八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百七十八話 期末テストその三
「オスカー=ワイルドがね」
「そうだったわね」
「この人は捕まったから」
裁判にかけられた、そのうえでだ。
「それで刑務所に入って」
「同性愛で」
「それでもう出て来た時はね」
もうその時はだ。
「ボロボロになっていたそうだよ」
「何で捕まるの?」
詩織さんは首を傾げさせて僕に聞いてきた。
「キリスト教で罪になるにしても」
「それだけのことに思えないよね」
「全然ね」
「それがね」
「当時はそこまでの罪だと思われていたのね」
「当時のイギリスでもね」
「日本で捕まった人いないけれど」
その同性愛でだ。
「一人も」
「うん、いないよ」
これは本当にだ、同性愛が有罪とされて捕まった人は日本の長い歴史の中でも一人として存在していない。
それでだ、詩織さんは僕にまた聞いてきた。
「私としてはオスカー=ワイルドさんはね」
「捕まる人じゃなくて」
「ルイス=キャロルさんの方がね」
むしろこの人がというのだ。
「捕まると思うけれど」
「僕もそう思うよ」
詩織さんにはっきりと答えた。
「そのことは」
「そうよね」
「小さな女の子にそうする方がね」
「同性愛より危ないわよね」
「遥かにね」
「同性愛は趣味じゃないけれど」
それでもとだ、詩織さんは僕にさらに話した。
「その人それぞれの趣味で」
「否定するものじゃないよね」
「織田信長さん捕まらなかったじゃない」
この人は森蘭丸だけでなく前田利家や蒲生氏郷もそうした相手にしていた、歴史書にもはっきり書かれている。
「そうでしょ」
「それで責められたこともないよ」
「そうよね」
「武田信玄さんだってね」
この人にしてもだ。
「そうしたお話あるけれど」
「浮気してるのよね」
「うん、それを謝る手紙残してるよ」
こうしたものが本当に残っているから凄い。
「絶対に浮気はしていないとか書いているんだ」
「あの人もそうなのね」
「上杉謙信さんも伊達政宗さんもね」
「そうした趣味あったのね」
「本当に普通だったから」
当時の日本ではだ。
「歌舞伎でもそうした場面普通にあるし」
「それで新選組でも」
「そうしたことが流行ってたんだよね」
「本当に普通だったのよね」
「そう、だからね」
それでだ。
「僕もそう思うよ」
「オスカー=ワイルドさんは捕まる様な人か」
「違うね」
ただそうした趣味な人であるだけでだ。
「何でもないよ」
「そうよね」
「別に禁断とかじゃなくて」
「変わった趣味であるだけで」
「別におかしなことはない」
「そうしたものよね」
「まああの人変に突っ張ったから」
その捕まる時にだ。
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