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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百七十七話 期末テストを前にしてその十四

「考えています」
「そういえば」
「女性的な人ですね」
「そうですね」
「男性しか愛せなかったことも」
「心は女性だったからですか」
「そうではないかとです」
 その同性愛のこともというのだ。
「考えています」
「身体は男性でもですね」
「それでもです」
「心は違いましたが」
「今で言いますと」
「性同一障害ですか」
「それの一種でしょうか」
 バイエルン王はそうではなかったかというのだ。
「私は医学の知識はないですが」
「身体は男性でもですね」
「心が女性なら」
「確かにお話聞いていますと」
 そのバイエルン王のだ。
「何か」
「心は、ですね」
「物凄く女性的ですね」
「左様ですね」
「繊細で心優しい人だったともいいますし」
「武芸は苦手で詩歌にお花を好まれていました」
 乗馬はしていたらしいが銃もフェシングも不得意だったしお好きではなかったということも聞いたことがある。
「お鼻はジャスミンがです」
「青いあのお花ですね」
「花火もお好きで」
 火薬はそうしたことに利用出来ればと考えていたという。
「宮殿も」
「ノイスヴァンシュタイン城とかですね」
「多くのお城や宮殿を建てられましたが」
「芸術が目的で」
「実用ではなく」
 もう大砲の時代だった、中世のお城なぞ実用面では全く意味がなくなっていた。
「芸術の為で」
「その外観もですね」
「やはり男性の好みというよりは」
「女性の、ですね」
「少女の様な、ローエングリンに憧れたことも」
 白鳥の騎士だ、ワーグナーの楽劇である。
「それもです」
「女性的だからですか」
「あの騎士は男性そのものですね」
「ですね、理想の騎士と言うべきか」
「その騎士に憧れたことも」
 このこともというのだ。
「さながらエルザ姫の様に」
「バイエルン王の心が女性だったからですか」
「私はそうではないかとさえです」
「お考えですか」
「はい、バイエルン王は美男子でしたが」
「お心は女性でしたか」
「乙女の様な、だから女性を愛せなかったのかも知れません」
 同性愛者だった理由もそこにあるのではというのだ。
「実際に」
「心が女性なら」
「男性を愛しますね」
「そうなりますね」
 この辺り複雑だ、心が女性の人の同性愛は身体が男性でもその相手は女性となる。どうもこう言うと僕もわからなくなる。
「まさに」
「そうです、ですから」
「あの人は同性愛者ということも」
「性同一障害ならです」
 心が女性である場合そう言うならだ。
「違ったのです」
「何か難しいですね」
「そうですね、ですが私はあの人も嫌いではないです」
 ルードヴィヒ二世もというのだ。 
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