国も事情は同じである。アッシリアだけではない。 
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